テキトーすぎな《ユグドラシル》の皆さん

ミケとポン太

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続・モリガン一人旅(第28話)

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 メリル、アメリアと名乗る二人の女性と別れたアサギー。

 しばらくして、アサギは「しまった」という顔をした。

「あのお二人に、あやつらの姿を見なかったか尋ねておけばよかったか・・・」

 アサギが楓のアトリエを後にしてから森を出るまで、ついにモリガンと楓の姿を見つけることはできなかった。

「あやつらめ・・・それにしても、どこへと姿をくらましたのか」

 アサギが少し目を離した隙に姿を消しているので、そう遠くヘは行っていないと思ったのだが・・・。

「・・・まあ、見つからぬものは仕方がない・・・今は、あの飛空鎧が牽引された場所を見つけないとな。一旦、紫の牙ズーツァオリャまで戻るか」

 自身の飛空鎧に乗り、町を目指した方が早いだろう。町を見つけたら、付近に紫の牙ズーツァオリャを隠して飛空鎧の牽引場所を捜索することにした。

ーー

「くっくっく・・・」

 町へと向かうアサギを見送った後、その場にメリルとアメリアだけが残されたわけだがー。

「あっはっはー」

 メリルが、腰に手を当て豊かな胸を反らしながら、得意げに笑い出した。その隣で、緊張の糸が切れたかのように、その場に腰を下ろすアメリアの姿があったー。

「これぞ、我が変装魔法じゃ!!見たか、楓よ!!」

 ローブ姿にとんがり帽子という典型的な魔女姿のメリルーもといモリガンが、誇らしげに隣のアメリアーではなく桐ケ谷楓を振り返った。

「お前な・・・こっちは冷や汗もんだぞ・・・マジばれなくて助かったけどさ・・・」

 対する楓の今の姿は、薄紫の髪の毛をアップにしてポニーテールに束ねた女性研究員みたいな恰好をしている。

「それにしても、モリガン、お前・・・普通の言葉使いもできるんだな。普段通りの喋り方だったら、絶対怪しまれてただろ」

「そこは心得ておるわい!・・・まあ、今回は我が母エレオノーラの口調をまねたんじゃがな」

 エレオノーラの名を聞いて、楓も納得したという表情で頷く。

「確かに、エレオノーラさんだったらあんな感じだよな・・・」

 楓も、モリガンの母であるエレオノーラとは面識がある。そう何度も顔を会わせたわけではないが、あの物腰やわからな喋り方や態度はとても印象に残っていた。

「ただ・・・モリガン、お前な」

 楓は、ふと現在の姿のモリガンのー特に胸の辺りーを見つめて、

「お前さん、いくら何でも盛りすぎじゃね?」

 楓の指摘通り、現在のモリガンの姿は、一言で言って「ナイスバディ」である・・・つまりは、出るところはやたらと出ており、くびれているところはくびれているというわけだ。特に、胸と尻は、ローブ姿であってもその存在をはっきりと主張しており、明らかに異性の目を釘付けにすること間違いないしである。

「何を言うか、楓」

 モリガンは、軽くウィンクし、唇の端をいささか釣り上げながら、

「これが10年後のわしの姿じゃよ」

 自信満々にそう告げたのであったー。
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