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第4章 更なる戦い
第334話 小川明子14
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「さあて、4人全員揃ったことだし、大いに盛り上がろうか!!」
ところ変わって、ここは穂乃果たちがいる310室ーちょうど、小川明子が泊っている210室の真上の部屋である。部屋にいるのは、アエロー、オキュペテー、ケライノー、そして穂乃果。ケライノーは、穂乃果を宥めるために部屋に残っていた。穂乃果の様子を見るに、最初のころと比べてだいぶ落ち着いてきたようだった。
「へへへ・・・そういやあ、こうやって女子だけで集まって騒ぐなんて久しぶりだよなぁ」
「そりゃ刑務所務めの我々に、そんなことをしてる暇なんてないんですぜ、姐さん」
オキュペテーの言葉に、おどけた口調でアエローが絡んでくる。
「我々は、立派な地方公務員なのだーー!!しかも女子高生で」
「お前ね・・・」
またアエローのバカ騒ぎが始まったよ・・・と、ケライノーと顔を見合わせて肩を竦めるオキュペテー。テンションが高くなってくると、アエローがおバカなことを言い出すのはいつもの事であった。
「勝手に刑務所占拠して勝手に看守やってるあたしらが地方公務員かよ・・・まあ、アルカディア島も地方にはなるかも知らんけどさ」
土地を不法占拠して勝手に自治をしようとする連中が万歳しそうな理屈だった。
「一応、大会運営側から許されているからな・・・まあ、勝手な占拠とまではいかないだろうが・・・」
「んなことより、テレビつけっぞ」
ケライノーがテレビのリモコンに手を伸ばした。
実は、ここアルカディア島でも日本の番組を見ることはできる。ただし、ニュースなど外の情報がもろに入ってくるようなものはNGだ。結局は、当たり障りのない娯楽番組が主体となる。
一人だけついていけない穂乃果をよそに、3人は持ってきた買い物袋の中身をぶちまけたりテレビをつけてチャンネル巡りをしたりと大忙しである。
「あ、あの・・・」
穂乃果がか細い声で呼びかける。
「ああ、アンタは無理しなくていいよ。今日色々あったろ?雑用ならあたしらに任せときな」
アエローが片目を瞑ってウィンクしながら冷蔵庫の中に持ってきた飲料水を入れていく。コーラの他にもいくらかペットボトルを仕入れてきたのだ。
「刑務所の中なら、囚人連中に雑用押し付けんだけどな」
「あいつらにとっては立派なお仕事だよ・・・ただ飯食わせる余裕もねえし」
「いや、余裕ならあるだろ・・・ここじゃ、水も食料もタダだからな。まあ、上下関係をはっきりさせるために、囚人どもに雑用を押しつけてるってのが本当のところだろ」
「囚人どもは、我々看守に尽くしてこそ贖罪できるのだ!!ってか」
彼女たちの会話に混ざることもできず、枕を抱えたまま呻くことしかできない穂乃果。どうやら、今夜はとても長い夜になりそうだった。
ところ変わって、ここは穂乃果たちがいる310室ーちょうど、小川明子が泊っている210室の真上の部屋である。部屋にいるのは、アエロー、オキュペテー、ケライノー、そして穂乃果。ケライノーは、穂乃果を宥めるために部屋に残っていた。穂乃果の様子を見るに、最初のころと比べてだいぶ落ち着いてきたようだった。
「へへへ・・・そういやあ、こうやって女子だけで集まって騒ぐなんて久しぶりだよなぁ」
「そりゃ刑務所務めの我々に、そんなことをしてる暇なんてないんですぜ、姐さん」
オキュペテーの言葉に、おどけた口調でアエローが絡んでくる。
「我々は、立派な地方公務員なのだーー!!しかも女子高生で」
「お前ね・・・」
またアエローのバカ騒ぎが始まったよ・・・と、ケライノーと顔を見合わせて肩を竦めるオキュペテー。テンションが高くなってくると、アエローがおバカなことを言い出すのはいつもの事であった。
「勝手に刑務所占拠して勝手に看守やってるあたしらが地方公務員かよ・・・まあ、アルカディア島も地方にはなるかも知らんけどさ」
土地を不法占拠して勝手に自治をしようとする連中が万歳しそうな理屈だった。
「一応、大会運営側から許されているからな・・・まあ、勝手な占拠とまではいかないだろうが・・・」
「んなことより、テレビつけっぞ」
ケライノーがテレビのリモコンに手を伸ばした。
実は、ここアルカディア島でも日本の番組を見ることはできる。ただし、ニュースなど外の情報がもろに入ってくるようなものはNGだ。結局は、当たり障りのない娯楽番組が主体となる。
一人だけついていけない穂乃果をよそに、3人は持ってきた買い物袋の中身をぶちまけたりテレビをつけてチャンネル巡りをしたりと大忙しである。
「あ、あの・・・」
穂乃果がか細い声で呼びかける。
「ああ、アンタは無理しなくていいよ。今日色々あったろ?雑用ならあたしらに任せときな」
アエローが片目を瞑ってウィンクしながら冷蔵庫の中に持ってきた飲料水を入れていく。コーラの他にもいくらかペットボトルを仕入れてきたのだ。
「刑務所の中なら、囚人連中に雑用押し付けんだけどな」
「あいつらにとっては立派なお仕事だよ・・・ただ飯食わせる余裕もねえし」
「いや、余裕ならあるだろ・・・ここじゃ、水も食料もタダだからな。まあ、上下関係をはっきりさせるために、囚人どもに雑用を押しつけてるってのが本当のところだろ」
「囚人どもは、我々看守に尽くしてこそ贖罪できるのだ!!ってか」
彼女たちの会話に混ざることもできず、枕を抱えたまま呻くことしかできない穂乃果。どうやら、今夜はとても長い夜になりそうだった。
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