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続・モリガン一人旅(第24話)
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ガレスだけでなく、アサギからも逃れるー。
アサギは、まだ楓のアトリエの残骸を調べるのに気を取られていて、こちらの動きには関心がないようだった。
「いずれ、あやつにカイトのことがばれるかもしれんからのう・・・ここらで身を隠す必要がある」
「お前の変装魔法とやらか・・・見たことはないけど」
楓は、モリガンとの付き合いはそんなに長い方ではないが、それでも彼女の魔法は結構見てきたつもりだった。だが、その中には変装を行うものはなかったと記憶している。
「まあ、わしにかかれば不可能はない・・・安心せい、楓」
「・・・私は、どちらかというと人ごみの方が気がかりなんだけどな・・・まあ、それは我慢するとして、ホルルにも使うのか?」
「ホーホウ」
楓は自分の肩に止まっている魔法フクロウに目を向けた。フクロウらしく、人間では絶対に曲げられない角度に首を動かしている。
「・・・まあ、ホルルの場合はいらんとは思うが・・・気になるならかけてやってもよいぞ」
「私にも魔法をかけてくださるのですか、モリガン様」
「お主が良ければじゃがな」
「ホーホウ」
ホルルは、なんだか楽し気に目を細めた。
「さて・・・そろそろ、この場から離れるとするかのう・・・位相操作は・・・ガレスのやつめに感づかれる可能性があるから使えん・・・この森から出るまでは、透明化の魔法で透明人間になるとするか」
「透明人間か・・・」
楓が、面白そうに口角を釣り上げながら、
「ガキの頃に、透明人間のことを扱った本を読んだことがあるなぁ、懐かしい。いたずら好きなお前さんには欠かすことのできない魔法ってわけか」
「・・・いたずら好きは余計じゃ!・・・じゃが、確かにわしの好きな魔法の一つではある」
モリガンは、軽くウィンクをして、
「では、そろそろ森を出るとするかのう・・・準備はいいか、お主ら?」
モリガンの問いかけに、楓とホルルが頷いた。
「では行くか・・・」
モリガンは、静かに魔力の波長を変え始めたー。
ーー
アサギは、そんなモリガン達の様子にまだ気が付いておらず、自身が破壊した家屋の状態を確認していた。
・・・尤も、確認するとは言っても、完全に全壊の状態であり、はっきり言えば、一から作り直した方が早いの一言に尽きるのだが。
「・・・これは・・・私一人の手ではとても賠償は・・・」
かといって、同じチームメンバーに対し、自分がしでかしたことの後始末の協力をお願いするというのも気がひける。
「・・・私の悪い癖だな。ついかっとなると、後先のことを考えずにやってしまう・・・」
盛大にため息をつき、改めて自分がやってしまったことを確認する。そして、
「家主殿、少しお話を・・・よろしいか?」
アサギは、さっきまで楓とモリガンがいた場所へと顔を向けるが、そこには・・・。
既に誰の姿もなかったー。
アサギは、まだ楓のアトリエの残骸を調べるのに気を取られていて、こちらの動きには関心がないようだった。
「いずれ、あやつにカイトのことがばれるかもしれんからのう・・・ここらで身を隠す必要がある」
「お前の変装魔法とやらか・・・見たことはないけど」
楓は、モリガンとの付き合いはそんなに長い方ではないが、それでも彼女の魔法は結構見てきたつもりだった。だが、その中には変装を行うものはなかったと記憶している。
「まあ、わしにかかれば不可能はない・・・安心せい、楓」
「・・・私は、どちらかというと人ごみの方が気がかりなんだけどな・・・まあ、それは我慢するとして、ホルルにも使うのか?」
「ホーホウ」
楓は自分の肩に止まっている魔法フクロウに目を向けた。フクロウらしく、人間では絶対に曲げられない角度に首を動かしている。
「・・・まあ、ホルルの場合はいらんとは思うが・・・気になるならかけてやってもよいぞ」
「私にも魔法をかけてくださるのですか、モリガン様」
「お主が良ければじゃがな」
「ホーホウ」
ホルルは、なんだか楽し気に目を細めた。
「さて・・・そろそろ、この場から離れるとするかのう・・・位相操作は・・・ガレスのやつめに感づかれる可能性があるから使えん・・・この森から出るまでは、透明化の魔法で透明人間になるとするか」
「透明人間か・・・」
楓が、面白そうに口角を釣り上げながら、
「ガキの頃に、透明人間のことを扱った本を読んだことがあるなぁ、懐かしい。いたずら好きなお前さんには欠かすことのできない魔法ってわけか」
「・・・いたずら好きは余計じゃ!・・・じゃが、確かにわしの好きな魔法の一つではある」
モリガンは、軽くウィンクをして、
「では、そろそろ森を出るとするかのう・・・準備はいいか、お主ら?」
モリガンの問いかけに、楓とホルルが頷いた。
「では行くか・・・」
モリガンは、静かに魔力の波長を変え始めたー。
ーー
アサギは、そんなモリガン達の様子にまだ気が付いておらず、自身が破壊した家屋の状態を確認していた。
・・・尤も、確認するとは言っても、完全に全壊の状態であり、はっきり言えば、一から作り直した方が早いの一言に尽きるのだが。
「・・・これは・・・私一人の手ではとても賠償は・・・」
かといって、同じチームメンバーに対し、自分がしでかしたことの後始末の協力をお願いするというのも気がひける。
「・・・私の悪い癖だな。ついかっとなると、後先のことを考えずにやってしまう・・・」
盛大にため息をつき、改めて自分がやってしまったことを確認する。そして、
「家主殿、少しお話を・・・よろしいか?」
アサギは、さっきまで楓とモリガンがいた場所へと顔を向けるが、そこには・・・。
既に誰の姿もなかったー。
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