165 / 499
第4章 更なる戦い
第164話 見守る者
しおりを挟む
ーどうやら、私の存在に気が付いたようですねー
静と紫苑が戦い、優香とヒナがそれを見守っている中ー薄紫の髪をした美しい少女が、そのうちの一人に感づかれたことを察して、建物の影に身を隠す。
ーそれにしても、こんなに近くで戦闘が起きていたなんてー
この場所へは、行く当てもなく訪れただけだ。最初の戦いで3人を殺害し、ついでさらに1人に勝利した。彼女の対戦者たちは、口々に彼女に対して呪詛を吐いた。
対戦者たちは、この少女の本当の実力を見誤っていたのだ。いや、見誤るというよりも、単純に見下していたといった方が正解だろう。
あっさりとレイプされてしまうようなやつなど、齢に決まっているーそう食ってかかった結果が、手痛い敗北だった。
ー私は・・・まだ負けるわけにはいきません。彼女に再会するまではー
この大会参加者にして、同門の少女ー彼女に再会し、戦うまでは、まだ負けるわけにはいかないのだ。
建物の影から、現在行われている戦いの様子を確認する。
押しているのは、銀色の髪の少女の方だった。両手のシックルを目にもとまらぬ速さで繰り出し、日本刀を構えた少女を圧倒している。
ーですがー
傍から見ていれば、確かに銀髪の少女の方が優勢なのだが、しかし、なぜか彼女は攻めきれないでいる。一方で、日本刀の少女の方は、拙いながらも、相手の攻撃を何とか凌いでいる。
実力差が明白だが、なかなか決着が着かないという、膠着状態に陥りつつあるようだった。
勝敗そのものでいえば、最終的には銀髪の少女の方に軍配が上がるだろう。戦いの趨勢を見ていれば、大方がそう予測するはずだ。
「決着までにはまだまだかかりそうですが・・・今はこの場を離れた方がよさそうですね」
しばらくの間、戦いは避けたかった。単に体力的な問題だけではなく、既に4人も殺害しているのだ。精神的にももう限界だった。
薄紫の髪の少女は、そっとその場をあとにする。このままこの場所に留まり続けた場合、あの4人のうち、3人と接触する可能性があるからだ。実際に戦闘となった場合、残り3人のうち、あの銀髪の少女には勝てるかもしれないが、傍らで戦いを見守っている2人の少女に関しては、その実力は未知数である。おそらくは、あの銀髪の少女と同程度か、それよりも多少格上といったところだろう。一人ずつ相手にするのであれば、勝機はまだありそうだがー
ー最初の時に、3人にレイプされましたからねー
大会の開会式直後、この付近へと飛ばされ、出くわした3人の参加者にレイプされた記憶が頭から離れない。あの時は、3人とも大した実力者ではなかったので、何とか勝利することができたが、今回も同じように勝てるとは限らないのだ。
今はまだ負けるわけにはいかないー彼女と再会し、戦うまでは。
静と紫苑が戦い、優香とヒナがそれを見守っている中ー薄紫の髪をした美しい少女が、そのうちの一人に感づかれたことを察して、建物の影に身を隠す。
ーそれにしても、こんなに近くで戦闘が起きていたなんてー
この場所へは、行く当てもなく訪れただけだ。最初の戦いで3人を殺害し、ついでさらに1人に勝利した。彼女の対戦者たちは、口々に彼女に対して呪詛を吐いた。
対戦者たちは、この少女の本当の実力を見誤っていたのだ。いや、見誤るというよりも、単純に見下していたといった方が正解だろう。
あっさりとレイプされてしまうようなやつなど、齢に決まっているーそう食ってかかった結果が、手痛い敗北だった。
ー私は・・・まだ負けるわけにはいきません。彼女に再会するまではー
この大会参加者にして、同門の少女ー彼女に再会し、戦うまでは、まだ負けるわけにはいかないのだ。
建物の影から、現在行われている戦いの様子を確認する。
押しているのは、銀色の髪の少女の方だった。両手のシックルを目にもとまらぬ速さで繰り出し、日本刀を構えた少女を圧倒している。
ーですがー
傍から見ていれば、確かに銀髪の少女の方が優勢なのだが、しかし、なぜか彼女は攻めきれないでいる。一方で、日本刀の少女の方は、拙いながらも、相手の攻撃を何とか凌いでいる。
実力差が明白だが、なかなか決着が着かないという、膠着状態に陥りつつあるようだった。
勝敗そのものでいえば、最終的には銀髪の少女の方に軍配が上がるだろう。戦いの趨勢を見ていれば、大方がそう予測するはずだ。
「決着までにはまだまだかかりそうですが・・・今はこの場を離れた方がよさそうですね」
しばらくの間、戦いは避けたかった。単に体力的な問題だけではなく、既に4人も殺害しているのだ。精神的にももう限界だった。
薄紫の髪の少女は、そっとその場をあとにする。このままこの場所に留まり続けた場合、あの4人のうち、3人と接触する可能性があるからだ。実際に戦闘となった場合、残り3人のうち、あの銀髪の少女には勝てるかもしれないが、傍らで戦いを見守っている2人の少女に関しては、その実力は未知数である。おそらくは、あの銀髪の少女と同程度か、それよりも多少格上といったところだろう。一人ずつ相手にするのであれば、勝機はまだありそうだがー
ー最初の時に、3人にレイプされましたからねー
大会の開会式直後、この付近へと飛ばされ、出くわした3人の参加者にレイプされた記憶が頭から離れない。あの時は、3人とも大した実力者ではなかったので、何とか勝利することができたが、今回も同じように勝てるとは限らないのだ。
今はまだ負けるわけにはいかないー彼女と再会し、戦うまでは。
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる