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第4章 更なる戦い
第343話 小川明子23
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「この部屋、このホテルで今一番人口密度高くね?」
アエローがわかり切っていることを言い出すー
今度は310室。ちょうど、小川明子が宿泊している部屋の真上に当たる。そこには彩木穂乃果をはじめ、アエロー、オキュペテー、ケライノーの看守トリオがいた。この島では宿泊施設と言えども料金を支払わなくてもいいことになっているので、アエローたちも何の遠慮もなく、好き勝手に部屋を使っている。
「当り前だ、このホテルにはあたしらしかいねえんだし」
また、アエローの馬鹿話が始まったとばかりに苦笑しながら、オキュペテーは肩を竦める。ケライノーも同様だった。
「まあ、個別に部屋を使ってもいいんだけどさ・・・今晩はここでもいいかなと」
「他の部屋に戻るの、もう面倒だしな・・・このまま穂乃果ちゃんと仲良くお泊りしちゃいましょうぜ」
「え・・・?」
穂乃果が少し驚く。
「この部屋って、シングルですよ・・・これじゃあ狭くて皆さんが困るのでは?」
「ああ、別にいいよ。あたしら床でも寝られるタイプだし」
「お前は床どころか野宿でも平気だしな・・・サバイバル精神は旺盛だよな、アエローは」
「寝られりゃ文句ないよ。どこでもいいさ・・・それより、穂乃果ちゃんは誰と寝てみたい?」
「え・・・?」
穂乃果がぽかんとして口を開く。誰と寝てみたいか、なんて訊かれるとは夢にも思っていなかったからだ。
「あ、あの・・・」
「確かにこの部屋はシングルだけど、そのベッドのサイズならかろうじて2人くらいは寝られるだろう。穂乃果ちゃんはこの部屋の主だから当然そこで寝るとして・・・あたしら3人となら誰と寝てみたいかなあと」
ベッドのサイズなら、確かにアエローの言う通り2人くらいならかろうじて入るだろうが、それにしても、いきなり一緒に寝る相手を選べと来るとは思いもよらなかった。
当然、残りの2人からもアエローに対してツッコミが入った。
「お前なあ、それじゃあ穂乃果ちゃんが落ち着いて寝てられねえだろが。あたしらは床だ床!3人で川の字になるぞ」
「あの・・・」
穂乃果が申し訳なさそうに、
「私のことは一人でも大丈夫ですから、他の部屋のベッドできちんと寝た方が・・・」
いくら何でも部屋の床で3人も寝転がるというのはあまりにも無理があるだろう。川の字と言っても、そんなスペースなどあるわけもない。穂乃果が焦るのも当然だった。
「うーん、他の部屋か・・・まあ、この部屋の両隣りと真向いなら、何かあってもすぐに駆け付けられるかな」
「本音を言えば、あたしら夜通しでプチ女子会をやりたかったわけだけどね」
「お前さんの場合は、それ単なる口実な・・・本当は、穂乃果ちゃんを独占したかったんだろうが」
穂乃果の容姿は確かに優れている。同性異性問わずほっとけないタイプの少女だった。
ゆえに、狙われやすい存在とも言えたー特に、この島では。
「わかった。まあ、さすがにこの部屋で川の字で寝るっつうのは無理あるしな・・・殺気も言った通り、何かあった時のために、近くの部屋を使わせてもらうわ」
名残惜しそうにするアエローの背中を押して、穂乃果の部屋をあとにするオキュペテー、ケライノー。今夜の騒ぎはもうお開きの時間だった。
アエローがわかり切っていることを言い出すー
今度は310室。ちょうど、小川明子が宿泊している部屋の真上に当たる。そこには彩木穂乃果をはじめ、アエロー、オキュペテー、ケライノーの看守トリオがいた。この島では宿泊施設と言えども料金を支払わなくてもいいことになっているので、アエローたちも何の遠慮もなく、好き勝手に部屋を使っている。
「当り前だ、このホテルにはあたしらしかいねえんだし」
また、アエローの馬鹿話が始まったとばかりに苦笑しながら、オキュペテーは肩を竦める。ケライノーも同様だった。
「まあ、個別に部屋を使ってもいいんだけどさ・・・今晩はここでもいいかなと」
「他の部屋に戻るの、もう面倒だしな・・・このまま穂乃果ちゃんと仲良くお泊りしちゃいましょうぜ」
「え・・・?」
穂乃果が少し驚く。
「この部屋って、シングルですよ・・・これじゃあ狭くて皆さんが困るのでは?」
「ああ、別にいいよ。あたしら床でも寝られるタイプだし」
「お前は床どころか野宿でも平気だしな・・・サバイバル精神は旺盛だよな、アエローは」
「寝られりゃ文句ないよ。どこでもいいさ・・・それより、穂乃果ちゃんは誰と寝てみたい?」
「え・・・?」
穂乃果がぽかんとして口を開く。誰と寝てみたいか、なんて訊かれるとは夢にも思っていなかったからだ。
「あ、あの・・・」
「確かにこの部屋はシングルだけど、そのベッドのサイズならかろうじて2人くらいは寝られるだろう。穂乃果ちゃんはこの部屋の主だから当然そこで寝るとして・・・あたしら3人となら誰と寝てみたいかなあと」
ベッドのサイズなら、確かにアエローの言う通り2人くらいならかろうじて入るだろうが、それにしても、いきなり一緒に寝る相手を選べと来るとは思いもよらなかった。
当然、残りの2人からもアエローに対してツッコミが入った。
「お前なあ、それじゃあ穂乃果ちゃんが落ち着いて寝てられねえだろが。あたしらは床だ床!3人で川の字になるぞ」
「あの・・・」
穂乃果が申し訳なさそうに、
「私のことは一人でも大丈夫ですから、他の部屋のベッドできちんと寝た方が・・・」
いくら何でも部屋の床で3人も寝転がるというのはあまりにも無理があるだろう。川の字と言っても、そんなスペースなどあるわけもない。穂乃果が焦るのも当然だった。
「うーん、他の部屋か・・・まあ、この部屋の両隣りと真向いなら、何かあってもすぐに駆け付けられるかな」
「本音を言えば、あたしら夜通しでプチ女子会をやりたかったわけだけどね」
「お前さんの場合は、それ単なる口実な・・・本当は、穂乃果ちゃんを独占したかったんだろうが」
穂乃果の容姿は確かに優れている。同性異性問わずほっとけないタイプの少女だった。
ゆえに、狙われやすい存在とも言えたー特に、この島では。
「わかった。まあ、さすがにこの部屋で川の字で寝るっつうのは無理あるしな・・・殺気も言った通り、何かあった時のために、近くの部屋を使わせてもらうわ」
名残惜しそうにするアエローの背中を押して、穂乃果の部屋をあとにするオキュペテー、ケライノー。今夜の騒ぎはもうお開きの時間だった。
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