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第4章 更なる戦い
第282話 彩木穂乃果13
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「ん・・・、あいつらここのど真ん中でやり合う気か?」
穂乃果と眼鏡の少女の様子を見ていたケライノーが何かに気が付いたようだ。ケライノーの声に、アエローとオキュペテーもそちらへと視線を向けた。
眼鏡の少女は、さっきまでお姫様抱っこしていた穂乃果を下ろしたーとはいっても、まだ両腕の拘束は解いてはいない。
「あいつ、まだ後ろ手に縛られたままだぞ・・・擬体はとっくの昔に纏ってるのに、まだお預け状態なのか・・・?」
擬体を纏った後に待っているのは戦闘だけだ。しかし、一方が拘束されたままでは勝負にはならない。ルール上は何でもありとされているとはいえ、やはり勝負は勝負ー参加者にかなりの自由を許している運営側も、さすがにただ相手を殺すだけというのは認めていない。あくまでも、戦いを経て、勝利者が敗北者の首を刎ねる必要があるのだ。
したがって、ここで戦うにしても、そろそろ穂乃果の両手の拘束を解かなくてはならないはずなのだがー
「擬体は纏ってるから戦うには戦うんだろうけど・・・まだ他に何かしようってのか?」
3人は、2人に見つからないように物陰に隠れながら様子を見守った。
やがて、2人の話し声が聞こえてきた。なまじ人がいないだけに、広々とした構内に声は響き渡った。
「さあ、着いたわよ・・・そして、ここがあなたの人生の終着点でもあるわ」
眼鏡の少女が、穂乃果を下ろしながら言う。その顔には穏やかな笑みが浮かんでいるが、言葉そのものは残酷だった。少なくとも、穂乃果に死を意識させるのには十分だった。
ーああ、ついにここで戦わなくてはならないのねー
穂乃果は諦観の念に駆られていた。
もう、逃げ場所はどこにもない。擬体を纏ってしまった以上は目の前の眼鏡の少女と戦うしかないのだ。さらには、生き残るためには彼女との戦いに打ち勝ち、その首級を上げなくてはならない。
ー私、明子にもう会えないかもしれないわー
うなだれたまま立ち尽くす穂乃果を満足げに見つめる眼鏡の少女。穂乃果の両手の拘束はまだ解いてはいないが、もう穂乃果にとってはそのことさえ気が付かなくなっていたようだ。
ーせっかくだし、このまま殺してしまうのも惜しいわよねー
眼鏡の少女にとって、目の前に立つ穂乃果は最高の玩具だ。今すぐ戦ってもいいが、できることならもう少しだけ弄んでやりたいーそんな欲求に駆られた。
戦いになれば、おそらくすぐに勝敗は決するだろう。そのあとは斬首するだけだ。
眼鏡の少女は、もう何回も勝利してきた。それだけの実力はあった。そして、最初の1人目は確かに戦いと斬首を愉しんでもいた。
だが、斬首の瞬間は確かに気分が高揚するものの、それが終わって梟首してしまえばなんとも言えない空虚感に襲われた。その虚しさの方が大きく、最初の頃に感じられた達成感は回数を重ねるごとに失われていったのだった。
ーなら、せめてこの子のことを思いっきり味わわないと後悔するわねー
戦いの前に、さらに貶める、辱めるー戦いの後に訪れる空虚感を穴埋めするため、この娘を嬲るー
眼鏡の少女の口角が吊り上がり、同時に瞳には剣呑な輝きが宿っていた。
これから穂乃果は、さらに辱められるのだー
穂乃果と眼鏡の少女の様子を見ていたケライノーが何かに気が付いたようだ。ケライノーの声に、アエローとオキュペテーもそちらへと視線を向けた。
眼鏡の少女は、さっきまでお姫様抱っこしていた穂乃果を下ろしたーとはいっても、まだ両腕の拘束は解いてはいない。
「あいつ、まだ後ろ手に縛られたままだぞ・・・擬体はとっくの昔に纏ってるのに、まだお預け状態なのか・・・?」
擬体を纏った後に待っているのは戦闘だけだ。しかし、一方が拘束されたままでは勝負にはならない。ルール上は何でもありとされているとはいえ、やはり勝負は勝負ー参加者にかなりの自由を許している運営側も、さすがにただ相手を殺すだけというのは認めていない。あくまでも、戦いを経て、勝利者が敗北者の首を刎ねる必要があるのだ。
したがって、ここで戦うにしても、そろそろ穂乃果の両手の拘束を解かなくてはならないはずなのだがー
「擬体は纏ってるから戦うには戦うんだろうけど・・・まだ他に何かしようってのか?」
3人は、2人に見つからないように物陰に隠れながら様子を見守った。
やがて、2人の話し声が聞こえてきた。なまじ人がいないだけに、広々とした構内に声は響き渡った。
「さあ、着いたわよ・・・そして、ここがあなたの人生の終着点でもあるわ」
眼鏡の少女が、穂乃果を下ろしながら言う。その顔には穏やかな笑みが浮かんでいるが、言葉そのものは残酷だった。少なくとも、穂乃果に死を意識させるのには十分だった。
ーああ、ついにここで戦わなくてはならないのねー
穂乃果は諦観の念に駆られていた。
もう、逃げ場所はどこにもない。擬体を纏ってしまった以上は目の前の眼鏡の少女と戦うしかないのだ。さらには、生き残るためには彼女との戦いに打ち勝ち、その首級を上げなくてはならない。
ー私、明子にもう会えないかもしれないわー
うなだれたまま立ち尽くす穂乃果を満足げに見つめる眼鏡の少女。穂乃果の両手の拘束はまだ解いてはいないが、もう穂乃果にとってはそのことさえ気が付かなくなっていたようだ。
ーせっかくだし、このまま殺してしまうのも惜しいわよねー
眼鏡の少女にとって、目の前に立つ穂乃果は最高の玩具だ。今すぐ戦ってもいいが、できることならもう少しだけ弄んでやりたいーそんな欲求に駆られた。
戦いになれば、おそらくすぐに勝敗は決するだろう。そのあとは斬首するだけだ。
眼鏡の少女は、もう何回も勝利してきた。それだけの実力はあった。そして、最初の1人目は確かに戦いと斬首を愉しんでもいた。
だが、斬首の瞬間は確かに気分が高揚するものの、それが終わって梟首してしまえばなんとも言えない空虚感に襲われた。その虚しさの方が大きく、最初の頃に感じられた達成感は回数を重ねるごとに失われていったのだった。
ーなら、せめてこの子のことを思いっきり味わわないと後悔するわねー
戦いの前に、さらに貶める、辱めるー戦いの後に訪れる空虚感を穴埋めするため、この娘を嬲るー
眼鏡の少女の口角が吊り上がり、同時に瞳には剣呑な輝きが宿っていた。
これから穂乃果は、さらに辱められるのだー
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