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咲那と鏡香(第14話)
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「あなたがいるからこそ、江紀さんは安心して戦うことができるんですよ」
穏やかな笑みを浮かべながら、咲那に静かに告げる鏡香ー。
そんな鏡香を、少しの驚愕とどこか寂寥感がないまぜになったような複雑な表情を浮かべながら、咲那は見つめ返した。
「・・・そうだと、いいけどな」
「そうですよ。私も江紀さんとお話しするとき、いつも咲那さんのことばかり話していましたよ、彼」
チームメンバーのメンタルケアを行うのは、双子の弟である奏多よりも鏡香の方が多かった。メンタルケアと言っても、さほど専門的なものではなく、チームメンバーの日常での悩み事などを聞いてあげるくらいのものではあったが、それでも鏡香の存在がチームメンバーたちにとってどれだけ救いとなっているかは想像するに難くない。
江紀とは、主に自身の妹である早苗のことや咲那のことで話が盛り上がった。まだ14歳の妹のことを心配するのはもちろん、咲那のことも彼なりに色々と気にかけていた。
ただ・・・江紀はどうも咲那のことを早苗に近い存在として見ているらしく、異性として意識しているというよりは年の近い妹くらいの感覚であったのだが。
そうなると、咲那が言う通り、彼女を「相棒」として扱っているのかも怪しいところではあるが、ただ言えることがあるとすればー。
「咲那さんが隣にいるから、彼は全力を出せるんですよ・・・だから、そう自分を卑下しないでください、咲那さん」
これは間違いではない。実際に、咲那がいるからこそ、彼は目の前の戦いに全力を出せるのだ。
咲那は、鏡香の言葉に耳を傾けつつ、
「・・・そのうち、絶対にあいつの隣に立てるようにしてやるさ、今まで以上にな」
ニカっと白い歯を見せて笑いながら、咲那は応えた。
「もうすでに、あなたは江紀さんの隣に立っていますよ」
これはお世辞でもなく、既に咲那の実力は、彼女自身が思っている以上のものになっているのだ。既に江紀の隣に並んでいるといっても差し支えないレベルのはずだー。
穏やかな笑みを浮かべながら、咲那に静かに告げる鏡香ー。
そんな鏡香を、少しの驚愕とどこか寂寥感がないまぜになったような複雑な表情を浮かべながら、咲那は見つめ返した。
「・・・そうだと、いいけどな」
「そうですよ。私も江紀さんとお話しするとき、いつも咲那さんのことばかり話していましたよ、彼」
チームメンバーのメンタルケアを行うのは、双子の弟である奏多よりも鏡香の方が多かった。メンタルケアと言っても、さほど専門的なものではなく、チームメンバーの日常での悩み事などを聞いてあげるくらいのものではあったが、それでも鏡香の存在がチームメンバーたちにとってどれだけ救いとなっているかは想像するに難くない。
江紀とは、主に自身の妹である早苗のことや咲那のことで話が盛り上がった。まだ14歳の妹のことを心配するのはもちろん、咲那のことも彼なりに色々と気にかけていた。
ただ・・・江紀はどうも咲那のことを早苗に近い存在として見ているらしく、異性として意識しているというよりは年の近い妹くらいの感覚であったのだが。
そうなると、咲那が言う通り、彼女を「相棒」として扱っているのかも怪しいところではあるが、ただ言えることがあるとすればー。
「咲那さんが隣にいるから、彼は全力を出せるんですよ・・・だから、そう自分を卑下しないでください、咲那さん」
これは間違いではない。実際に、咲那がいるからこそ、彼は目の前の戦いに全力を出せるのだ。
咲那は、鏡香の言葉に耳を傾けつつ、
「・・・そのうち、絶対にあいつの隣に立てるようにしてやるさ、今まで以上にな」
ニカっと白い歯を見せて笑いながら、咲那は応えた。
「もうすでに、あなたは江紀さんの隣に立っていますよ」
これはお世辞でもなく、既に咲那の実力は、彼女自身が思っている以上のものになっているのだ。既に江紀の隣に並んでいるといっても差し支えないレベルのはずだー。
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