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第4章 更なる戦い
第159話 ナイフとチャクラム
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「私がナイフで、美奈はチャクラム・・・当然、私の方が不利だった」
ヒナの武器はナイフで近接系、一方の美奈はチャクラムで投擲可能な武器である。よほど間合いを詰められない限りは、圧倒的にヒナの方が不利だった。
「ふむ・・・」
優華は、その光景を思い浮かべながら、
「しかし、子猫ちゃんの方に軍配が上がったわけだろ?大したものだよ、君は」
初めてヒナと邂逅した時のことを思いだすーヒナの持ち味は、そのスピードによる連続攻撃だ。おそらくは、相手の攻撃のスキをついて、一気に間合いを詰めてけりをつけたーそんなところだろう。
尤も、これはヒナだからこそやってのけたというわけで、そう簡単な話ではない。ヒナの話では、一度擬体ごと胴を薙ぎ払われようとしていたとのことだったが、おそらく危ない瞬間はいくらでもあったはずだ。
「あのチャクラムは、ブーメランみたいに本人の手元に戻ってくるわけだからね・・・しかも両手に持っていたから、なおのこと大変だったよ。間合いを詰めるのにとても苦労した」
いつも半眼で、眠そうな顔つきのヒナではあったが、その時のことを思いだしたのか、今は普段よりもいささか目が開かれているみたいだった。
ー初陣で、それだけの相手と戦って勝つなんて、やっぱり大したものだよ、君はー
おそらく、ヒナは大会参加者の中でも上位に入る実力者だろう。最初から戦闘の素質とセンスがなければ、おそらく美奈のチャクラムには対抗しきれなかったはずだ。
ーこれは・・・思わぬ強敵が近くにいたもんだー
今は仲良くつるんではいるものの、いずれは命を懸けて戦うことになる相手である。改めて、その力量を実感させられた形となった。
「そういえばさ・・・」
ヒナが優香を見上げて話しかけてくる。
「何だい、子猫ちゃん」
自分を見上げてくるヒナの姿は、なんとも愛らしく見えた。
ーこれで、実力はトップクラスと言うんだからな・・・ー
「静お姉さんだけど、普段使ってる武器と、擬体を纏ってるときに使う武器って、違うんでしょ?」
静は、優香とヒナの最初の腕試しの際、薙刀のような武器で二人の仲裁に入ってきた。だが、薙刀では相手の首を刎ねることはできない。
ヒナが言っているのは、おそらくそのことだろう。
「・・・その通りだよ、子猫ちゃん」
優華がにやりと口元を歪める。元々ニヤケ面ばかりが板についた感じのある優香だったが、今の笑みは、普段のうさん臭さの混じるそれとは異なるものだった。
「まあ、あと少しもすれば、君も実際に目にすることになると思うよ、お静の武器と・・・その戦い方をね」
そう、今静は、朝比奈紫苑と情事の真っ最中である、それが終われば、いよいよお互いの命を懸けた勝負となるのだ。その時に、静の武器がお披露目されることになるだろう。
「そっか・・・そうだよね、もうすぐ戦いになるだろうし」
ヒナが、カー用品店の入り口に目を向けた。
ヒナの武器はナイフで近接系、一方の美奈はチャクラムで投擲可能な武器である。よほど間合いを詰められない限りは、圧倒的にヒナの方が不利だった。
「ふむ・・・」
優華は、その光景を思い浮かべながら、
「しかし、子猫ちゃんの方に軍配が上がったわけだろ?大したものだよ、君は」
初めてヒナと邂逅した時のことを思いだすーヒナの持ち味は、そのスピードによる連続攻撃だ。おそらくは、相手の攻撃のスキをついて、一気に間合いを詰めてけりをつけたーそんなところだろう。
尤も、これはヒナだからこそやってのけたというわけで、そう簡単な話ではない。ヒナの話では、一度擬体ごと胴を薙ぎ払われようとしていたとのことだったが、おそらく危ない瞬間はいくらでもあったはずだ。
「あのチャクラムは、ブーメランみたいに本人の手元に戻ってくるわけだからね・・・しかも両手に持っていたから、なおのこと大変だったよ。間合いを詰めるのにとても苦労した」
いつも半眼で、眠そうな顔つきのヒナではあったが、その時のことを思いだしたのか、今は普段よりもいささか目が開かれているみたいだった。
ー初陣で、それだけの相手と戦って勝つなんて、やっぱり大したものだよ、君はー
おそらく、ヒナは大会参加者の中でも上位に入る実力者だろう。最初から戦闘の素質とセンスがなければ、おそらく美奈のチャクラムには対抗しきれなかったはずだ。
ーこれは・・・思わぬ強敵が近くにいたもんだー
今は仲良くつるんではいるものの、いずれは命を懸けて戦うことになる相手である。改めて、その力量を実感させられた形となった。
「そういえばさ・・・」
ヒナが優香を見上げて話しかけてくる。
「何だい、子猫ちゃん」
自分を見上げてくるヒナの姿は、なんとも愛らしく見えた。
ーこれで、実力はトップクラスと言うんだからな・・・ー
「静お姉さんだけど、普段使ってる武器と、擬体を纏ってるときに使う武器って、違うんでしょ?」
静は、優香とヒナの最初の腕試しの際、薙刀のような武器で二人の仲裁に入ってきた。だが、薙刀では相手の首を刎ねることはできない。
ヒナが言っているのは、おそらくそのことだろう。
「・・・その通りだよ、子猫ちゃん」
優華がにやりと口元を歪める。元々ニヤケ面ばかりが板についた感じのある優香だったが、今の笑みは、普段のうさん臭さの混じるそれとは異なるものだった。
「まあ、あと少しもすれば、君も実際に目にすることになると思うよ、お静の武器と・・・その戦い方をね」
そう、今静は、朝比奈紫苑と情事の真っ最中である、それが終われば、いよいよお互いの命を懸けた勝負となるのだ。その時に、静の武器がお披露目されることになるだろう。
「そっか・・・そうだよね、もうすぐ戦いになるだろうし」
ヒナが、カー用品店の入り口に目を向けた。
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