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第4章 更なる戦い
第368話 ゲーム会場へようこそ8
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色彩が豊かなーと言えば好意的かもしれないか、実際にはサイケデリックな部屋に、鮮明な赤が迸った。
「きゃああああっ!!」
ゲーム参加者ー主に初参加の者達から凄まじい悲鳴が上がる。それに対して、既に3度目の挑戦となる優菜や美羽たちは気の毒そうに目を伏せるだけであった。
おさげの少女は、メイドさんに首をかっ切られて殺されたのだーそして、その生首は今、メイドさんの手に抱えられている。
「これで、これから始めるゲームの人数が揃いました」
自らのメイド服が血に汚れるのも気にせず、メイドさんは生首を抱えながら、穏やかな笑顔でこともなげに言った。
「このゲームは、両チームとも10人ずつでプレイしていただきます。ゲーム内容に関しては、追って説明いたしますので、しばしの間、皆様でご歓談くださいませ」
「お、おい・・・」
初参加組は、何が起こったのかわからないといった様子だった。今しがた見せつけられた凄惨な殺人に、誰もが身を強張らせ、中には嗚咽を漏らすものさえいた。
とてもではないが、「ご歓談」なんてできるような雰囲気ではない。
首を失ったおさげの少女の胴体から、未だに赤い奔流が吹き出ている。首はなくとも、その体内を駆け巡っていたであろう生命の体液は、外界に解放されたままの勢いで、このでたらめな色彩の空間を赤一色に染め上げるかのごとく、床を侵食していった。
「うううう」
「るるるる」
生首を抱えたまま、この部屋にある唯一の扉へと向かおうとするメイドさんの後を追うように、ボロ着姿の双子たちが付いていく。まるで、ご主人様に忠実な犬と同じだった。
バタンー扉が閉まる。
この不可思議な部屋に取り残されたのは、20名のゲーム参加者達のみ。あとは、無残にも屍と化したおさげの少女の胴体だけだった。
「いやあああっ!!」
「な、なによ、何なの、これぇっ!!」
参加者達ー主に初参加の者達から、痛烈な悲鳴と抗議の声が上がる。
無理もない。いきなり見たこともないところに連れてこられて、ゲームへの強制参加を余儀なくされ、さらには斬首シーンを見せつけられたのだ。これでは恐慌状態に陥るのも無理はなかった。
おさげの少女は、大型のナイフで首を斬られていた。その光景は、まるでイスラム原理主義者が異教徒を捕えて処刑するシーンにも匹敵するくらい凄惨なものだった。アングラ系の動画サイトなどをあされば、その手の動画はいくらでもあるのだが、間近でそれを見せつけられるのと動画では、やはり受ける印象が全く異なる。
「これは・・・彼女からの、というより、大会運営側からのメッセージですよ」
明子の隣に立つ美羽が、沈痛な面持ちのまま言った。
そう、これは大会運営側からの強烈なメッセージを含んでいるのだ。そろそろ遊戯時間は終わりなのだ、とー
「きゃああああっ!!」
ゲーム参加者ー主に初参加の者達から凄まじい悲鳴が上がる。それに対して、既に3度目の挑戦となる優菜や美羽たちは気の毒そうに目を伏せるだけであった。
おさげの少女は、メイドさんに首をかっ切られて殺されたのだーそして、その生首は今、メイドさんの手に抱えられている。
「これで、これから始めるゲームの人数が揃いました」
自らのメイド服が血に汚れるのも気にせず、メイドさんは生首を抱えながら、穏やかな笑顔でこともなげに言った。
「このゲームは、両チームとも10人ずつでプレイしていただきます。ゲーム内容に関しては、追って説明いたしますので、しばしの間、皆様でご歓談くださいませ」
「お、おい・・・」
初参加組は、何が起こったのかわからないといった様子だった。今しがた見せつけられた凄惨な殺人に、誰もが身を強張らせ、中には嗚咽を漏らすものさえいた。
とてもではないが、「ご歓談」なんてできるような雰囲気ではない。
首を失ったおさげの少女の胴体から、未だに赤い奔流が吹き出ている。首はなくとも、その体内を駆け巡っていたであろう生命の体液は、外界に解放されたままの勢いで、このでたらめな色彩の空間を赤一色に染め上げるかのごとく、床を侵食していった。
「うううう」
「るるるる」
生首を抱えたまま、この部屋にある唯一の扉へと向かおうとするメイドさんの後を追うように、ボロ着姿の双子たちが付いていく。まるで、ご主人様に忠実な犬と同じだった。
バタンー扉が閉まる。
この不可思議な部屋に取り残されたのは、20名のゲーム参加者達のみ。あとは、無残にも屍と化したおさげの少女の胴体だけだった。
「いやあああっ!!」
「な、なによ、何なの、これぇっ!!」
参加者達ー主に初参加の者達から、痛烈な悲鳴と抗議の声が上がる。
無理もない。いきなり見たこともないところに連れてこられて、ゲームへの強制参加を余儀なくされ、さらには斬首シーンを見せつけられたのだ。これでは恐慌状態に陥るのも無理はなかった。
おさげの少女は、大型のナイフで首を斬られていた。その光景は、まるでイスラム原理主義者が異教徒を捕えて処刑するシーンにも匹敵するくらい凄惨なものだった。アングラ系の動画サイトなどをあされば、その手の動画はいくらでもあるのだが、間近でそれを見せつけられるのと動画では、やはり受ける印象が全く異なる。
「これは・・・彼女からの、というより、大会運営側からのメッセージですよ」
明子の隣に立つ美羽が、沈痛な面持ちのまま言った。
そう、これは大会運営側からの強烈なメッセージを含んでいるのだ。そろそろ遊戯時間は終わりなのだ、とー
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