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第2章 確かなもの
第31話 犬とお散歩♪
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「よし、飼い犬と学校周辺のお散歩開始だ!」
「うう・・・まさかノーパンで外を歩き回るだなんて・・・」
やけに上機嫌の紗耶香とは対照的に、涙目で顔を紅潮させている葉月の姿があった。
ここは、アルカディア島にある廃校舎の玄関口。ちょうど1-Aの教室を出てすぐの場所で、首輪をつけられ、リールの先を紗耶香に握られている葉月が、外に誰か見ている者がいないかを確認するかのように、辺りをきょろきょろと見まわしていた。
「葉月、なんだかんだ言って、お前も他人の目が気になるのか?」
そんな葉月に対し、ニヤケ面を隠さずに紗耶香が問いかける。
「そりゃそうっすよ・・・ノーパンで、しかも首輪付きなんて、あり得ないっす。いくらあたしでも、こんな恰好は見られたくないっすよぉ」
なんだかんだ言っても葉月も年頃の娘である。やはり人並み以上に今の恰好は恥ずかしかった。
「まあ、見られてるかどうかでいえば、確実に見られてるだろ、今のあたしらは」
「・・・へ?」
葉月が素っ頓狂な声をあげた。
「この大会の運営側のことだ・・・大会参加者の動向くらいは常に把握しておこうとするだろう。つまり、あちこちに盗撮用の器材なんかが仕込んであってもおかしくはないわけで」
「ちょ、ちょっと待ってくださいっす、先輩!」
葉月が切羽詰まった声を出す。これからの「お散歩」を考えれば、当然の反応かもしれないが。
「そんな・・・誰かが見てるような場所で、あたしはノーパンで出歩かなきゃいけないんすか!?」
葉月に詰め寄られるが、紗耶香は涼しげな顔で、
「あのなあ、お前が昨晩三好とかいう女とマッパで寝たのだって記録されてる可能性はあるだろ?大会運営側としては、「戦闘行為」だけでなく「性行為」も観察対象にしてるはずだからな。つまり、お前がその女を犯したときだって、「見られてた」わけで、今更恥ずかしがってもどうにもならんだろう」
まあ、それはあたしだっておなじだけどさ・・・と、この後付け加える紗耶香。彼女も、昨日一人獲物を狩っているのだから、おそらくその様子も大会運営側に「観察」されているだろう。
「この島はレイプあり首チョンパアリの何でもありで、唯一モラルだけがない・・・それは、この大会を運営してるエロじじいどもにも言えるってことだろ」
「・・・まあ、それはそうかもしれないっすが・・・」
葉月はいまだに目を泳がせながら、周囲を見回している。
「というわけで、つべこべ言わず行くぞ、ワンコ」
「わ、ワンコ!?」
どうやら、自分は完全に紗耶香のペット扱いのようだった。葉月はその顔に諦観にも等しい表情を浮かべながら、
「わかりましたっす・・・ここでこうしていても始まらない以上は、さっさとお散歩行って終わらせるだけっす」
諦観・・・というよりも今度は開き直りに近い感じで葉月が玄関の外へと足を踏み出そうとする・・・が。
「待て、ワンコ」
「んがっ!」
一人先に行こうとした葉月の首輪のリールが思い切り引き寄せられ、葉月が転倒しそうになった。
「な、何すか、先輩・・・!?」
「お前、あたしの飼い犬だよな・・・」
「・・・はい、そうっすが・・・?」
なぜこんなことを今更確認してくるんだと言わんばかりに、首をかしげる葉月。そんな彼女に対し、紗耶香は冷淡に要求した。
「なら四つ足が基本だろ・・・なぜ二本足で立っている?」
「・・・へ?」
聞き間違いだろうか・・・まさか、先輩は・・・?
