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第4章 更なる戦い
第365話 ゲーム会場へようこそ5
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「うううう」
「るるるる」
メイドさんが説明を始めようとした矢先、ボロボロワンピースの双子がまた唸り声を上げていた。
「ああ、そうですね・・・お前たちの言う通り、その前に調整をする必要があるようです」
ー・・・調整?ー
明子だけでなく、他の少女たちも一様に首を傾げている。一方で、このゲームに3度目の挑戦することとなった優菜と美羽は、緊張に顔を強張らせた。心なしか、2人のー特に優菜の方のー視線が冷たく細められたような気がした。
そもそも、「お前たちの言う通り」とメイドさんは語っているが、ここで言う「お前たち」とは強制参加者のことを指しているのではないだろう。となれば、考えられるのは、メイドさんの傍らで唸り声を上げているだけの謎の双子の事なのだろうが、そうなれば、あのメイドさんはこの双子の唸り声の意味が分かるということなのだろうか・・・?
考え込んでいる明子の隣で、美羽と優菜が何かを囁き合っていた。
「やっぱり、そう来ますよね」
「・・・また、アレをやるんでしょ、あのメイドは。あたしたちの陣営には手を出さないだろうけど」
「・・・?」
2人は一体何を言っているのか。
「ええと、あなた、この床にある黒い線があるでしょ?」
頭の上にクエスチョンを浮かべている明子に対し、優菜は足元の床にひかれている黒く太い線を指し示した。
「あれが、今回のゲームでのグループ分けに使われる線よ」
「まさに、一線を画すというやつですね」
「グループ分け?」
明子は優菜に言われて、足元の黒い線の方へ目を向けた。
この奇天烈な色彩の部屋の中で、まるで墨汁でも垂らしたかのように黒々とした太い線。優菜たちによれば、この線によって今回のゲームのグループ分けをするというらしいのだがー
明子が黒い線に視線を向けたのを見て、優菜がさらに説明を付け加える。
「あたしらの立っている位置ーこの部屋の左側が・・・そうね仮にAチームとすれば、あっち側ーつまり線の向こう側の方はBチームね。そして、このゲームの最初には、必ずー」
優菜は一旦そこで言葉を区切り、一瞬だけメイドを睨んだーその後、すぐに明子へと向き直り、
「今、こちら側に立っているのは10人、あっちは11人ね」
言われて明子も人数を数えてみる。確かに優菜の言う通りだった。
「あいつの言う調整が始まるわ・・・人数調整、つまり、間引きね」
「間引き・・・?」
その言葉に、いやな予感を覚える明子。
「まさか、間引きって・・・」
「コホン」
メイドさんが、わざとらしく咳をしてみせた。それまで近くの子たちで勝手にしゃべり合っていた参加者たちの視線が、メイドさんの方へと向けられる。
心なしか、メイドさんの口角が吊り上がったような気がしたー
この直後、明子をはじめ参加者たちは、彼女の言う「調整」の意味を身をもって知ることとなる。
「るるるる」
メイドさんが説明を始めようとした矢先、ボロボロワンピースの双子がまた唸り声を上げていた。
「ああ、そうですね・・・お前たちの言う通り、その前に調整をする必要があるようです」
ー・・・調整?ー
明子だけでなく、他の少女たちも一様に首を傾げている。一方で、このゲームに3度目の挑戦することとなった優菜と美羽は、緊張に顔を強張らせた。心なしか、2人のー特に優菜の方のー視線が冷たく細められたような気がした。
そもそも、「お前たちの言う通り」とメイドさんは語っているが、ここで言う「お前たち」とは強制参加者のことを指しているのではないだろう。となれば、考えられるのは、メイドさんの傍らで唸り声を上げているだけの謎の双子の事なのだろうが、そうなれば、あのメイドさんはこの双子の唸り声の意味が分かるということなのだろうか・・・?
考え込んでいる明子の隣で、美羽と優菜が何かを囁き合っていた。
「やっぱり、そう来ますよね」
「・・・また、アレをやるんでしょ、あのメイドは。あたしたちの陣営には手を出さないだろうけど」
「・・・?」
2人は一体何を言っているのか。
「ええと、あなた、この床にある黒い線があるでしょ?」
頭の上にクエスチョンを浮かべている明子に対し、優菜は足元の床にひかれている黒く太い線を指し示した。
「あれが、今回のゲームでのグループ分けに使われる線よ」
「まさに、一線を画すというやつですね」
「グループ分け?」
明子は優菜に言われて、足元の黒い線の方へ目を向けた。
この奇天烈な色彩の部屋の中で、まるで墨汁でも垂らしたかのように黒々とした太い線。優菜たちによれば、この線によって今回のゲームのグループ分けをするというらしいのだがー
明子が黒い線に視線を向けたのを見て、優菜がさらに説明を付け加える。
「あたしらの立っている位置ーこの部屋の左側が・・・そうね仮にAチームとすれば、あっち側ーつまり線の向こう側の方はBチームね。そして、このゲームの最初には、必ずー」
優菜は一旦そこで言葉を区切り、一瞬だけメイドを睨んだーその後、すぐに明子へと向き直り、
「今、こちら側に立っているのは10人、あっちは11人ね」
言われて明子も人数を数えてみる。確かに優菜の言う通りだった。
「あいつの言う調整が始まるわ・・・人数調整、つまり、間引きね」
「間引き・・・?」
その言葉に、いやな予感を覚える明子。
「まさか、間引きって・・・」
「コホン」
メイドさんが、わざとらしく咳をしてみせた。それまで近くの子たちで勝手にしゃべり合っていた参加者たちの視線が、メイドさんの方へと向けられる。
心なしか、メイドさんの口角が吊り上がったような気がしたー
この直後、明子をはじめ参加者たちは、彼女の言う「調整」の意味を身をもって知ることとなる。
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