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第4章 更なる戦い
第355話 小川明子35
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ー穂乃果が近くにいるのに、手が出せないだなんてー
1階と2階の間にある階段の踊り場から、4人の様子を窺う明子。
「さあて、気を取り直して、さっさと餌の調達に行くかな」
3人の看守姿の少女のうち、最も背丈が低い娘が言った。
「餌の確保もいいけど・・・周りにも気をつけろよ。いつ襲ってくるやつがいるかわからんからな」
今度は、背丈が2番目の少女が言う。背丈が最も低い少女よりは、落ち着いている雰囲気の少女だった。
「さっきのやつだって、結構やばかったからな・・・まあ、さすがにあんなのはそうしょっちゅう出くわすってことも無いだろうけどさ」
最後に、背丈が一番高い看守が言った。この3人の中では年長者なのだろうか・・・?
3にんの関係性も気になったが、それよりも引っかかるものが明子にはあった。
ーさっきのやつ・・・?ー
確か、穂乃果も含めて彼女たちは3階から降りてきたはずだ。今は早朝ー彼女たちは、これから外出しようとしているのはわかるが、その前に外出したという様子もない。
つまりはー
「このホテルに、さらに他の参加者がいるってことか・・・?」
そう言うことになる。しかも、看守姿の少女は、結構やばいやつだと言っていた。
ーそんなのが、同じホテル内にいるってわけかー
穂乃果のことは気になるが、他にも危険な参加者がいるというのも気がかりだ。
そもそも、明子は今まで戦った経験はない。穂乃果との再会だけを目標に、可能な限り逃げ回ってきたのだ。我ながら、逃げ足だけは早かったと思っている。
もし、そんな厄介な相手に見つかり、無理やり戦いを強制されたらーつまりレイプされたら、ということにもなるー果たして明子は勝てるだろうか。負ければ、その時点で落命することになる。
「・・・無理をしてでも、今のうちに穂乃果に話しかけようか・・・?」
見たところ、穂乃果もあの3人の看守たちと打ち解けているように思えた。少なくとも、無理やり拘束されているというわけではなさそうである。むしのいい話になるかもしれないが、穂乃果の想い人である自分なら、話をすれば受け入れてくれるのではないだろうか。
「・・・ここでただ見守っているよりは、こっちから出向いた方がいいのかも」
看守姿の少女たちと穂乃果が、連れ立ってホテルの外に出ようとしている。明子は、慌ててその後を追いかけることにした。
ーとりあえず、後をつけて行ってみようー
明子もホテルの外に出た。
今は早朝ーこれが、日本にいた頃であれば、ちょうど部活の朝練をしていたことだっただろう。
ーもう、部活のみんなの名前も思い出せないけどさー
なつかしさがこみあげてくるとともに、もはやあの頃には戻れないという寂寥感もある。
「昔のことを懐かしんでる場合じゃないか・・・今は穂乃果たちを見失わないようにしないと」
4人は、とりあえず近くにあるコンビニまで向かっているようだ。探偵の気分さながらに、尾行を開始する明子。
「・・・あまりこういうのって、得意じゃないんだよな・・・少なくとも、あたしのキャラじゃないよ」
苦笑して独り言ちながら、近くの物陰に身を隠して4人の様子を窺う。穂乃果は、ほとんど3人と打ち解けているようにも見えた。
「少なくとも、あの3人が近くにいる以上、穂乃果の身に危険が及ぶことはなさそうだな」
そこは安心できた。
1階と2階の間にある階段の踊り場から、4人の様子を窺う明子。
「さあて、気を取り直して、さっさと餌の調達に行くかな」
3人の看守姿の少女のうち、最も背丈が低い娘が言った。
「餌の確保もいいけど・・・周りにも気をつけろよ。いつ襲ってくるやつがいるかわからんからな」
今度は、背丈が2番目の少女が言う。背丈が最も低い少女よりは、落ち着いている雰囲気の少女だった。
「さっきのやつだって、結構やばかったからな・・・まあ、さすがにあんなのはそうしょっちゅう出くわすってことも無いだろうけどさ」
最後に、背丈が一番高い看守が言った。この3人の中では年長者なのだろうか・・・?
3にんの関係性も気になったが、それよりも引っかかるものが明子にはあった。
ーさっきのやつ・・・?ー
確か、穂乃果も含めて彼女たちは3階から降りてきたはずだ。今は早朝ー彼女たちは、これから外出しようとしているのはわかるが、その前に外出したという様子もない。
つまりはー
「このホテルに、さらに他の参加者がいるってことか・・・?」
そう言うことになる。しかも、看守姿の少女は、結構やばいやつだと言っていた。
ーそんなのが、同じホテル内にいるってわけかー
穂乃果のことは気になるが、他にも危険な参加者がいるというのも気がかりだ。
そもそも、明子は今まで戦った経験はない。穂乃果との再会だけを目標に、可能な限り逃げ回ってきたのだ。我ながら、逃げ足だけは早かったと思っている。
もし、そんな厄介な相手に見つかり、無理やり戦いを強制されたらーつまりレイプされたら、ということにもなるー果たして明子は勝てるだろうか。負ければ、その時点で落命することになる。
「・・・無理をしてでも、今のうちに穂乃果に話しかけようか・・・?」
見たところ、穂乃果もあの3人の看守たちと打ち解けているように思えた。少なくとも、無理やり拘束されているというわけではなさそうである。むしのいい話になるかもしれないが、穂乃果の想い人である自分なら、話をすれば受け入れてくれるのではないだろうか。
「・・・ここでただ見守っているよりは、こっちから出向いた方がいいのかも」
看守姿の少女たちと穂乃果が、連れ立ってホテルの外に出ようとしている。明子は、慌ててその後を追いかけることにした。
ーとりあえず、後をつけて行ってみようー
明子もホテルの外に出た。
今は早朝ーこれが、日本にいた頃であれば、ちょうど部活の朝練をしていたことだっただろう。
ーもう、部活のみんなの名前も思い出せないけどさー
なつかしさがこみあげてくるとともに、もはやあの頃には戻れないという寂寥感もある。
「昔のことを懐かしんでる場合じゃないか・・・今は穂乃果たちを見失わないようにしないと」
4人は、とりあえず近くにあるコンビニまで向かっているようだ。探偵の気分さながらに、尾行を開始する明子。
「・・・あまりこういうのって、得意じゃないんだよな・・・少なくとも、あたしのキャラじゃないよ」
苦笑して独り言ちながら、近くの物陰に身を隠して4人の様子を窺う。穂乃果は、ほとんど3人と打ち解けているようにも見えた。
「少なくとも、あの3人が近くにいる以上、穂乃果の身に危険が及ぶことはなさそうだな」
そこは安心できた。
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