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第4章 更なる戦い
第311話 彩木穂乃果42
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「あなたの勝ちよ・・・彩木穂乃果さん」
すべてを込めた一撃も通用せず、ついに膝をつくこととなった眼鏡の少女ー荒木頼子。
気が付けば、彼女のかけている眼鏡にひびが入っていた。
「・・・ふっ」
荒木頼子は、眼鏡をはずずと、無言のままこちらを見据える穂乃果に微笑みかける。それは、どこか寂し気な笑顔だった。
一度死んだ身ではあるが、やはり死は怖いーだが、それ以上に、ようやくこの虚無の連鎖から解放されるのだという安堵感が頼子の心を包み込む。
「戦いに負けた以上、あなたにこの首を捧げるわ・・・好きにして頂戴」
頼子は、穂乃果に背を向けてその場に座り込む。そして、その長く艶のある黒髪に手を伸ばし、その首元ー白磁のように白いうなじを曝け出した。
穂乃果の足音が近づいてくる。穂乃果は、無言のまま穂乃果の側面に立つと、頼子のうなじに擬体化剣の刃を当てがった。
ーその美しい剣で死ねるのなら、それも本望かー
自嘲気味に笑う頼子だったが、すぐに顔を引き締める。もうすぐ、自分の人生の終わりを告げる刃が振り下ろされる。かつて、何人もの対戦相手を屠ってきた自分が、今度はその対象となるだけーそう割り切ろうとする。
胸の鼓動が高鳴る。口の中が渇く。そして、瞳が見開かれる。
その時ー
穂乃果の刃が、無情にも振り下ろされたー
「さよなら」
首を刎ねられる直前、頼子はそう呟き、穂乃果の刃を受けた。
頼子の胴体から、凄まじい勢いで血流が迸る。さながら間欠泉のように噴き上げる頼子の血液の赤、いや緋、そして、穂乃果の持つ擬体化剣の青、いや蒼が交錯し、美しくも残酷で、狂おしくも幻想的なシーンを作り上げていた。
対戦結果
彩木穂乃果 〇 ー × 荒木頼子
「ついに、終わったな・・・」
頼子の首が飛んだのを確認して、アエローは他の2人の方に向き直る。
「それにしても・・・あのマッパの姉ちゃん、手を出さない方がよさそうだな」
今の戦いで、彩木穂乃果という少女がどれほどの実力の持ち主かよくわかった。
あの青白い光を纏った状態の穂乃果に勝てる自身はない。たとえ3人掛かりで挑んだとしても、である。
彼女に匹敵するのは、うちの刑務所の所長くらいではなかろうかー
「・・・にしても、あの嬢ちゃん、もう戦いは終わってるってのに、未だにあの青い光を纏ってんだけど、いったいいつになったらもとに戻るんだ?」
ジャッジが戦いの終結を宣言し、事実上戦闘は終わっているはずなのに、穂乃果は先ほどからトランス状態のままである。いつになっても収まる気配もない。
するとー
穂乃果がこちらに向かって歩いてくる。
「・・・え!?」
穂乃果の歩みは、確実にこの書店に向かっているのだった。
「おい、もしかして・・・」
オキュペテーが冷汗を垂らしながら、
「あいつ、あたしらが隠れて見てたことに気づいてんじゃね?」
オキュペテーの言葉に、アエロー、ケライノーの2人は押し黙った。
すべてを込めた一撃も通用せず、ついに膝をつくこととなった眼鏡の少女ー荒木頼子。
気が付けば、彼女のかけている眼鏡にひびが入っていた。
「・・・ふっ」
荒木頼子は、眼鏡をはずずと、無言のままこちらを見据える穂乃果に微笑みかける。それは、どこか寂し気な笑顔だった。
一度死んだ身ではあるが、やはり死は怖いーだが、それ以上に、ようやくこの虚無の連鎖から解放されるのだという安堵感が頼子の心を包み込む。
「戦いに負けた以上、あなたにこの首を捧げるわ・・・好きにして頂戴」
頼子は、穂乃果に背を向けてその場に座り込む。そして、その長く艶のある黒髪に手を伸ばし、その首元ー白磁のように白いうなじを曝け出した。
穂乃果の足音が近づいてくる。穂乃果は、無言のまま穂乃果の側面に立つと、頼子のうなじに擬体化剣の刃を当てがった。
ーその美しい剣で死ねるのなら、それも本望かー
自嘲気味に笑う頼子だったが、すぐに顔を引き締める。もうすぐ、自分の人生の終わりを告げる刃が振り下ろされる。かつて、何人もの対戦相手を屠ってきた自分が、今度はその対象となるだけーそう割り切ろうとする。
胸の鼓動が高鳴る。口の中が渇く。そして、瞳が見開かれる。
その時ー
穂乃果の刃が、無情にも振り下ろされたー
「さよなら」
首を刎ねられる直前、頼子はそう呟き、穂乃果の刃を受けた。
頼子の胴体から、凄まじい勢いで血流が迸る。さながら間欠泉のように噴き上げる頼子の血液の赤、いや緋、そして、穂乃果の持つ擬体化剣の青、いや蒼が交錯し、美しくも残酷で、狂おしくも幻想的なシーンを作り上げていた。
対戦結果
彩木穂乃果 〇 ー × 荒木頼子
「ついに、終わったな・・・」
頼子の首が飛んだのを確認して、アエローは他の2人の方に向き直る。
「それにしても・・・あのマッパの姉ちゃん、手を出さない方がよさそうだな」
今の戦いで、彩木穂乃果という少女がどれほどの実力の持ち主かよくわかった。
あの青白い光を纏った状態の穂乃果に勝てる自身はない。たとえ3人掛かりで挑んだとしても、である。
彼女に匹敵するのは、うちの刑務所の所長くらいではなかろうかー
「・・・にしても、あの嬢ちゃん、もう戦いは終わってるってのに、未だにあの青い光を纏ってんだけど、いったいいつになったらもとに戻るんだ?」
ジャッジが戦いの終結を宣言し、事実上戦闘は終わっているはずなのに、穂乃果は先ほどからトランス状態のままである。いつになっても収まる気配もない。
するとー
穂乃果がこちらに向かって歩いてくる。
「・・・え!?」
穂乃果の歩みは、確実にこの書店に向かっているのだった。
「おい、もしかして・・・」
オキュペテーが冷汗を垂らしながら、
「あいつ、あたしらが隠れて見てたことに気づいてんじゃね?」
オキュペテーの言葉に、アエロー、ケライノーの2人は押し黙った。
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