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第4章 更なる戦い
第156話 ヒナの勘
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「優華お姉さん」
「何だい、子猫ちゃん」
静が紫苑との交わりを始めた頃ー
カー用品店外の駐車場で、二人の情事が終わるのを待っていたヒナが、やはり近くで待機している優香に対して、
「今、静お姉さんが相手にしてる子・・・何となくだけど、前に私が戦った相手に似てるんだよね」
「ほほう」
ヒナの言葉に、優香は興味深げに片方の眉を吊り上げた。相変わらずのニヤケ面で、その口元は鉄扇により隠されている。
「と言っても、君はまだこの店の中の子を見たことはないだろう?」
「うーん、なんていうかな・・・?雰囲気というか、空気みたいなものが伝わってくる感じ?」
ヒナ自信も、もしかしたらよくわかっていないのではないかーそんな言い方だった。
だが、優香には何となく、ヒナの言いたいことがわかるような気がした。
「優華お姉さんだって、実際に中の子を見たわけではなくても、わかるでしょ?そのお鼻で」
ヒナの言葉に、優香は苦笑しながら、
「やれやれ・・・私は完全に警察犬扱いらしい・・・まあ、わかるけどさ。今、お静が相手にしてるって子がどんな感じかは」
優華は、この付近に残されていた擬体の残り香を嗅ぎ取り、それによって、二人がどのような戦いをしたのか、また、勝利者、敗北者の大体の人間性などもある程度は把握していた。
特に、勝利者ー今、静が相手をしている朝比奈紫苑のことだがーについては、自分がレイプされたとはいえ、相手を殺してしまったことをとても後悔している一方、大会運営側の手により、自らの手で命を絶つことすら許されない現状に絶望しているということまで、感覚的に掴んでいた。そして、その人物像については、静に対しては伝えていたが、ヒナには特に教えてはいなかったーが。
「君も、中のやつがどんなのか、感覚的にわかったってわけか・・・」
「そうだね。あの生首や周囲の様子を見れば、そこでどんな戦いが起こったのか、ある程度は推測できるよ」
「ほう・・・」
ヒナの言葉に、思わず目を細める優香。やはり、ヒナは他の参加者とは一味違う。普段はぼーっとしているように見えて、実は細かいところまできちんと見て、そして自分で判断している。敵に回すと、この上なく厄介な相手とも言えた。
「私、ここに来る前に、最初のグループ分けの後に、神社に立ち寄ったんだ」
「・・・ふむ」
「その時、川村美奈って子がいたんだけど・・・彼女、相手を殺した直後ってことで、すごく取り乱してたんだよ」
「最初のグループ分けって言うと、開会してすぐの時か」
優華もグループ分けの後に、自動的にこの付近に飛ばされたので、その時のことは大変印象に残っていた。
「その子にあって、しばらくはそこで話を聞いていたんだけど、結局は戦うことになった」
「なるほど、子猫ちゃんの初陣はそれか」
「その子と、今この店にいる子は、多分似てるんじゃないかな?性格的に」
「・・・」
優華の視線が、自然とカー用品店の入り口に向けられた。
「何だい、子猫ちゃん」
静が紫苑との交わりを始めた頃ー
カー用品店外の駐車場で、二人の情事が終わるのを待っていたヒナが、やはり近くで待機している優香に対して、
「今、静お姉さんが相手にしてる子・・・何となくだけど、前に私が戦った相手に似てるんだよね」
「ほほう」
ヒナの言葉に、優香は興味深げに片方の眉を吊り上げた。相変わらずのニヤケ面で、その口元は鉄扇により隠されている。
「と言っても、君はまだこの店の中の子を見たことはないだろう?」
「うーん、なんていうかな・・・?雰囲気というか、空気みたいなものが伝わってくる感じ?」
ヒナ自信も、もしかしたらよくわかっていないのではないかーそんな言い方だった。
だが、優香には何となく、ヒナの言いたいことがわかるような気がした。
「優華お姉さんだって、実際に中の子を見たわけではなくても、わかるでしょ?そのお鼻で」
ヒナの言葉に、優香は苦笑しながら、
「やれやれ・・・私は完全に警察犬扱いらしい・・・まあ、わかるけどさ。今、お静が相手にしてるって子がどんな感じかは」
優華は、この付近に残されていた擬体の残り香を嗅ぎ取り、それによって、二人がどのような戦いをしたのか、また、勝利者、敗北者の大体の人間性などもある程度は把握していた。
特に、勝利者ー今、静が相手をしている朝比奈紫苑のことだがーについては、自分がレイプされたとはいえ、相手を殺してしまったことをとても後悔している一方、大会運営側の手により、自らの手で命を絶つことすら許されない現状に絶望しているということまで、感覚的に掴んでいた。そして、その人物像については、静に対しては伝えていたが、ヒナには特に教えてはいなかったーが。
「君も、中のやつがどんなのか、感覚的にわかったってわけか・・・」
「そうだね。あの生首や周囲の様子を見れば、そこでどんな戦いが起こったのか、ある程度は推測できるよ」
「ほう・・・」
ヒナの言葉に、思わず目を細める優香。やはり、ヒナは他の参加者とは一味違う。普段はぼーっとしているように見えて、実は細かいところまできちんと見て、そして自分で判断している。敵に回すと、この上なく厄介な相手とも言えた。
「私、ここに来る前に、最初のグループ分けの後に、神社に立ち寄ったんだ」
「・・・ふむ」
「その時、川村美奈って子がいたんだけど・・・彼女、相手を殺した直後ってことで、すごく取り乱してたんだよ」
「最初のグループ分けって言うと、開会してすぐの時か」
優華もグループ分けの後に、自動的にこの付近に飛ばされたので、その時のことは大変印象に残っていた。
「その子にあって、しばらくはそこで話を聞いていたんだけど、結局は戦うことになった」
「なるほど、子猫ちゃんの初陣はそれか」
「その子と、今この店にいる子は、多分似てるんじゃないかな?性格的に」
「・・・」
優華の視線が、自然とカー用品店の入り口に向けられた。
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