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第4章 更なる戦い

第225話 薄紫の髪をした彼女

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 再び駅方面へと足を向けるアエロー、オキュペテー、ケライノーの3人。本来なら平日休日を問わず、人であふれかえっているはずの通りも、このアルカディア島ではほとんど人は見られない。
 ーいや、もし人を見かけたとしたら、それは自分たちと同じ大会参加者なので、敵か、獲物か、それともー
「おや?」
 先頭を歩いていたアエローが、前方から歩いてくる一人の少女を発見した。
「あれは・・・」
 その後に続いていたオキュペテー、ケライノーの2人も、彼女の姿を捉えた。
「ひゅう~」
 ケライノーが彼女の美貌を見て、思わず口笛を吹く。
 見るからにおとなしそうな娘だ。髪の毛は、光の加減のためなのか薄紫色にも見える。柔らかにウェーブのかかった髪は、肩の付近にまでかかっていて、彼女の小顔をさらに小さく見せており、非情に魅力的に見せていた。体つきは、制服の上からでも十分わかるくらい女性的ーつまりは凹凸の激しい体で、しかもそれが決していやらしくは見えないというのも、ポイントが高い。
 どこか憂いを秘めたその表情もまた、この少女を魅力的に見せている。
「こりゃまた、なかなかの美形だね~」
 アエローが口角の端を釣り上げながら、こちらに気が付いたらしい少女に声をかけた。
「へい、彼女・・・あたしらと少しおしゃべりしない?」
「え・・・?」
 アエローに突然呼び止められ、口元に右手を当てながらおろおろとし始める薄紫の少女。どこか儚さを伴った仕草だった。
 薄紫の髪の少女からすれば、今までとは異なり、いきなり刑務官姿の少女たちに呼び止められて困惑しているといったところだろうか。
「あの、あなたたちは・・・?」
「見ての通りさ。アンタみたいな野良のやつをとっ捕まえるのが、あたしらのお仕事でね」
 アエロー、オキュペテー、ケライノーの3人が、薄紫の髪の少女の周囲を取り囲む。まずは相手の逃げ道を塞ぐのが鉄則だ。
「見たところ、警察とか、そう言った関係の方なのでしょうか?」
 薄紫の髪の少女の問いかけに、アエローが笑いながら答える。
「あはは・・・まあ、近いけど違うんだよねぇ。あたしらは看守だよ。警察は、町中を見回って悪いやつを捕まえるのがお仕事。看守は、刑務所にぶち込まれた囚人どもを調教するのがお仕事さ」
「おいおい、調教は違うだろ・・・いや、あたしらの場合は、間違いともいえないか」
 オキュペテーが、アエローの説明の続きを行う。
「まあ、本来の看守の役割は、囚人の教育と刑務作業の監視ってところだけど・・・この島での看守のお仕事は少しばかり違うんだよ。例えば、アンタみたいなはぐれ参加者を刑務所まで強制連行するのもあたしらのお仕事ってわけだ」
「アンタ、運がいいねえ。ここであたしらと出会えるなんて。これで、この島で一番安全な場所に避難できるよ」
 ー尤も、その先に待つのはあたしらのレイプと処刑だけどなー
 3人の看守たちが不敵に笑いながら、薄紫の髪の少女の肩に手を伸ばそうとする。
 その時ー
「刑務所・・・ですか」
 薄紫の髪の少女が、自虐的な笑みを浮かべて呟いたのだったー
 

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