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第4章 更なる戦い
第333話 小川明子13
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「ふぃぃぃ・・・疲れたよマジでぇ」
ここは210室ー情けない声を上げてベッドに横たわるのは、小川明子だった。
シャワー、風呂を済ませて、ホテルに備え付けの寝間着姿のまま、ベッドの上にだらしなく横たわる。今日は追跡者からさんざん逃げ回ったこともあり、もう体はクタクタである。
「短距離走ならともかく、あれだけの長距離を走るのはきっついな~」
それでも、彼女は擬体を纏って戦ったわけではないので、まだましな方である。これがもし、戦闘の後だったら、シャワーなんぞ浴びている余裕すらなかっただろう。
実際、参加者が戦闘後、ほとんど身動きが取れなくなるケースもある。擬体というのは、本来それくらい体力を消耗するものでもあるのだ。
尤も、擬体化してもピンピンしている者も中にはいるので、個人差というものは確かに存在する。
「・・・このまま逃げ続けるのはごめんだな」
ベッドの上に仰向けになり、白亜の天井と照明をぼんやりと眺めながら、独り言ちる明子。
そう言う彼女も、いつまでも逃げ続けるわけにもいかないということはよくわかっている。逃げ続けていれば、いずれは斬首よりも残酷なペナルティが待ち受けているのだ。
「・・・わかってるけど、穂乃果以外の子とやり合うのは・・・」
想いを寄せた穂乃果以外の少女と性行為を行うのは、さすがに抵抗感がある。やはり、そういう行為は自分が真に結ばれたい相手と行われるべきだ。そう思って、明子は今まで他の少女たちから逃げ続けてきたのだ。
だが、あの追跡者のように、こちらの事情にお構いなく行為を強制してくるものは少ならずいる。
実を言うと、明子が追われるのは今回が初めてというわけではない。その前に2度ほど襲われそうになったことがある。その時は、自慢の脚力を活かしてさっさと逃げおおせたが、今回は相手がしつこかったこともあり、かなりの距離を走り回る羽目に陥った。
「でも、あたし・・・穂乃果と再会した後はどうすればいいんだろう」
明子は、性行為というのは真に結ばれるべき相手とのみやるべきだと考えている。それ以外の相手とするなんて、ごめんだ。
しかし、もし穂乃果と行為に及んだ場合、最終的に待ち受ける運命は、お互いの首を懸けての戦いだーつまりは、どちらかが死ななければならないのだ。
「あたしは・・・穂乃果を殺したくはないよ」
考えるだけでも憂鬱になる。
聞いた話だと、他の参加者の中には、他の誰かの手によって想い人が殺されるくらいなら、せめて自分の手で、という考えを持つ者もいるらしい。そして、実際に実行に移しているとのことだ。
「・・・恋人を殺す、か」
自分で言っていて、現実感は全くわかない。
あたしは、穂乃果と再会したとしても、どうすればいいんだろうかーそのことばかりが、明子の脳を駆け巡っていた。
ここは210室ー情けない声を上げてベッドに横たわるのは、小川明子だった。
シャワー、風呂を済ませて、ホテルに備え付けの寝間着姿のまま、ベッドの上にだらしなく横たわる。今日は追跡者からさんざん逃げ回ったこともあり、もう体はクタクタである。
「短距離走ならともかく、あれだけの長距離を走るのはきっついな~」
それでも、彼女は擬体を纏って戦ったわけではないので、まだましな方である。これがもし、戦闘の後だったら、シャワーなんぞ浴びている余裕すらなかっただろう。
実際、参加者が戦闘後、ほとんど身動きが取れなくなるケースもある。擬体というのは、本来それくらい体力を消耗するものでもあるのだ。
尤も、擬体化してもピンピンしている者も中にはいるので、個人差というものは確かに存在する。
「・・・このまま逃げ続けるのはごめんだな」
ベッドの上に仰向けになり、白亜の天井と照明をぼんやりと眺めながら、独り言ちる明子。
そう言う彼女も、いつまでも逃げ続けるわけにもいかないということはよくわかっている。逃げ続けていれば、いずれは斬首よりも残酷なペナルティが待ち受けているのだ。
「・・・わかってるけど、穂乃果以外の子とやり合うのは・・・」
想いを寄せた穂乃果以外の少女と性行為を行うのは、さすがに抵抗感がある。やはり、そういう行為は自分が真に結ばれたい相手と行われるべきだ。そう思って、明子は今まで他の少女たちから逃げ続けてきたのだ。
だが、あの追跡者のように、こちらの事情にお構いなく行為を強制してくるものは少ならずいる。
実を言うと、明子が追われるのは今回が初めてというわけではない。その前に2度ほど襲われそうになったことがある。その時は、自慢の脚力を活かしてさっさと逃げおおせたが、今回は相手がしつこかったこともあり、かなりの距離を走り回る羽目に陥った。
「でも、あたし・・・穂乃果と再会した後はどうすればいいんだろう」
明子は、性行為というのは真に結ばれるべき相手とのみやるべきだと考えている。それ以外の相手とするなんて、ごめんだ。
しかし、もし穂乃果と行為に及んだ場合、最終的に待ち受ける運命は、お互いの首を懸けての戦いだーつまりは、どちらかが死ななければならないのだ。
「あたしは・・・穂乃果を殺したくはないよ」
考えるだけでも憂鬱になる。
聞いた話だと、他の参加者の中には、他の誰かの手によって想い人が殺されるくらいなら、せめて自分の手で、という考えを持つ者もいるらしい。そして、実際に実行に移しているとのことだ。
「・・・恋人を殺す、か」
自分で言っていて、現実感は全くわかない。
あたしは、穂乃果と再会したとしても、どうすればいいんだろうかーそのことばかりが、明子の脳を駆け巡っていた。
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