百合斬首~晒しな日記~

ミケとポン太

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第4章 更なる戦い

第266話 3人の看守たち1

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 勅使河原が亜里沙に挑んで敗れた頃ー
 アエロー、オキュペテー、ケライノーの3人は、駅の改札口まで来ていた。
「外見は立派なのに、誰の姿もないなんてなぁ」
 駅は、外観だけなら都会にあるものと全く変わらない。改札口まで続くエスカレーターはきちんと稼働していたが、その上に立つ者はだれもおらず、駅構内もしんと静まり返っているのが、本来の駅の姿とは異なっていた。
 そして、それがなおのこと言い知れぬ不気味さを醸し出していたのだった。
「まあ、誰もいない駅というのも、これはこれで滅多に見ない光景だしな・・・」
「とりあえず、電車が来るのを待とうぜ」
 3人は、やはり誰もいないが明かりだけはついている駅の土産物屋やコンビニの中を冷やかしつつ、電車の停まるホームへと向かった。
「・・・なんつうかさ、運営側も・・・どうせあたしらしか人間いないんだし、ここまで正確に駅を再現する必要もなかったんじゃね?と思うんだよね・・・これ、実際にここまで作るのにいくらかかってんのよって話」
 アエローが、駅の中をきょろきょろと見回しながら愚痴をこぼしまくっている。人っ子一人いない点を除けば、日本にある駅と全く同じなだけに、ここまで作るのにどれだけの費用と時間を費やしたのか、実に気になるところだ。
「もともと・・・こんなデスゲームをやらせるような連中なわけだろ?そう言った常識的な感覚自体が通用しないのかもな」
「・・・あたしらの殺し合いのためだけに、ここまでのものをカネと時間をかけて作った連中だ・・・まあ、なんというか「遊び」の多い組織なんだろうな」
 ケライノーの言う「遊び」とは、経済合理性を無視したという意味だ。同じことをやらせるのにここまで用意する必要もないのに、それをやってしまうということは、それだけ組織に余裕があるということか、あるいは、これだけの労力を費やしてもなおメリットとなるものが大きいのかー
 尤も、それをアエローたちは知ることはできない。参加者として、いずれは誰もが敵として戦うだけしか道はないのだから、知る機会などないだろう。
「まあ、というわけで、ここに今来る電車だって、きっと無人なわけよ。誰も乗っていないのに、定刻通りに動く電車なんて、そうそうみられるもんじゃないぞ」
「変に律儀だよな」
 駅のホームで電車を待つ3人。辺りには誰もおらず、閑散としたホームだったが、駅のアナウンスはきちんと流れている。もうすぐに、電車がホームに入ってくるようだ。
 アナウンスが流れてくる。白線の内側までお下がりくださいーという、定番のアナウンスを聞いて、思わず苦笑する3人だった。
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