百合斬首~晒しな日記~

ミケとポン太

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第4章 更なる戦い

第326話 小川明子6

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 軽くシャワーを浴び、汗を流してさっぱりした気分になる明子。
「うーん、お湯を入れたのはいいけれど・・・このままだとマジで寝ちゃいそうだな」
 お湯を入れてしまった以上は、やはり風呂に浸かるしかないがー
「まあいいや、その時はその時だ」
 明日以降も、この街で穂乃果を探すのであれば、またあの追跡者に出くわす可能性もある。休める時や体を洗える時には優先的にしておいた方がいいだろう。
「・・・あいつ、まだこの辺を探し回ってるのかな?」
 かなり長時間追い掛け回された気がする。あそこまでしつこいところを見ると、多分まだ諦めていないはずだ。
「明日もそうだけど・・・これからどうしようかな」
 明子は、あてもなくこの街にたどり着いたわけではない。チーム分けの際に穂乃果とはぐれてしまったが、穂乃果の属しているチームが主にこの街で活動しているという話を聞いたので、ここまで足を運んだのである。
 明子は、穂乃果同様に、他の参加者との戦いに巻き込まれないようにうまく立ち回りながらここまでやってきた。正直、ペナルティは怖かったが、少なくとも穂乃果と再会するまでは、誰とも戦うつもりはない。いや、戦いどころか、誰かと性行為をするつもりすらなかった。
「穂乃果以外の子と寝るなんて、絶対あり得ないよ」
 明子は、湯船につかりながら、愚痴をこぼす。
 もともと活発で、運動好きな明子は、体の作りが引き締まっていて均整がとれている。ただ、その一方で胸や尻と言った女性の美を象徴する部分も発育がよく、そのことでよく陸上部内では目立っていた。正直、あまり豊過ぎるボディラインというのは、走るのには障害となっているのだ。
 はっきり言って、走りにくいーどちらかと言えば、男として生まれたかった明子にとって、他の女子からは羨望の眼差しで見られるソレはむしろ邪魔とも言えた。
「・・・スケベどもには、変な目で見られるし・・・」
 当然、同じ陸上部の男子生徒から注目される羽目になる。あまりに不躾な目で見てくる連中をぶっ飛ばしてやろうかと、何度も思ったことがあった。さすがに、実際に手を出したら問題になるので、やりはしなかったが。
「あたしも穂乃果と同じく文科系の部に入った方が・・・って、あたしの性格じゃ絶対に合わないか」
 ただでさえ、、幼いころから落ち着きがないと周りの大人たちから言われていた明子だ。たとえ穂乃果と同じ文化部に入ったとしても、結局は耐えきれず、体を持て余していただろう。
「それにしても、穂乃果今頃どこにいるのかな・・・無事だといいけれど」
 この時、明子は、まさか穂乃果が同じホテルのすぐ上の階で、他の女の子たちとプチ女子会をやっているとは、夢にも思っていなかった。
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