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第4章 更なる戦い
第372話 ゲーム会場へようこそ12
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「皆様、大変長らくお待たせいたしました」
ゲーム会場と呼ばれるその場所に、銀色の扉が突如出現し、中からメイドさんとボロ着姿の双子の少女たちが姿を見せた。
彼女たちの登場に、息を呑むゲーム強制参加者達。
「いよいよね・・・」
優菜が少しだけ眉をしかめる。よく見れば、眉だけではなく口元も少々引きつり気味だった。
「これで、私たちは3度目ですか・・・さすがにこれで終わりにしたいところです」
その隣で、美羽が頬に手を当てて軽くため息をついた。
「負ければあんなのが待ってるゲームなんて、もう出たくないわよ。あの罰ゲーム受けるくらいなら、死んだ方がよっぽどましだわ」
優菜にここまで言わせる罰ゲームというのがいかなるものなのか、今の明子には想像すらつかなかった。
明子の表情を見て、
「ああ、言っとくけど、罰ゲームの内容については絶対聞かない方がいいから。とにかく、全力で勝つことだけを意識して」
「・・・よくわかんないけど、よくわかったよ」
明らかに矛盾した、それこそ子供のような返事をする明子。実際、まるでわかっていないのだが、このことに関しては深く突っ込まない方がいいということを理解したーという意味で言った。
そんな、明子のなんとも間の抜けた解答に、優菜は苦笑いを浮かべ、美羽はどこか余裕そうに微笑する。
ー今は気にしないでおこう。とにかく、優菜さんが言う通り、勝つことだけを意識するかー
ゲームと言うからにはそれなりに頭を使いそうな気もするが、困ったことに、明子は頭を使うのはあまり得意な方ではない。頭よりも体の方が先に動いてしまうタイプだった。
ー体を動かすタイプのゲームの方がいいな・・・競技は、もちろん走るの主体とかー
かつて、日本にいた頃に短距離走で鳴らしてきた明子にとってはその方がありがたい。
「それでは、これよりゲームについて、ご説明を開始いたします」
少しだけざわつき始めたゲーム参加者を鎮めるかのように、両手をパンと叩きながら、メイドさんはよくとおる美声で説明をし始めた。
「今回のゲームは、これより転送される場所である物を獲得し、この部屋に戻ってくることが目的です。そのある物を手に入れるために、皆様には道中敵と戦っていただくことになります」
「・・・敵?」
明子の短い問いかけに、メイドさんは微笑しながら、
「そうです。これから、皆様が転送される場所には、魔物の姿を模した敵がいます。それらを撃破しながら、目的の物を探し出し、そして無事この部屋まで帰還することがゲームの勝利条件です」
「ちょっと待ってよ」
今度は、明子とは別な少女が疑問の声を上げた。
「今、戦闘って言ったけど・・・それだと擬体を纏わないといけないんじゃないの?」
少女の問いかけに、メイドさんはいい疑問だと言わんばかりに微笑しながら頷いた。
「その通りです。皆様方には擬体を纏っていただきます・・・が、性行為に及ぶ必要はありません。なぜなら・・・」
メイドさんが、わざとだろうが、一拍置いた。それから、
「この私が強制的に、皆様の擬体を発動させるからです」
その言葉に、部屋にいるゲーム初心者たちが動揺し始めた。
ゲーム会場と呼ばれるその場所に、銀色の扉が突如出現し、中からメイドさんとボロ着姿の双子の少女たちが姿を見せた。
彼女たちの登場に、息を呑むゲーム強制参加者達。
「いよいよね・・・」
優菜が少しだけ眉をしかめる。よく見れば、眉だけではなく口元も少々引きつり気味だった。
「これで、私たちは3度目ですか・・・さすがにこれで終わりにしたいところです」
その隣で、美羽が頬に手を当てて軽くため息をついた。
「負ければあんなのが待ってるゲームなんて、もう出たくないわよ。あの罰ゲーム受けるくらいなら、死んだ方がよっぽどましだわ」
優菜にここまで言わせる罰ゲームというのがいかなるものなのか、今の明子には想像すらつかなかった。
明子の表情を見て、
「ああ、言っとくけど、罰ゲームの内容については絶対聞かない方がいいから。とにかく、全力で勝つことだけを意識して」
「・・・よくわかんないけど、よくわかったよ」
明らかに矛盾した、それこそ子供のような返事をする明子。実際、まるでわかっていないのだが、このことに関しては深く突っ込まない方がいいということを理解したーという意味で言った。
そんな、明子のなんとも間の抜けた解答に、優菜は苦笑いを浮かべ、美羽はどこか余裕そうに微笑する。
ー今は気にしないでおこう。とにかく、優菜さんが言う通り、勝つことだけを意識するかー
ゲームと言うからにはそれなりに頭を使いそうな気もするが、困ったことに、明子は頭を使うのはあまり得意な方ではない。頭よりも体の方が先に動いてしまうタイプだった。
ー体を動かすタイプのゲームの方がいいな・・・競技は、もちろん走るの主体とかー
かつて、日本にいた頃に短距離走で鳴らしてきた明子にとってはその方がありがたい。
「それでは、これよりゲームについて、ご説明を開始いたします」
少しだけざわつき始めたゲーム参加者を鎮めるかのように、両手をパンと叩きながら、メイドさんはよくとおる美声で説明をし始めた。
「今回のゲームは、これより転送される場所である物を獲得し、この部屋に戻ってくることが目的です。そのある物を手に入れるために、皆様には道中敵と戦っていただくことになります」
「・・・敵?」
明子の短い問いかけに、メイドさんは微笑しながら、
「そうです。これから、皆様が転送される場所には、魔物の姿を模した敵がいます。それらを撃破しながら、目的の物を探し出し、そして無事この部屋まで帰還することがゲームの勝利条件です」
「ちょっと待ってよ」
今度は、明子とは別な少女が疑問の声を上げた。
「今、戦闘って言ったけど・・・それだと擬体を纏わないといけないんじゃないの?」
少女の問いかけに、メイドさんはいい疑問だと言わんばかりに微笑しながら頷いた。
「その通りです。皆様方には擬体を纏っていただきます・・・が、性行為に及ぶ必要はありません。なぜなら・・・」
メイドさんが、わざとだろうが、一拍置いた。それから、
「この私が強制的に、皆様の擬体を発動させるからです」
その言葉に、部屋にいるゲーム初心者たちが動揺し始めた。
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