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第4章 更なる戦い
第360話 小川明子40
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「ゲーム会場・・・?」
明子が思わず聞き返した。
ゲーム・・・とはどういうことだろう?そもそも、この大会自体が壮大なデスゲームではないだろうか・・・?
「やばいわね」
朝霧優菜と呼ばれた少女が下唇を噛みしめる。その様子を訝しむ明子を見て、
「あいつはね、自分独自のゲームを現出させることができるゲームクリエイターの能力者なのよ」
「ゲームクリエイター?」
意味が分からない。そもそも自分独自のゲームを現出させる・・・とはどういう意味だろうか。能力者という言葉も気にかかる。
「フフフ、そちらのお初さんは、まだ私のような人間には出会ったことがないようね」
明子の疑問に答えるかのように、メイドさんが微笑しながら言った。
「私は、この大会において既に10人以上の人間に勝利しているわ・・・そして、キルスコアが2桁に到達した参加者にはある特権が与えられるのよ」
ー特権だって?ー
初めて聞く話だった。大会開会式においても、そんな説明はなかったはずだ。
あるいは、聞き逃していたのだろうか。
明子の疑問に対して、メイドさんは悠然とした態度で、自らの「特権」について語り始めた。
「擬体化なしでも能力を展開できるようになるのと、あとはもう1つ」
もったいぶらせるかの如く一拍を置くメイドさん。何も知らない相手により過酷な事実を知らせることへの優越感と愉悦が垣間見える表情だった。
「複数の人数を集めて、独自にゲームを開催することができる・・・その裁量権が私には与えられているのよ」
優菜と一ノ瀬美羽の喉が鳴る。彼女たちは、そのゲームがどのようなものか、よくわかっているようだった。
「あなたたちが私のゲーム会場まで来てくれれば、いつでもゲームを開催できるわ・・・運営よりもキツイ、それこそ痛みを伴った本格的なゲームがね」
痛みを伴ったーその表現に、優菜、美羽共にかすかにうめき声を上げた。
「まあ、私のゲーム会場に来てくれればどういうことかすぐにわかると思うわ・・・というよりも、この場所にいる段階で、既にあなたたちには逃げることなんてできないんだけどね」
ふいに、メイドさんは、さっきまで撫でていた双子の少女の髪を、今度は力強く鷲掴みにした。それにより、2人の少女が痛みに悲鳴を上げる。
「さあ、お前たち、門を開きなさい。この子達のために」
「うううう」
「るるるる」
こちらに対しては闘争心むき出しの表情を向けていた双子の少女だったが、自らを乱暴に扱うメイドさんに対しては驚くほど従順なようだった。痛みに目尻に涙をためてはいたものの、メイドさんに対しては決して抗おうとはせず、言われるがままにこちらに向かってそれぞれの利き手を向けてきた。
メイドさんの右側に立つ少女は右手を、左側に立つ少女は左手をー
こちらに向けてー
「があああ」
「しゃあああ」
2人の少女の瞳が黄金色に輝いたかと思うと、優菜、美羽、明子の背後に、突如銀色の扉が現れたー
「しまった・・・」
「まずいですね」
優菜、美羽が背後を振り返り、その扉を睨みつける。明子には、いったい何が起きているのか、さっぱりわからなかった。
「さあ、ゲーム会場へ行きましょうか」
メイドさんの艶めかしい声が聞こえたーような気がした。
明子が思わず聞き返した。
ゲーム・・・とはどういうことだろう?そもそも、この大会自体が壮大なデスゲームではないだろうか・・・?
「やばいわね」
朝霧優菜と呼ばれた少女が下唇を噛みしめる。その様子を訝しむ明子を見て、
「あいつはね、自分独自のゲームを現出させることができるゲームクリエイターの能力者なのよ」
「ゲームクリエイター?」
意味が分からない。そもそも自分独自のゲームを現出させる・・・とはどういう意味だろうか。能力者という言葉も気にかかる。
「フフフ、そちらのお初さんは、まだ私のような人間には出会ったことがないようね」
明子の疑問に答えるかのように、メイドさんが微笑しながら言った。
「私は、この大会において既に10人以上の人間に勝利しているわ・・・そして、キルスコアが2桁に到達した参加者にはある特権が与えられるのよ」
ー特権だって?ー
初めて聞く話だった。大会開会式においても、そんな説明はなかったはずだ。
あるいは、聞き逃していたのだろうか。
明子の疑問に対して、メイドさんは悠然とした態度で、自らの「特権」について語り始めた。
「擬体化なしでも能力を展開できるようになるのと、あとはもう1つ」
もったいぶらせるかの如く一拍を置くメイドさん。何も知らない相手により過酷な事実を知らせることへの優越感と愉悦が垣間見える表情だった。
「複数の人数を集めて、独自にゲームを開催することができる・・・その裁量権が私には与えられているのよ」
優菜と一ノ瀬美羽の喉が鳴る。彼女たちは、そのゲームがどのようなものか、よくわかっているようだった。
「あなたたちが私のゲーム会場まで来てくれれば、いつでもゲームを開催できるわ・・・運営よりもキツイ、それこそ痛みを伴った本格的なゲームがね」
痛みを伴ったーその表現に、優菜、美羽共にかすかにうめき声を上げた。
「まあ、私のゲーム会場に来てくれればどういうことかすぐにわかると思うわ・・・というよりも、この場所にいる段階で、既にあなたたちには逃げることなんてできないんだけどね」
ふいに、メイドさんは、さっきまで撫でていた双子の少女の髪を、今度は力強く鷲掴みにした。それにより、2人の少女が痛みに悲鳴を上げる。
「さあ、お前たち、門を開きなさい。この子達のために」
「うううう」
「るるるる」
こちらに対しては闘争心むき出しの表情を向けていた双子の少女だったが、自らを乱暴に扱うメイドさんに対しては驚くほど従順なようだった。痛みに目尻に涙をためてはいたものの、メイドさんに対しては決して抗おうとはせず、言われるがままにこちらに向かってそれぞれの利き手を向けてきた。
メイドさんの右側に立つ少女は右手を、左側に立つ少女は左手をー
こちらに向けてー
「があああ」
「しゃあああ」
2人の少女の瞳が黄金色に輝いたかと思うと、優菜、美羽、明子の背後に、突如銀色の扉が現れたー
「しまった・・・」
「まずいですね」
優菜、美羽が背後を振り返り、その扉を睨みつける。明子には、いったい何が起きているのか、さっぱりわからなかった。
「さあ、ゲーム会場へ行きましょうか」
メイドさんの艶めかしい声が聞こえたーような気がした。
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