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第3章 虚ろなる人形
第115話 氷上の末路
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一条紗耶香と天内葉月が、校舎の中庭で氷上亜美と相坂光の変わり果てた姿を発見する前日まで時間は遡る。
「さあ、氷上さん・・・あなたの人生最後の門出を祝って、盛大に楽しみましょう」
「・・・!?」
勅使河原の擬体は、まだ解かれてはいない。決着はついたものの、まだ氷上の首を刎ねていないので、勝利者である勅使河原の擬体は維持されたままだった。
「私の鋼線なら、あなたの首を落とすのはたやすいわ・・・でも、簡単に終わっちゃったら面白くはないわね」
勅使河原が、氷上の首に鋼線を巻き付ける。
「ぐっ!!」
首を鋼線に巻かれ、圧迫される氷上。呼吸できなくなるほど締め付けられてはいないが、その気になれば、勅使河原は彼女の首をこの鋼線を最大限まで締め付けることで、切断にまでもっていくことができるのだろう。
そして、それを敢えてまだやらないということは、彼女自身がまだまだ氷上のことを弄ぶつもりであるということの、何よりもの証明でもあった。
「は、早く首を・・・落としなさい。あなたなんかに弄ばれるくらいなら、死を選ぶわ」
「そう死に急ぐものではないわ・・・あなたの命が消える時は、私が決めるのだから」
勅使河原は、そう言い放つなり、今度は氷上の全身を見えない鋼線で縛り上げた。
「・・・んあああ!!」
全身を鋼線により縛り上げられ、そのまま地面に倒れ伏す氷上。もはや、彼女には抵抗する術などなく、ただ地面を這いながら、こちらを冷笑しながら見下ろす勅使河原を睨みつけることくらいしかできなかった。
「いい恰好ね・・・氷上さん。お似合いだし、何よりも、とってもそそられるものがあるわ・・・」
勅使河原が頬を紅潮させ、うっとりとした表情で、芋虫のような格好で地べたに転がる氷上を見やる。
「・・・反吐が出るわね、あなた」
「・・・誉め言葉として受け取っておくわよ、氷上さん」
勅使河原は、地面に転がっている氷上の尻を軽く蹴飛ばした。
「・・・あうぅ!!」
「フフフ・・・ずいぶんと可愛らしい声で鳴くじゃない、氷上さん。これは嬲りがいがありそうね」
勅使河原は生前ーつまりはアルカディア島に来る前に、3人の少女を殺害している。殺された少女たちは、いわゆる不細工ではないものの、かといって美少女というレベルでもなかった。唯一、川澄真由美が3人の中では容姿が整っている方だったかもしれないが、彼女とて人目を惹くほどの美少女ではなかった。
今、彼女が手に入れた氷上亜美というこの少女は、間違いなく美少女の部類だ。尤も、この大会に参加させられている段階で美形なのは間違いないのだが、それを差し引いても、人目を惹く容姿をしているのだけは間違いないだろう。
だからこそ、勅使河原が生前、作り上げることの出来なかった工芸品を、今ここで作り出すことができる。勅使河原は、それを思うだけで身震いがし、さらには下半身が熱くなっていくのを感じていた。
川澄真由美を殺したときみたいに、失禁してしまうかもしれなかった。
「さあ、行きましょうか、亜美。私とあなたの最後の楽園へ」
勅使河原は、拘束されて身動きが取れない氷上の体を抱きかかえると、そのまま公園を後にした。
ーこの公園には、前回の戦いの敗北者の首と胴体が残されただけだったー
「さあ、氷上さん・・・あなたの人生最後の門出を祝って、盛大に楽しみましょう」
「・・・!?」
勅使河原の擬体は、まだ解かれてはいない。決着はついたものの、まだ氷上の首を刎ねていないので、勝利者である勅使河原の擬体は維持されたままだった。
「私の鋼線なら、あなたの首を落とすのはたやすいわ・・・でも、簡単に終わっちゃったら面白くはないわね」
勅使河原が、氷上の首に鋼線を巻き付ける。
「ぐっ!!」
首を鋼線に巻かれ、圧迫される氷上。呼吸できなくなるほど締め付けられてはいないが、その気になれば、勅使河原は彼女の首をこの鋼線を最大限まで締め付けることで、切断にまでもっていくことができるのだろう。
そして、それを敢えてまだやらないということは、彼女自身がまだまだ氷上のことを弄ぶつもりであるということの、何よりもの証明でもあった。
「は、早く首を・・・落としなさい。あなたなんかに弄ばれるくらいなら、死を選ぶわ」
「そう死に急ぐものではないわ・・・あなたの命が消える時は、私が決めるのだから」
勅使河原は、そう言い放つなり、今度は氷上の全身を見えない鋼線で縛り上げた。
「・・・んあああ!!」
全身を鋼線により縛り上げられ、そのまま地面に倒れ伏す氷上。もはや、彼女には抵抗する術などなく、ただ地面を這いながら、こちらを冷笑しながら見下ろす勅使河原を睨みつけることくらいしかできなかった。
「いい恰好ね・・・氷上さん。お似合いだし、何よりも、とってもそそられるものがあるわ・・・」
勅使河原が頬を紅潮させ、うっとりとした表情で、芋虫のような格好で地べたに転がる氷上を見やる。
「・・・反吐が出るわね、あなた」
「・・・誉め言葉として受け取っておくわよ、氷上さん」
勅使河原は、地面に転がっている氷上の尻を軽く蹴飛ばした。
「・・・あうぅ!!」
「フフフ・・・ずいぶんと可愛らしい声で鳴くじゃない、氷上さん。これは嬲りがいがありそうね」
勅使河原は生前ーつまりはアルカディア島に来る前に、3人の少女を殺害している。殺された少女たちは、いわゆる不細工ではないものの、かといって美少女というレベルでもなかった。唯一、川澄真由美が3人の中では容姿が整っている方だったかもしれないが、彼女とて人目を惹くほどの美少女ではなかった。
今、彼女が手に入れた氷上亜美というこの少女は、間違いなく美少女の部類だ。尤も、この大会に参加させられている段階で美形なのは間違いないのだが、それを差し引いても、人目を惹く容姿をしているのだけは間違いないだろう。
だからこそ、勅使河原が生前、作り上げることの出来なかった工芸品を、今ここで作り出すことができる。勅使河原は、それを思うだけで身震いがし、さらには下半身が熱くなっていくのを感じていた。
川澄真由美を殺したときみたいに、失禁してしまうかもしれなかった。
「さあ、行きましょうか、亜美。私とあなたの最後の楽園へ」
勅使河原は、拘束されて身動きが取れない氷上の体を抱きかかえると、そのまま公園を後にした。
ーこの公園には、前回の戦いの敗北者の首と胴体が残されただけだったー
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