「今すぐ四つ足になれ、ワンコ、ほら、早く!!」
「・・・え、え、ええええ!?」
葉月の悲鳴にも近い絶叫が玄関に響いた。
「そんな殺生な・・・先輩、いくら何でもノーパンで四つ足、しかも、首輪付きって・・・あんまりじゃないっすか!?」
さすがの葉月もこの時ばかりは紗耶香に喰ってかかった。パンツを履いていないのに四足歩行なんて、明らかにもろ見え状態ではないか。
冗談ではない。自分にも人並み以上の矜持や羞恥心はある。
ここまで犬と同じ扱いをされたのではたまったものではなかった。
だがー。
「うるさい!」
「ふがっ!」
そんな葉月を一喝し、その形のいい鼻を思いっきり摘まみ上げる紗耶香。
「先輩、なにするんすか・・・?」
鼻を摘ままれて、まるで金魚みたいに口をパクパクさせ、涙目になりながら、葉月が抗議するが、紗耶香は摘まんだ鼻をひねったりして明らかに遊んでいるようだった。
「やれ・・・と言っている。やるかやらないかではない。そもそも、お前に拒否権はない」
「うう・・・」
そんな、あたしの人生始まって以来の屈辱だー。
昨日の戦いでダメージを受けた時以上の屈辱、しかし、紗耶香には逆らえないという劣等感が入り混じった中で、葉月は結局は紗耶香の命令に従うしかなかった。
「うう・・・まさかノーパンで外を歩き回るだなんて・・・」
やけに上機嫌の紗耶香とは対照的に、涙目で顔を紅潮させている葉月の姿があった。
ここは、アルカディア島にある廃校舎の玄関口。ちょうど1-Aの教室を出てすぐの場所で、首輪をつけられ、リールの先を紗耶香に握られている葉月が、外に誰か見ている者がいないかを確認するかのように、辺りをきょろきょろと見まわしていた。
「葉月、なんだかんだ言って、お前も他人の目が気になるのか?」
そんな葉月に対し、ニヤケ面を隠さずに紗耶香が問いかける。
「そりゃそうっすよ・・・ノーパンで、しかも首輪付きなんて、あり得ないっす。いくらあたしでも、こんな恰好は見られたくないっすよぉ」
なんだかんだ言っても葉月も年頃の娘である。やはり人並み以上に今の恰好は恥ずかしかった。
「まあ、見られてるかどうかでいえば、確実に見られてるだろ、今のあたしらは」
「・・・へ?」
葉月が素っ頓狂な声をあげた。
「この大会の運営側のことだ・・・大会参加者の動向くらいは常に把握しておこうとするだろう。つまり、あちこちに盗撮用の器材なんかが仕込んであってもおかしくはないわけで」
「ちょ、ちょっと待ってくださいっす、先輩!」
葉月が切羽詰まった声を出す。これからの「お散歩」を考えれば、当然の反応かもしれないが。
「そんな・・・誰かが見てるような場所で、あたしはノーパンで出歩かなきゃいけないんすか!?」
葉月に詰め寄られるが、紗耶香は涼しげな顔で、
「あのなあ、お前が昨晩三好とかいう女とマッパで寝たのだって記録されてる可能性はあるだろ?大会運営側としては、「戦闘行為」だけでなく「性行為」も観察対象にしてるはずだからな。つまり、お前がその女を犯したときだって、「見られてた」わけで、今更恥ずかしがってもどうにもならんだろう」
まあ、それはあたしだっておなじだけどさ・・・と、この後付け加える紗耶香。彼女も、昨日一人獲物を狩っているのだから、おそらくその様子も大会運営側に「観察」されているだろう。
「この島はレイプあり首チョンパアリの何でもありで、唯一モラルだけがない・・・それは、この大会を運営してるエロじじいどもにも言えるってことだろ」
「・・・まあ、それはそうかもしれないっすが・・・」
葉月はいまだに目を泳がせながら、周囲を見回している。
「というわけで、つべこべ言わず行くぞ、ワンコ」
「わ、ワンコ!?」
どうやら、自分は完全に紗耶香のペット扱いのようだった。葉月はその顔に諦観にも等しい表情を浮かべながら、
「わかりましたっす・・・ここでこうしていても始まらない以上は、さっさとお散歩行って終わらせるだけっす」
諦観・・・というよりも今度は開き直りに近い感じで葉月が玄関の外へと足を踏み出そうとする・・・が。
「待て、ワンコ」
「んがっ!」
一人先に行こうとした葉月の首輪のリールが思い切り引き寄せられ、葉月が転倒しそうになった。
「な、何すか、先輩・・・!?」
「お前、あたしの飼い犬だよな・・・」
「・・・はい、そうっすが・・・?」
なぜこんなことを今更確認してくるんだと言わんばかりに、首をかしげる葉月。そんな彼女に対し、紗耶香は冷淡に要求した。
「なら四つ足が基本だろ・・・なぜ二本足で立っている?」
「・・・へ?」
聞き間違いだろうか・・・まさか、先輩は・・・?
「今すぐ四つ足になれ、ワンコ、ほら、早く!!」
「・・・え、え、ええええ!?」
葉月の悲鳴にも近い絶叫が玄関に響いた。
「そんな殺生な・・・先輩、いくら何でもノーパンで四つ足、しかも、首輪付きって・・・あんまりじゃないっすか!?」
さすがの葉月もこの時ばかりは紗耶香に喰ってかかった。パンツを履いていないのに四足歩行なんて、明らかにもろ見え状態ではないか。
冗談ではない。自分にも人並み以上の矜持や羞恥心はある。
ここまで犬と同じ扱いをされたのではたまったものではなかった。
だがー。
「うるさい!」
「ふがっ!」
そんな葉月を一喝し、その形のいい鼻を思いっきり摘まみ上げる紗耶香。
「先輩、なにするんすか・・・?」
鼻を摘ままれて、まるで金魚みたいに口をパクパクさせ、涙目になりながら、葉月が抗議するが、紗耶香は摘まんだ鼻をひねったりして明らかに遊んでいるようだった。
「やれ・・・と言っている。やるかやらないかではない。そもそも、お前に拒否権はない」
「うう・・・」
そんな、あたしの人生始まって以来の屈辱だー。
昨日の戦いでダメージを受けた時以上の屈辱、しかし、紗耶香には逆らえないという劣等感が入り混じった中で、葉月は結局は紗耶香の命令に従うしかなかった。
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