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第4章 更なる戦い

第145話 目が覚めて

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「お二人とも、もうお昼ですよ、起きてください」
「んん・・・」
「あふ」
 昨日は胡乱な邂逅と夜の性行為の疲労のため、ぐっすりと眠りについていた優香たちであったが、先に起きていた静の声に、ようやく目を覚ました。
「ああ、お静、おはようさん」
「・・・んん、眠い・・・」
「もうお昼ですよ、秋月さん、ヒナちゃん」
 言われて、優香は部屋に置いてあった時計を見た。時刻は11時34分・・・確かにもう昼近くだった。
「あちゃあ、寝すぎちゃったか・・・昨日結構疲れたからな」
「お姉さん達、私まだ眠い。あと5分」
 ヒナが朝に弱い人間の定番のセリフで二度寝しようとするが、
「駄目です。生活リズムを崩しすぎるときつくなりますよ」
「うーん」
 静の言葉に、思わず苦笑してしまう優香。この女は清楚な見た目に反して無類のエッチ好きではあるのだが、それ以外の面では極めて真面目な性格でもあった。
 ーまあ、お静らしいと言えばそうなのかもー
「ほら、子猫ちゃん、さっさと起きろ・・・さすがに半日も寝ていたら体が鈍っちゃうぞ」
 優華も促してヒナを起こさせた。ヒナは、寝ても覚めても相変わらずの半眼状態のまま、うーうーと謎の唸り声らしきものを上げている。
 ・・・どうやら、ヒナはとことん寝覚めが悪い子のようだった。
「それにしても・・・お静、君だって昨日の夜はかなりハッスルしてただろ?寝起きはつらくなかったか?」
「私も、今日は遅めに起きましたが、それでも起きたのは8時半ですよ。お二人は、はっきり言って寝すぎです」
 ーやれやれ、あれだけお盛んだったというのにー
「とにかく、お二人とも早くちゃんとしてくださいね。今日は、改めて公園方面を回る予定になっているのですから」
「そうだったな」
 優華と静、二人は、実はこの場所に来て日が浅い。よって、この辺りの様子を探るために、色々と散策して回っているのだ。いざ戦いとなった時に、ある程度地の利を生かせるように、周辺の様子だけはきちんと把握しておかなければならない。
 そのための散策でもあった。
「お姉さんたち、これから出かけるの?」
 ヒナが、ただでさえ眠たそうな半眼をさらに細めながら、優香たちに尋ねてきた。
「そうだな、これから食事の後にこの辺りを改めて見回ってみるつもりだ」
 食事は、食堂に行けば、なぜか既に用意されているという徹底ぶりだった。戦いと性行為さえ続けていれば、衣食住には事欠かず、さらにはお金も必要ないという、まさに「楽園」がこのアルカディア島だった。ただし、モラルも必要がないのだがー
「お姉さんたち、私、寝汗かいちゃった・・・だから、先にお風呂に入りたい」
 ヒナの要求に、静の瞳が胡乱気に輝いた。
「お風呂、いいわね。私も先に汗を流したいわ・・・ここには大浴場もあることだし」
「おいおい」
 静の狙いは、風呂にかこつけたエッチ行為であることは見え見えだ。昨日あれだけお盛んだったというのに、起きてからもまた情事に耽るつもりなのかー
「ダメかな?優香お姉さん」
 ヒナが、唇に人差し指を当て、物欲しそうな目つきで懇願してくる。そして、その仕草に大抵の者が参ってしまうのだった。
 ーまあ、私も寝汗をかいたからな・・・先に風呂でもいいかー
「わかった、わかったよ。それじゃあこれから大浴場に行くか」
 二人の少女がキャッキャと嬉しそうな声を上げた。
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