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第4章 更なる戦い
第329話 小川明子9
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「それにしても・・・あの2人はどこを拠点にしているのかしら・・・?見た恰好だと、何か警察とか刑務所とか、そういう施設の関係者のようにも思えるけど」
見た目から判断する限りではそうだろう。だが、このアルカディア島で、実際にそういう施設が機能しているとは到底思えない。そもそも殺し合いやレイプ、万引き当たり前のこの島で、警察や刑務所の存在理由がわからない。昼間、小川明子を発見する前に、警察署を見つけたが、中はひっそりとしていて誰かがいるようにはとても思えなかった。
このアルカディア島は、見せかけだけの施設が多い。いや、見せかけだけと言えば語弊があるー建物の中身も本物そっくりで、あとは人さえいればいくらでも運営できるそうなものばかりなのだが、何せ肝心の人がいない。たまに誰かいたとしても、それは参加者で、とりあえずの塒代わりに潜伏していることがほとんどだった。
そして、主にそう言う隠れている連中こそ、実は狙いやすかったりする。尤も、本命は明子のようなタイプの少女だが、ペナルティを避けるため仕方なくそういう連中を狩り続けてきたのだった。
「それとも・・・私が知らないだけで、本当に機能している施設もある・・・ということかもしれませんね」
あの2人も大会参加者には違いないだろうが、ただ意味もなくあの恰好をしているわけでもないだろう。おそらくは、そう言った施設の管理者的立場にある者達だ。
ただ、そういう連中が、なぜこの街を訪れているのかは気になった。
「少なくとも、私がこれまで探索してきた範囲内では、刑務所はありませんでしたね・・・」
だとすると、他の街から来たということだろうか。利用者がほとんどいないとはいえ、このアルカディア島では公共交通機関は生きている。電車やバスでここまで来たというのなら話は分かる。さすがの運営も、大会参加者たちの移動手段は確保せざるを得なかったのだろう。
「・・・少し、彼女たちを追跡してみますか。ついでに何か面白いものも見られそうですし」
一旦はコンビニで食糧でも調達しようかと思っていた有利だったが、好奇心に負けて彼女たちの後をつけることにした。
「うーん、腹減ったな・・・」
「アエロー、ホテルに着くまで我慢しろ・・・ったく、お前はいつでも食い意地だけは張ってるのな」
前方で、やいのやいのと騒ぐ刑務官姿の2人の少女。話している内容自体も、どれも他愛のないことばかりである。
ーでも、あの2人はかなりデキそうですねー
何度も戦闘を重ねた経験からか、見ただけで大体相手の実力が推し量れるくらいにまでは成長していた。
もし、彼女たちに見つかり、戦闘になった場合、どちらか片一方ならともかく、2人同時に来られたら、分が悪いだろう。この大会では、多勢に無勢もOKである。
ーさっきは、あの子に見つかって逃げられてしまいましたから、今度は慎重にー
見たところ、前の2人は話に夢中で、優里の事には気が付いていないようだった。この調子で尾行して、彼女たちのアジトを探ってみることにする。
見た目から判断する限りではそうだろう。だが、このアルカディア島で、実際にそういう施設が機能しているとは到底思えない。そもそも殺し合いやレイプ、万引き当たり前のこの島で、警察や刑務所の存在理由がわからない。昼間、小川明子を発見する前に、警察署を見つけたが、中はひっそりとしていて誰かがいるようにはとても思えなかった。
このアルカディア島は、見せかけだけの施設が多い。いや、見せかけだけと言えば語弊があるー建物の中身も本物そっくりで、あとは人さえいればいくらでも運営できるそうなものばかりなのだが、何せ肝心の人がいない。たまに誰かいたとしても、それは参加者で、とりあえずの塒代わりに潜伏していることがほとんどだった。
そして、主にそう言う隠れている連中こそ、実は狙いやすかったりする。尤も、本命は明子のようなタイプの少女だが、ペナルティを避けるため仕方なくそういう連中を狩り続けてきたのだった。
「それとも・・・私が知らないだけで、本当に機能している施設もある・・・ということかもしれませんね」
あの2人も大会参加者には違いないだろうが、ただ意味もなくあの恰好をしているわけでもないだろう。おそらくは、そう言った施設の管理者的立場にある者達だ。
ただ、そういう連中が、なぜこの街を訪れているのかは気になった。
「少なくとも、私がこれまで探索してきた範囲内では、刑務所はありませんでしたね・・・」
だとすると、他の街から来たということだろうか。利用者がほとんどいないとはいえ、このアルカディア島では公共交通機関は生きている。電車やバスでここまで来たというのなら話は分かる。さすがの運営も、大会参加者たちの移動手段は確保せざるを得なかったのだろう。
「・・・少し、彼女たちを追跡してみますか。ついでに何か面白いものも見られそうですし」
一旦はコンビニで食糧でも調達しようかと思っていた有利だったが、好奇心に負けて彼女たちの後をつけることにした。
「うーん、腹減ったな・・・」
「アエロー、ホテルに着くまで我慢しろ・・・ったく、お前はいつでも食い意地だけは張ってるのな」
前方で、やいのやいのと騒ぐ刑務官姿の2人の少女。話している内容自体も、どれも他愛のないことばかりである。
ーでも、あの2人はかなりデキそうですねー
何度も戦闘を重ねた経験からか、見ただけで大体相手の実力が推し量れるくらいにまでは成長していた。
もし、彼女たちに見つかり、戦闘になった場合、どちらか片一方ならともかく、2人同時に来られたら、分が悪いだろう。この大会では、多勢に無勢もOKである。
ーさっきは、あの子に見つかって逃げられてしまいましたから、今度は慎重にー
見たところ、前の2人は話に夢中で、優里の事には気が付いていないようだった。この調子で尾行して、彼女たちのアジトを探ってみることにする。
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