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咲那と鏡香(第17話)
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空の旅は退屈だー。
その言葉通りなのか、あっさりと眠りについてしまった咲那ー。
そして、鏡香は、そんな彼女を愛おし気に見守っていたー。
「だいぶお疲れのようでしたね、咲那さん・・・ゆっくり休んでくださいね」
座席でかすかな寝息を立てる咲那を見やってから、今度は窓の外へと目を向ける鏡香。
「それにしても・・・天空世界は大樹と比べて害蟲の被害は少ないと聞いておりましたが・・・」
先ほど、あの浮遊小島の飛空船発着場に出現した害蟲のこともあり、もしかしたら害蟲の被害は大樹だけでなく天空世界でも拡大しているのではないかーと危惧する。
「もちろん、天空世界にも優秀な害蟲駆除チームはありますし、そちらの方に任せておくべきなのでしょうが・・・」
しかし、実際に自分の目の前で害蟲の存在を目の当たりにすれば、やはり気にせずにはいられなかった。さすがに、亜人種型ほどの脅威となる存在はほとんどいないようだが・・・。
「・・・咲那さんにも言われましたが、私は抱え込みすぎなんでしょうか・・・?」
安らかな寝息を立てている咲那の顔を見ながら、鏡香は軽くため息をついた。自分では、これが当たり前だと思っている分、本人が気が付かない負担もあるのかもしれない。
「・・・モリガンちゃんの無事を確認したら、奏多君と一緒に少し休暇でも取った方がいいのかもしれませんね」
それにしても、モリガンは今頃どうしているのだろうか。彼女のことだから、ちょっとやそっとのことでは大事には至らないとは思っているが、こうも連絡を取れないとあれば、やはり心配になってくる。まだ未成年で、このチームでは最年少だし、何より彼女の母エレオノーラから愛娘のことを託されているということもあり、責任は重大である。
モリガンのことだけではない。あの惑星Σ-11で、いったい何が起きているというのか。古巣である悠久王国の連中ばかりか、冥府まで出張ってくるとは、ただ事ではないだろう。
悠久王国のことはある程度把握している。あそこを離れた後でも、奏多と一緒に独自に情報を集めていたからだ。だが、冥府に関しては一切の情報はない。元々、冥府は「死者の世界」である。生者がおいそれと関われるようなものでも無いのだ。
それこそ、冥府に近い存在は、あのヴァルキリーということになる。要は、死者に対抗できるのは、その邪気を祓うことができる神族のみー彼らの神気だけが、冥府の連中に引導を渡すことができるのだ。厳密に言えば、生者でも全く対抗手段がないというわけでもないが、それは非常に限られているのが事実なのである。
「これから、いったい何が起きようとしているのでしょうか・・・?」
これから先のことに不安を感じながら、鏡香は独り言ちたー。
その言葉通りなのか、あっさりと眠りについてしまった咲那ー。
そして、鏡香は、そんな彼女を愛おし気に見守っていたー。
「だいぶお疲れのようでしたね、咲那さん・・・ゆっくり休んでくださいね」
座席でかすかな寝息を立てる咲那を見やってから、今度は窓の外へと目を向ける鏡香。
「それにしても・・・天空世界は大樹と比べて害蟲の被害は少ないと聞いておりましたが・・・」
先ほど、あの浮遊小島の飛空船発着場に出現した害蟲のこともあり、もしかしたら害蟲の被害は大樹だけでなく天空世界でも拡大しているのではないかーと危惧する。
「もちろん、天空世界にも優秀な害蟲駆除チームはありますし、そちらの方に任せておくべきなのでしょうが・・・」
しかし、実際に自分の目の前で害蟲の存在を目の当たりにすれば、やはり気にせずにはいられなかった。さすがに、亜人種型ほどの脅威となる存在はほとんどいないようだが・・・。
「・・・咲那さんにも言われましたが、私は抱え込みすぎなんでしょうか・・・?」
安らかな寝息を立てている咲那の顔を見ながら、鏡香は軽くため息をついた。自分では、これが当たり前だと思っている分、本人が気が付かない負担もあるのかもしれない。
「・・・モリガンちゃんの無事を確認したら、奏多君と一緒に少し休暇でも取った方がいいのかもしれませんね」
それにしても、モリガンは今頃どうしているのだろうか。彼女のことだから、ちょっとやそっとのことでは大事には至らないとは思っているが、こうも連絡を取れないとあれば、やはり心配になってくる。まだ未成年で、このチームでは最年少だし、何より彼女の母エレオノーラから愛娘のことを託されているということもあり、責任は重大である。
モリガンのことだけではない。あの惑星Σ-11で、いったい何が起きているというのか。古巣である悠久王国の連中ばかりか、冥府まで出張ってくるとは、ただ事ではないだろう。
悠久王国のことはある程度把握している。あそこを離れた後でも、奏多と一緒に独自に情報を集めていたからだ。だが、冥府に関しては一切の情報はない。元々、冥府は「死者の世界」である。生者がおいそれと関われるようなものでも無いのだ。
それこそ、冥府に近い存在は、あのヴァルキリーということになる。要は、死者に対抗できるのは、その邪気を祓うことができる神族のみー彼らの神気だけが、冥府の連中に引導を渡すことができるのだ。厳密に言えば、生者でも全く対抗手段がないというわけでもないが、それは非常に限られているのが事実なのである。
「これから、いったい何が起きようとしているのでしょうか・・・?」
これから先のことに不安を感じながら、鏡香は独り言ちたー。
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