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第4章 更なる戦い
第281話 彩木穂乃果12
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アエローたちは、彩木穂乃果と眼鏡の少女を追いかけて、ホームをあとにする。駅の構内はかなり大きめのショッピングモールといったところで、たくさんの店が入っているのだが、このアルカディア島では残念ながらそれらの施設を利用する者はほとんどいない。施設はそのままで、人だけはほとんどいないというシュールな光景は、アエローたちにとってはとても新鮮に感じられた。
「ここまで誰もいないと、清々しいものがあるな」
アエローが背伸びをしながら辺りを見回す。穂乃果たち以外には人影はない。当然ながら、穂乃果たちに気が付かれないように細心の注意を払いながら、尾行を続けている。どうやら2人とも、まだアエローたち3人組には気が付いていないようだった。
「ウーム、ここらへんで腹ごしらえしたいところだが・・・そもそもどこにも店員がいないじゃないか」
この駅の構内にはたくさんの食事処があるーが、肝心の店員がおらず、当然だが全く機能していないのだ。
「中に店員代わりのロボットでも配置されてんじゃね?」
アエローがニヤケ面をしながら、近くの和食屋のメニューに目をやる。オキュペテーの言う通り、そろそろ小腹がすいてきたところでもあった。
「ロボットがいる気配はないぞぉ」
オキュペテーが、そっと和食屋の中を覗いてみるが、店員もロボットもいない。当然ながら、客すら座っていなかった。
「おおい、2人とも・・・飯もいいけど、今はあいつらの後を追うのが先だろ?」
ケライノーが、和食屋の前で立ち往生している2人に声をかける。当然、穂乃果と眼鏡の少女を見失わないように気を配りながら、だが。
「・・・そうはいっても、今朝からろくに食べてねえからな~まあ、店員もロボットもいないんじゃ、確かに飯なんて出てこねえだろうけどさ」
「街を似せて作るのはいいけど・・・せめて施設がきちんと機能するようにはしてくれよな、運営」
アエローが大会運営側に愚痴をこぼす。そう言いたくなる気持ちはよくわかる。
大体、電車は動いているのに(運転手はいないようなので、完全自動走行なのだろうが)、何で食事処はことごとく機能していないのかーこれでは単なる見せかけだけで意味がないではないかー
「・・・まあ、後でコンビニから食料をかっぱらってくればいいさ」
このアルカディア島にもコンビニはある。中の商品は、日本のものと全く同じーただ、新聞の類など、外部の情報がわかるものは置いていない。週刊誌などもなかったー漫画は置かれていたりするのはなかなか面白いところだったが。
「結局、コンビニ漁りかよ・・・まあ、ただでいただけるのはありがたいけどさ」
アルカディア島ではお金は一切必要ない。店屋から好きなだけかっぱらったとしても、万引きにはならない。このアルカディア島は、ある意味「お金のいらない世界」でもあるのだ。
その代わり、命がけの殺し合いが待っている。ただより怖いものはないというのは間違いではないのだ。
「万引き常習犯の気持ちもよくわかるぜ・・・こりゃ、やり始めたら止まんねえわ、確かに」
「ここには万引きGメンもいねえし、やりたい放題だよな」
くっくっく・・・と笑い合うアエローとオキュペテー。そんな2人をよそに、穂乃果と眼鏡の少女の動きに気を配るケライノーだった。
「ここまで誰もいないと、清々しいものがあるな」
アエローが背伸びをしながら辺りを見回す。穂乃果たち以外には人影はない。当然ながら、穂乃果たちに気が付かれないように細心の注意を払いながら、尾行を続けている。どうやら2人とも、まだアエローたち3人組には気が付いていないようだった。
「ウーム、ここらへんで腹ごしらえしたいところだが・・・そもそもどこにも店員がいないじゃないか」
この駅の構内にはたくさんの食事処があるーが、肝心の店員がおらず、当然だが全く機能していないのだ。
「中に店員代わりのロボットでも配置されてんじゃね?」
アエローがニヤケ面をしながら、近くの和食屋のメニューに目をやる。オキュペテーの言う通り、そろそろ小腹がすいてきたところでもあった。
「ロボットがいる気配はないぞぉ」
オキュペテーが、そっと和食屋の中を覗いてみるが、店員もロボットもいない。当然ながら、客すら座っていなかった。
「おおい、2人とも・・・飯もいいけど、今はあいつらの後を追うのが先だろ?」
ケライノーが、和食屋の前で立ち往生している2人に声をかける。当然、穂乃果と眼鏡の少女を見失わないように気を配りながら、だが。
「・・・そうはいっても、今朝からろくに食べてねえからな~まあ、店員もロボットもいないんじゃ、確かに飯なんて出てこねえだろうけどさ」
「街を似せて作るのはいいけど・・・せめて施設がきちんと機能するようにはしてくれよな、運営」
アエローが大会運営側に愚痴をこぼす。そう言いたくなる気持ちはよくわかる。
大体、電車は動いているのに(運転手はいないようなので、完全自動走行なのだろうが)、何で食事処はことごとく機能していないのかーこれでは単なる見せかけだけで意味がないではないかー
「・・・まあ、後でコンビニから食料をかっぱらってくればいいさ」
このアルカディア島にもコンビニはある。中の商品は、日本のものと全く同じーただ、新聞の類など、外部の情報がわかるものは置いていない。週刊誌などもなかったー漫画は置かれていたりするのはなかなか面白いところだったが。
「結局、コンビニ漁りかよ・・・まあ、ただでいただけるのはありがたいけどさ」
アルカディア島ではお金は一切必要ない。店屋から好きなだけかっぱらったとしても、万引きにはならない。このアルカディア島は、ある意味「お金のいらない世界」でもあるのだ。
その代わり、命がけの殺し合いが待っている。ただより怖いものはないというのは間違いではないのだ。
「万引き常習犯の気持ちもよくわかるぜ・・・こりゃ、やり始めたら止まんねえわ、確かに」
「ここには万引きGメンもいねえし、やりたい放題だよな」
くっくっく・・・と笑い合うアエローとオキュペテー。そんな2人をよそに、穂乃果と眼鏡の少女の動きに気を配るケライノーだった。
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