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第4章 更なる戦い
第299話 彩木穂乃果30
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穂乃果の擬体破損率は4%ー
ダメージ割合だけを見れば、まだまだ余裕があるようにも見える。
しかし、実際には穂乃果に余裕などあるわけがない。単に、眼鏡の少女がなるべく戦いを長引かせるために致命的なダメージを与えるのを避けているだけだった。
そのことを、穂乃果自身もわかってはいた。
ーでもー
自分が舐められているとわかってはいても、穂乃果にはただひたすら立ち向かっていくくらいしかできることはない。とにかく、がむしゃらにでも刃を振るい、抗う意志を見せ続けることでしか、精神の均衡を保つ術はなかったのだ。
「はああっ!!」
とはいえ、さすがに最初の頃から比べれば、動きは良くなっている。少しずつではあるが、穂乃果自身も擬体化剣を振るうことに慣れてきたのだろう。
ーへえー
眼鏡の少女も、穂乃果の動きが上達していることに気が付いていた。
ーただのマゾっ子だと思っていたけれど・・・追いつめられたらそれなりにやるようになったじゃないー
尤も、穂乃果の擬体化剣はかすりもしなかったが、それでもその切っ先が肉薄するくらいには迫るレベルまで到達している。
このままいけば、まぐれとはいえ、眼鏡の少女の擬体にダメージを与えることもあるかもしれない。
ーできれば、完全勝利を目指したいのよねー
眼鏡の少女にとっての勝利とは、相手を完膚なきまでに叩き潰すことと同義だ。つまり、相手からいささかのダメージもくらわされてはいけない。彼女の矜持が、対戦相手から傷つけられるのを許さないのだ。
ー嬲るのは私の役目、そしてもがくのはあなたのお仕事なのよー
眼鏡の少女が、穂乃果の擬体化剣を打ち返す。
「んああっ!!」
再び尻もちをつく穂乃果。だが、すぐさま起き上がり、反撃を試みようとする。その動きは、最初の頃と比べて段違いの者だった。
「・・・っち!」
眼鏡の少女が軽く舌打ちをする。さきほど打ち返した時に感じたのだが、動きやスピードだけではなく、パワーもさらに上がっているような気がする。
いや、気のせいではないだろう。一瞬だが、腕がしびれたくらいだ。
ー・・・あまり調子に乗らせてもまずいわねー
あくまでも、穂乃果は玩具であり、獲物なのだ。あまり図に乗らせて足元をすくわれてはたまったものではない。
かといって、一度に大きなダメージを与えて、変に穂乃果を絶望させてもそれはそれで嬲りがいがなくなってしまう。可能な限り、少しずつダメージを蓄積させてじわじわと追い込んでいくのが理想だ。
「なかなか頑張るじゃない・・・でも、さっきも言った通り、気合だけでは私には勝てないわよ」
「あうっ!!」
眼鏡の少女の横なぎの一撃が、穂乃果の左わき腹を掠めた。
「彩木穂乃果、擬体破損率7%」
ジャッジの無情な音声が再び響き渡った。
ダメージ割合だけを見れば、まだまだ余裕があるようにも見える。
しかし、実際には穂乃果に余裕などあるわけがない。単に、眼鏡の少女がなるべく戦いを長引かせるために致命的なダメージを与えるのを避けているだけだった。
そのことを、穂乃果自身もわかってはいた。
ーでもー
自分が舐められているとわかってはいても、穂乃果にはただひたすら立ち向かっていくくらいしかできることはない。とにかく、がむしゃらにでも刃を振るい、抗う意志を見せ続けることでしか、精神の均衡を保つ術はなかったのだ。
「はああっ!!」
とはいえ、さすがに最初の頃から比べれば、動きは良くなっている。少しずつではあるが、穂乃果自身も擬体化剣を振るうことに慣れてきたのだろう。
ーへえー
眼鏡の少女も、穂乃果の動きが上達していることに気が付いていた。
ーただのマゾっ子だと思っていたけれど・・・追いつめられたらそれなりにやるようになったじゃないー
尤も、穂乃果の擬体化剣はかすりもしなかったが、それでもその切っ先が肉薄するくらいには迫るレベルまで到達している。
このままいけば、まぐれとはいえ、眼鏡の少女の擬体にダメージを与えることもあるかもしれない。
ーできれば、完全勝利を目指したいのよねー
眼鏡の少女にとっての勝利とは、相手を完膚なきまでに叩き潰すことと同義だ。つまり、相手からいささかのダメージもくらわされてはいけない。彼女の矜持が、対戦相手から傷つけられるのを許さないのだ。
ー嬲るのは私の役目、そしてもがくのはあなたのお仕事なのよー
眼鏡の少女が、穂乃果の擬体化剣を打ち返す。
「んああっ!!」
再び尻もちをつく穂乃果。だが、すぐさま起き上がり、反撃を試みようとする。その動きは、最初の頃と比べて段違いの者だった。
「・・・っち!」
眼鏡の少女が軽く舌打ちをする。さきほど打ち返した時に感じたのだが、動きやスピードだけではなく、パワーもさらに上がっているような気がする。
いや、気のせいではないだろう。一瞬だが、腕がしびれたくらいだ。
ー・・・あまり調子に乗らせてもまずいわねー
あくまでも、穂乃果は玩具であり、獲物なのだ。あまり図に乗らせて足元をすくわれてはたまったものではない。
かといって、一度に大きなダメージを与えて、変に穂乃果を絶望させてもそれはそれで嬲りがいがなくなってしまう。可能な限り、少しずつダメージを蓄積させてじわじわと追い込んでいくのが理想だ。
「なかなか頑張るじゃない・・・でも、さっきも言った通り、気合だけでは私には勝てないわよ」
「あうっ!!」
眼鏡の少女の横なぎの一撃が、穂乃果の左わき腹を掠めた。
「彩木穂乃果、擬体破損率7%」
ジャッジの無情な音声が再び響き渡った。
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