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第4章 更なる戦い

第272話 彩木穂乃果3

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 名も知らぬ眼鏡の少女からの凌辱は、たった今始まったばかりだった。
「離して、離して・・・!!いやあ・・・」
 彩木穂乃果と眼鏡の少女以外は誰もいない車両の中、穂乃果の悲鳴と電車の走る音だけが室内に響き渡る。
「おとなしくしなさいな・・・でないと、壊すわよ?」
 穂乃果を裸にひん剥き、さらに自らも裸体となった眼鏡の少女は、穂乃果の両手を後ろ手に縛り上げて動きを抑えようとしている。
「あなた、とっても可愛らしいから、とてもやりがいがあるわ・・・もっと楽しみましょう。そして・・・」
 眼鏡の少女の口の端が歪む。
「そのあとは、お互い命を懸けて戦いましょう」
「ひっ!!」
 眼鏡の少女の酷薄な表情に、思わず顔を恐怖で引きつらせる穂乃果。そうだ、ここで犯された後に待ち受けるのは、お互いの首を懸けた戦いとなるのだ。
 穂乃果は、今の今まで戦いを避けるべく、なるべく人目につかないように行動してきた。これまでも他の参加者から身を隠すべく、慎重に行動してきたのだが、明子に再会したいという一心で、この電車に乗ってしまった。
 電車で移動する以上、密室状態に置かれることになるのは少し考えればわかることだったが、おそらく自分でも焦っていたのだろう。ペナルティのことを考えれば、焦っても仕方のないことだったのかもしれないが、迂闊だったと言えば迂闊だったと言わざるを得ない。
「ここでいくら騒いでも、誰も助けになんか来ないわよ・・・尤も、この大会で他の誰かを助けようだなんて考える人がいるとも思えないけど」
 眼鏡の少女の言うとおりである。最終的に、生き残れるのはたった一人という状況下で、他人を助けようとする者はほとんどいないだろう。
 ーもう、逃げることはできないのねー
 もうどこにも逃げ場がない。この眼鏡の少女に犯された後に待つのは、お互いの首を懸けた殺し合いだ。とてもではないが、穂乃果には殺し合いなんてできるとは思えなかった。明子に会うまで生き残るためには、この場で勝たなければいけないが、それがいかに可能性が薄いかについて、十分自覚していた。
「さあ、そろそろ始めるわよ・・・わかったら、こちらにお尻を向けなさい」
 後ろ手に縛られた穂乃果は、怯えた目で眼鏡の少女を見据えていた。これから弄ばれるという恐怖ゆえに、体が思うように動いてはくれなかった。
「さっさという通りにしなさい!」
 眼鏡の少女の声が、さらに剣呑さを増していく。穂乃果は観念して、彼女の言うとおりに尻を向けた。
 その恰好を見て、眼鏡の少女がますます増長した。
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