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第4章 更なる戦い
第143話 潜み潜みて・・・
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「あの3人を殺ったやつは、まだこの辺をうろついている可能性があるぞ」
優華の言葉に、静が今までの緩み切っていた表情を引き締めて頷いた。
「一度に3人を倒すだなんて、かなりの使い手ですよね」
あの3人は、ほぼ同時に倒されている。それも優香たちは確認していた。
「ああ、しかも厄介なことに、擬体を纏えば最強クラスだが、擬体を纏っていない時にはあっさりとレイプされてしまうくらいに弱っちい奴だってことだ」
つまりは、「獲物狩り」で間違ってこの人物に挑んだ場合、返り討ちにされてしまう可能性もあるということだ。
優華も静も、大会運営側のペナルティを避けるために、既に戦いを経験し、勝利している。優香は2人、静は1人だ。しばらくの間は、ペナルティまでの猶予はあるものの、いずれはまた狩らなくてはならなくなる時が来る。その時に、この相手と遭遇した場合ー
「少なくとも、今の私らでは歯が立たない可能性もあるな」
「ペナルティまではまだ猶予はあるでしょうから、一旦獲物狩りは様子見にしてもいいかもしれませんね」
静の提案に、優香は思わず苦笑しながら、
「君の場合は、常にエッチなことをしていないと気が済まないタチだろ?そう何日も「寸止め」だけで耐えられるのか?」
ペナルティの問題とは別に、確かにこの静お嬢様は清楚なイメージに反して、無類のエッチ好きでもあった。今日のように、優香がしばしば相手を務めることはあるものの、それとて擬体を纏わないように「寸止め」のところで追えているにすぎない。
そろそろ、本格的に「イキたい」と思っていてもおかしくはないはずだ。
「・・・自信がありません」
「だろ?」
ここで「イク」ということは、そのまま戦いの場に躍り出るということだ。つまりは、あの3人を返り討ちにしたやつと「イッテしまった」場合、勝たなければ生き残ることができないということである。
優華も静も、並の相手には後れを取ることはないだろうが、今隣ですやすやと眠っているこのヒナと同程度か、あるいはそれ以上の相手とかち合ってしまった場合は、さすがに厳しいだろう。
「秋月さんの鼻で、何とかわかりませんか、その相手」
静が優香の鼻を軽く摘まんでみる。
「・・・おいおい、私の鼻をいじるのはよしてくれ」
優華は静の指を振りほどきながら、
「まあ、この子猫ちゃんのように、その残り香が強い場合ならわかるが・・・相手が巧妙にそれを隠している場合もあるからな」
「擬体化した形跡を消すためのツールもあるんでしたよね」
このアルカディア島では、大会参加者のために運営側がジャッジを通して、様々なアイテムを販売しているのだが、その一つが静の言った「擬体化した形跡を消してしまうツール」だった。つまりは、相手が過去に何勝したのかとか、そういうのが一切わからなくすることができるのだ。
このアルカディア島には、実はお金はない。生活に必要なものは、全て無人の店屋から勝手に持って行っても犯罪にはならない。ただ、勝利ポイントというものがあり、それを交換することで、より戦闘を有利にできるようなアイテムやトラップアイテム、補助アイテムを手に入れることができる。
そういったツールの類で痕跡を消されている場合、いくら優香の鼻が利くとは言っても限度がある。
「そいつは一気に3人も倒しているからな、ポイントも相当稼いでいるはずだ。なら」
もしかしたら、そういったツールを既に手に入れているかもしれないのだ。
優華の言葉に、静が今までの緩み切っていた表情を引き締めて頷いた。
「一度に3人を倒すだなんて、かなりの使い手ですよね」
あの3人は、ほぼ同時に倒されている。それも優香たちは確認していた。
「ああ、しかも厄介なことに、擬体を纏えば最強クラスだが、擬体を纏っていない時にはあっさりとレイプされてしまうくらいに弱っちい奴だってことだ」
つまりは、「獲物狩り」で間違ってこの人物に挑んだ場合、返り討ちにされてしまう可能性もあるということだ。
優華も静も、大会運営側のペナルティを避けるために、既に戦いを経験し、勝利している。優香は2人、静は1人だ。しばらくの間は、ペナルティまでの猶予はあるものの、いずれはまた狩らなくてはならなくなる時が来る。その時に、この相手と遭遇した場合ー
「少なくとも、今の私らでは歯が立たない可能性もあるな」
「ペナルティまではまだ猶予はあるでしょうから、一旦獲物狩りは様子見にしてもいいかもしれませんね」
静の提案に、優香は思わず苦笑しながら、
「君の場合は、常にエッチなことをしていないと気が済まないタチだろ?そう何日も「寸止め」だけで耐えられるのか?」
ペナルティの問題とは別に、確かにこの静お嬢様は清楚なイメージに反して、無類のエッチ好きでもあった。今日のように、優香がしばしば相手を務めることはあるものの、それとて擬体を纏わないように「寸止め」のところで追えているにすぎない。
そろそろ、本格的に「イキたい」と思っていてもおかしくはないはずだ。
「・・・自信がありません」
「だろ?」
ここで「イク」ということは、そのまま戦いの場に躍り出るということだ。つまりは、あの3人を返り討ちにしたやつと「イッテしまった」場合、勝たなければ生き残ることができないということである。
優華も静も、並の相手には後れを取ることはないだろうが、今隣ですやすやと眠っているこのヒナと同程度か、あるいはそれ以上の相手とかち合ってしまった場合は、さすがに厳しいだろう。
「秋月さんの鼻で、何とかわかりませんか、その相手」
静が優香の鼻を軽く摘まんでみる。
「・・・おいおい、私の鼻をいじるのはよしてくれ」
優華は静の指を振りほどきながら、
「まあ、この子猫ちゃんのように、その残り香が強い場合ならわかるが・・・相手が巧妙にそれを隠している場合もあるからな」
「擬体化した形跡を消すためのツールもあるんでしたよね」
このアルカディア島では、大会参加者のために運営側がジャッジを通して、様々なアイテムを販売しているのだが、その一つが静の言った「擬体化した形跡を消してしまうツール」だった。つまりは、相手が過去に何勝したのかとか、そういうのが一切わからなくすることができるのだ。
このアルカディア島には、実はお金はない。生活に必要なものは、全て無人の店屋から勝手に持って行っても犯罪にはならない。ただ、勝利ポイントというものがあり、それを交換することで、より戦闘を有利にできるようなアイテムやトラップアイテム、補助アイテムを手に入れることができる。
そういったツールの類で痕跡を消されている場合、いくら優香の鼻が利くとは言っても限度がある。
「そいつは一気に3人も倒しているからな、ポイントも相当稼いでいるはずだ。なら」
もしかしたら、そういったツールを既に手に入れているかもしれないのだ。
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