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第4章 更なる戦い

第367話 ゲーム会場へようこそ7

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 ちぐはぐなカラフルさが支配するサイケデリックなこの部屋に、少女の鮮血が飛び散りー
 そこで、参加者たちは、自分たちが命のやり取りをする「大会参加者」であることを失念していたということを改めて思い知らされる形となった。
 そもそも、この大会は少女たちに殺し合いをさせるのだが、それ自体を忌避して、何とかうまいこと逃れ続けようとする参加者たちが一定割合で存在する。
 だが、参加者の誰もが逃れることができないのだーそれを実感させるのに、少女の絶え間ない悲鳴と鮮血は十分効果があった。
「・・・なぜだ」
 参加者のうちの誰かがうめき声を上げた。
「この大会では、殺し合いをする場合には、擬体を纏ってからじゃなきゃダメなはずだ・・・なのに、何で」
?」
 非難めいた疑問を呈した少女に対し、冷ややかな眼差しを向けるメイドさん。その瞳が剣呑に輝いているー当然だ、今しがた人を撃ったばかりなのだからー
 視線を向けられた少女は「ひっ」と喉を引きつらせて、蛇に睨まれた蛙の如く、そのまま押し黙ってしまった。
「私は
 メイドさんの口調は、丁寧ではあるが、有無を言わさない迫力も同時に備えていた。足を撃たれて苦痛にのたうち回っているおさげの少女以外の参加者たちは、そのまま言葉をなくしたままだった。
「よって、あなた方と
 ー・・・殺し合いをするつもりがない?ー
 その言葉の意味を理解するのに、そして「調整」の言葉を理解するのにさほどの時を必要としなかった。
 メイドさんは、自らが足を撃ちぬいた少女の傍まで足を運んだ。ヒールの足音が、カラフルな床に反響して高らかと鳴る。
 メイドさんの手には、さっきまでは銃が握られていたが、よく見ると今度はナイフが握られていたーコンバットナイフとでもいうべきだろうかーかなり刃幅の広い、明子から見ても何でも切れてしまいそうな大型ナイフだった。
「あううっ!!」
 メイドさんは、床をのたうち回っているおさげの少女の結われた髪一束をむんずと掴むと、彼女の上半身を無理やり起き上がらせた。
 苦痛に喚いていたおさげの少女だったが、その首筋に冷たい刃が押しつけられているのを見て、恐怖に顔を引きつらせていた。
 既に顔は涙に濡れ、その小奇麗な顔もぐしゃぐしゃの状態になっていた。
「私は・・・間引くと言いました。そして、その対象は、今回はあなたなのです」
「・・・っ!?」
 メイドさんが言い終わるのと、おさげの少女の瞳が見開かれ、彼女のナイフが横なぎにされるのがほぼ重なった。
 そしてー
 更なる鮮血が迸った。
 
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