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第4章 更なる戦い
第185話 決着・・・2
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ーこんな化け物、正攻法でやり合ったところで勝てるわけねえ!!ー
あまりにも格が違いすぎる。
まさか、自分たちが初戦にして、しかも3人掛かりでの戦いで、こんな奴を相手にすることになろうとは、夢にも思わなかった。
ーこうなったら・・・ー
サイドテールの少女が腰を落とし、姿勢を低くした。
「居合・・・ですか?」
それを見た薄紫の髪の少女が確認するかのように独り言ちた。
確かに、その様子だけを見れば、居合のようにも見えるが・・・
「そうだな・・・っと!!」
「・・・うっ!」
居合の構えのため、その場にしゃがみこむようにして、密かに足元の砂を左手で軽くすくい、それを素早く、薄紫の髪の少女の顔をめがけて投げつけた。
「目隠し・・・?」
薄紫の髪の少女がたまらず目を閉じる。
ー今だ!!ー
相手の視界を封じたうえで斬りかかり制圧する。相手との力量差が圧倒的である以上、まともに斬り合っても勝負にはならない。少しでも相手のスキをついて攻撃を加えるしかないだろう。
ーだが。
「・・・!?」
薄紫の髪の少女は、視界を封じられても冷静に大剣を振るった。その一撃は、斬りかかろうと迫っていたサイドテールの少女の鼻先を掠めた。
「・・・うおお!?」
思わず後退るサイドテールの少女。あと数ミリ前に出ていたら、真っ先の顔の部分の擬体を斬られていただろう。
もちろん、顔は急所でもある。今の一撃をまともに食らっていたなら、即座にジャッジが擬体破損率100%を宣言していたはずだ。
「目隠しとは、考えましたね・・・でも、これしきの事では私の間合いには入れませんよ」
砂が目に入った状態にも関わらず、それでも的確に対応してくる薄紫の髪の少女。
「お、おい・・・何だよ、こいつ・・・本物の化け物か!?」
「あたしら、もうおしまいだ!!」
傍で様子を見守っていた他の2人の少女たちが再び喚き散らす。
視界を封じられても、それに戸惑うことなく反撃を試みるような相手である。2人が絶望するのも無理はなかった。
「・・・くうぅぅ」
サイドテールの少女も、万事休すとばかりに唇をかみしめる。
おそらく、また切り込んだところで、次も急所を狙われるだろう。先ほどの一撃は、さすがに目の痛みもあってか、かろうじて狙いを外したといったところだろうが、2撃目は確実に当ててくるはずー
「何か・・・手立ては」
他に何とかして相手の動きを封じる方法はないのか。
勝てば官軍とは、この大会のことを言う。とにもかくにも、勝ちさえすればいいのだ。手段は問われない。
実際、運営側も勝負方法に関しては「なんでもあり」としている。極端な話、例えイカサマに当たるような行為でも、勝ちは勝ちなのだ。
まさしく、何でもありなのである。
「どうしました?」
薄紫の髪の少女が、サイドテールの少女に悠然とした口調で問いかけてくる。まだ目は回復していないようだが、それすらもハンデにはなっていないように思われた。
「来ないのでしたら、そろそろこちらから参りますよ」
「・・・ひっ!!」
サイドテールの少女が喉を引きつらせながら声を上げた。
あまりにも格が違いすぎる。
まさか、自分たちが初戦にして、しかも3人掛かりでの戦いで、こんな奴を相手にすることになろうとは、夢にも思わなかった。
ーこうなったら・・・ー
サイドテールの少女が腰を落とし、姿勢を低くした。
「居合・・・ですか?」
それを見た薄紫の髪の少女が確認するかのように独り言ちた。
確かに、その様子だけを見れば、居合のようにも見えるが・・・
「そうだな・・・っと!!」
「・・・うっ!」
居合の構えのため、その場にしゃがみこむようにして、密かに足元の砂を左手で軽くすくい、それを素早く、薄紫の髪の少女の顔をめがけて投げつけた。
「目隠し・・・?」
薄紫の髪の少女がたまらず目を閉じる。
ー今だ!!ー
相手の視界を封じたうえで斬りかかり制圧する。相手との力量差が圧倒的である以上、まともに斬り合っても勝負にはならない。少しでも相手のスキをついて攻撃を加えるしかないだろう。
ーだが。
「・・・!?」
薄紫の髪の少女は、視界を封じられても冷静に大剣を振るった。その一撃は、斬りかかろうと迫っていたサイドテールの少女の鼻先を掠めた。
「・・・うおお!?」
思わず後退るサイドテールの少女。あと数ミリ前に出ていたら、真っ先の顔の部分の擬体を斬られていただろう。
もちろん、顔は急所でもある。今の一撃をまともに食らっていたなら、即座にジャッジが擬体破損率100%を宣言していたはずだ。
「目隠しとは、考えましたね・・・でも、これしきの事では私の間合いには入れませんよ」
砂が目に入った状態にも関わらず、それでも的確に対応してくる薄紫の髪の少女。
「お、おい・・・何だよ、こいつ・・・本物の化け物か!?」
「あたしら、もうおしまいだ!!」
傍で様子を見守っていた他の2人の少女たちが再び喚き散らす。
視界を封じられても、それに戸惑うことなく反撃を試みるような相手である。2人が絶望するのも無理はなかった。
「・・・くうぅぅ」
サイドテールの少女も、万事休すとばかりに唇をかみしめる。
おそらく、また切り込んだところで、次も急所を狙われるだろう。先ほどの一撃は、さすがに目の痛みもあってか、かろうじて狙いを外したといったところだろうが、2撃目は確実に当ててくるはずー
「何か・・・手立ては」
他に何とかして相手の動きを封じる方法はないのか。
勝てば官軍とは、この大会のことを言う。とにもかくにも、勝ちさえすればいいのだ。手段は問われない。
実際、運営側も勝負方法に関しては「なんでもあり」としている。極端な話、例えイカサマに当たるような行為でも、勝ちは勝ちなのだ。
まさしく、何でもありなのである。
「どうしました?」
薄紫の髪の少女が、サイドテールの少女に悠然とした口調で問いかけてくる。まだ目は回復していないようだが、それすらもハンデにはなっていないように思われた。
「来ないのでしたら、そろそろこちらから参りますよ」
「・・・ひっ!!」
サイドテールの少女が喉を引きつらせながら声を上げた。
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