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第4章 更なる戦い

第381話 ゲーム会場へようこそ21

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「これが・・・あたしの擬体化武器・・・?」
 光の粒子と共に、自らの両手の甲に装着されたツメを見て、呆気にとられる明子。実際に、自らの擬体化武器を見るのは初めての事であった。
「すごい・・・なんだか自然と両手に馴染む・・・」
 初めて装着したはずなのに、以前からまるで勝手がわかっていたかのような感覚に戸惑いを見せる明子。
「そういや、アンタは擬体化武器を装着したことなかったんだっけ?」
 優菜が己の獲物ーつまりは斧を片手で軽々と扱い、右肩に斧の柄の部分を載せながら言った。
「あたしも、初めてこの斧を手にした時は、とにかく焦ったわ~。斧なんて、触るどころか見たことさえないってのに、やたらと手に馴染んだのよね・・・怖いくらいに」
「私も、レイピアなんてその時初めて知りましたからね~」
 どうやら優菜も美羽も、初めて擬体化武器を手にした時は明子と同じ状況に陥っていたようだった。
 ーあたしだけじゃなかったんだな。この感覚ー
 そう思うと、さらに二人に対して親近感が湧いてきた気がした。
「あたしの斧は、見た目はゴツく見えるんだけど、意外と扱いやすいのよね」
 そう言うと、優菜は近くの切り株まで歩いていき、おもむろに斧を振り下ろした。
「そりゃあっ!!」
 古びた切り株に、優菜の斧が見事に切り込む。それを見て、明子が少し動揺する。
 擬体化武器は、本来の使い方としては相手の擬体を破損させるか、敗者の首を刎ねる時にのみ効果を発揮すると、大会運営側は参加者たちに説明していた。だが、今の優菜の擬体化武器による一撃は、間違いなくその切り株を真っ二つにしていたのだ。
「ああ、これね」
 優菜が、動揺する明子を見て、苦笑しながら、
「このゲーム中だけの話になるけど、擬体化武器も普通の武器と変わらないように設定されているらしいのよ。だから、こうして物を破壊したり・・・」
 そこまで言って、優菜は切り株の傍の茂みに軽く目を向ける。
 ガサゴソ・・・
 ー・・・ん?ー
 優菜の視線の先にある茂みから、何やら音が聞こえてくる。茂みの中をかき分けてくるような音だった。
「こうして魔物に攻撃を加えたりできるってわけっ!!」
 優菜が言い終わるよりも前に、茂みから突如が躍り出てきた。それに対し、優菜は待ってましたと言わんばかりに斧を振り回して、見事そいつにクリーンヒットさせたのだった。
「・・・ぐげっあおう」
 なんとも耳障りな絶叫と共に、得体の知れない生物が胴の部分で真っ二つになった状態で地面に転がる。それを見て、明子は「ひっ!!」と喉をひきつらせた。
 ーまさか、今のが魔物・・・なのか?ー

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