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第4章 更なる戦い
第267話 3人の看守たち2
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駅のホームー
まるで、日本にいる時のように時間ぴったりのタイミングで電車が駅のホームへと到着した。
「時間ぴったり・・・日本と同じだな」
「でも、乗るやつはあたしら以外誰もいないという」
アエローとオキュペテーが笑い合いながら、電車の中へと入っていく。
「・・・日本以外の国で電車が定刻通りに着くのはまれだって聞いたけど・・・本当に日本の風景に合わせて街を再現してるんだな、運営のやつら」
ケライノーも後に続く。世界では、何時間も遅れて電車が到着するなんて日常茶飯事だ。それを思えば、確かにケライノーの言う通り、本当に日本の習慣や風俗に合わせてアルカディア島を設計しているのだろう。
「ケライノー、何をしてるんだ、早くこっちにこいよ!」
アエローとオキュペテーが向かい合う形で座席に座っている。この電車内には他に誰もおらず、貸し切りと言ってもいい状態だ。過疎地に向かう電車ならともかく、都会育ちの彼女たちにとってはなんとも落ち着かず、そして新鮮な経験でもあった。
「まったく・・・はしゃぐなよ、お前ら。子供か」
ケライノーは苦笑しながら、アエローの隣に腰かけた。よってオキュペテーとは斜めに向かい合う形となる。
「だってよお、あたしら以外に誰も乗ってないんだぜ・・・これって、レアだろなかなか」
「日本でも、田舎の方じゃほとんど人が乗らない場所も結構あるって聞くから、レアというよりも単にあたしらがその辺りに行く電車に乗ったことがないって話だけどな」
「細かいことはいいよ。とにかく面白けりゃ問題なし」
「はあ、面白いのかねえ・・・まあいいけどさ」
窓の外から見た景色もまた、日本のどこかの都市そのものの姿だ。もちろん、アルカディア島自体が日本に似せて作られているのだから、それは当たり前のことである。ただ、似ているというだけで、同じ都市が実在したものをそのまま模倣しているかどうかまではさすがにわからない。建物や風景は日本のものを模倣していても、実際にこのような街はないのではないかと思われる。
「しっかし、朝霞のやつ、なんだかすごくやばいやつに出会ったらしいけどな」
朝霞が勅使河原と対峙した話は、既に彼女から聞き及んでいる。その他、あの奇妙な3人組の情報も彼女から訊いていた。
「あの朝霞が命からがら逃げたっていうくらいだから、相当やばいやつなのは確かだろう」
3人は、朝霞の実力をよくわかっている。自分たちにはかなわないとしても、明らかに他の囚人たちよりは実力は上だ。だからこそ手駒として活用もしている。
その彼女が危険を感じて撤退したくらいなのだ。相手はそれなりに腕の立つ奴と見た方がいいだろう。
3人は知らなかったが、今の勅使河原は亜里沙との戦いに負けて囚われの身だ。それも、彼女たちが帰還すればすぐにわかることだがー
朝霞には、引き続き3人組の監視へと向かわせた。勅使河原という女も気にかかったが、やはりそれ以上に気になるのはあの3人の方だった。
まるで、日本にいる時のように時間ぴったりのタイミングで電車が駅のホームへと到着した。
「時間ぴったり・・・日本と同じだな」
「でも、乗るやつはあたしら以外誰もいないという」
アエローとオキュペテーが笑い合いながら、電車の中へと入っていく。
「・・・日本以外の国で電車が定刻通りに着くのはまれだって聞いたけど・・・本当に日本の風景に合わせて街を再現してるんだな、運営のやつら」
ケライノーも後に続く。世界では、何時間も遅れて電車が到着するなんて日常茶飯事だ。それを思えば、確かにケライノーの言う通り、本当に日本の習慣や風俗に合わせてアルカディア島を設計しているのだろう。
「ケライノー、何をしてるんだ、早くこっちにこいよ!」
アエローとオキュペテーが向かい合う形で座席に座っている。この電車内には他に誰もおらず、貸し切りと言ってもいい状態だ。過疎地に向かう電車ならともかく、都会育ちの彼女たちにとってはなんとも落ち着かず、そして新鮮な経験でもあった。
「まったく・・・はしゃぐなよ、お前ら。子供か」
ケライノーは苦笑しながら、アエローの隣に腰かけた。よってオキュペテーとは斜めに向かい合う形となる。
「だってよお、あたしら以外に誰も乗ってないんだぜ・・・これって、レアだろなかなか」
「日本でも、田舎の方じゃほとんど人が乗らない場所も結構あるって聞くから、レアというよりも単にあたしらがその辺りに行く電車に乗ったことがないって話だけどな」
「細かいことはいいよ。とにかく面白けりゃ問題なし」
「はあ、面白いのかねえ・・・まあいいけどさ」
窓の外から見た景色もまた、日本のどこかの都市そのものの姿だ。もちろん、アルカディア島自体が日本に似せて作られているのだから、それは当たり前のことである。ただ、似ているというだけで、同じ都市が実在したものをそのまま模倣しているかどうかまではさすがにわからない。建物や風景は日本のものを模倣していても、実際にこのような街はないのではないかと思われる。
「しっかし、朝霞のやつ、なんだかすごくやばいやつに出会ったらしいけどな」
朝霞が勅使河原と対峙した話は、既に彼女から聞き及んでいる。その他、あの奇妙な3人組の情報も彼女から訊いていた。
「あの朝霞が命からがら逃げたっていうくらいだから、相当やばいやつなのは確かだろう」
3人は、朝霞の実力をよくわかっている。自分たちにはかなわないとしても、明らかに他の囚人たちよりは実力は上だ。だからこそ手駒として活用もしている。
その彼女が危険を感じて撤退したくらいなのだ。相手はそれなりに腕の立つ奴と見た方がいいだろう。
3人は知らなかったが、今の勅使河原は亜里沙との戦いに負けて囚われの身だ。それも、彼女たちが帰還すればすぐにわかることだがー
朝霞には、引き続き3人組の監視へと向かわせた。勅使河原という女も気にかかったが、やはりそれ以上に気になるのはあの3人の方だった。
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