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続・モリガン一人旅(第10話)
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「なんじゃ・・・こやつらは!?」
突然、モリガンが驚愕の声を上げるー。
「どうしたんだよ、モリガン。何があった?」
先ほどまでの余裕はどこへやらー突然焦り出したモリガンに問いかける楓。
「・・・正体不明の連中が、位相をずらされた空間の中に紛れ込んできておる。どういうことじゃ、わし以外に、位相操作をできる者がおるということか」
今、アサギがいる位相空間内に侵入者ありー。
モリガンのその一言に、楓も緊張の色を隠すことができないでいた。
「お、おい、お前の位相操作って、他人からは干渉できんのだろ?」
モリガンは、しばし顎に手を当てて思案顔となる。
「位相を操作する魔法というのは、それ自体が高度じゃからのう・・・そうそう、誰もができるというわけではないんじゃよ」
だからこそ、モリガンはアサギを位相空間へと誘い込み、何とかこの場をごまかそうとしたのだ。しかしー。
「もちろん、他に使い手が全くいないというわけではないのじゃが・・・それでもこんな魔法を使える奴と会える確率は、途方もなく低いはずじゃぞ」
さらに言えば、仮に位相操作を行えるものが他にいたとしても、位相変化の割合を全く同じにしなければ、同じ位相空間に入り込むということは不可能な話だ。
「・・・考えられるとすれば・・・」
何かを言いかけたモリガンだったが、使い魔からの映像に目を奪われ、話を中断する。その中では、アサギと他の侵入者がちょうど向き合っていたのだ。
「・・・あやつらは・・・」
モリガンがその内容を注視したー。
ーー
「何者だ、貴様たちは!?」
アサギは、書斎に入り込んできた正体不明の輩に対し、鋭い眼差しを向けた。
「これはこれは・・・強い魔力の波動に導かれてここまで来たのですが、まさかこんなお嬢さんに出くわすなんて夢にも思いませんでしたよ」
慇懃無礼という言葉がまさに当てはまるかのような男ー。単眼鏡をかけたインテリ風の優男だった。その他にも、何人か背後にいるようだが、先頭の男以外は全員仮面とローブを身に着けており、その容貌をうかがい知ることはできない。
「これは・・・さっそく来栖様にご報告した方がよさそうですね・・・」
男は、口調だけは丁寧ながらも、明らかにアサギのことを見下すかのような態度をとっていた。
「・・・何者だと聞いているのだが」
アサギは、刀に手をかけながら、慎重に男たちに問いかける。この狭い書斎の中では、刀を振るうのは至難の業だが、威嚇にはなるだろう。
「・・・相手に名を尋ねる前に、まずは自分から・・・などと、古臭い礼儀など説くつもりはありませんがね・・・まあいいでしょう」
男は、その余裕ぶった態度のまま、恭しく頭を下げたーだが、それがわざとらしく、さらには相手を下に見ているということも見え見えで、さらにアサギの不快感を増していく。
「あなたも名くらいは聞いたことはあるでしょう・・・我らは不死者の王国を築くもの」
男は、垂れていた首を上げ、不気味な笑みを浮かべたまま名乗った。
「悠久王国が一人、ガレスと申します」
突然、モリガンが驚愕の声を上げるー。
「どうしたんだよ、モリガン。何があった?」
先ほどまでの余裕はどこへやらー突然焦り出したモリガンに問いかける楓。
「・・・正体不明の連中が、位相をずらされた空間の中に紛れ込んできておる。どういうことじゃ、わし以外に、位相操作をできる者がおるということか」
今、アサギがいる位相空間内に侵入者ありー。
モリガンのその一言に、楓も緊張の色を隠すことができないでいた。
「お、おい、お前の位相操作って、他人からは干渉できんのだろ?」
モリガンは、しばし顎に手を当てて思案顔となる。
「位相を操作する魔法というのは、それ自体が高度じゃからのう・・・そうそう、誰もができるというわけではないんじゃよ」
だからこそ、モリガンはアサギを位相空間へと誘い込み、何とかこの場をごまかそうとしたのだ。しかしー。
「もちろん、他に使い手が全くいないというわけではないのじゃが・・・それでもこんな魔法を使える奴と会える確率は、途方もなく低いはずじゃぞ」
さらに言えば、仮に位相操作を行えるものが他にいたとしても、位相変化の割合を全く同じにしなければ、同じ位相空間に入り込むということは不可能な話だ。
「・・・考えられるとすれば・・・」
何かを言いかけたモリガンだったが、使い魔からの映像に目を奪われ、話を中断する。その中では、アサギと他の侵入者がちょうど向き合っていたのだ。
「・・・あやつらは・・・」
モリガンがその内容を注視したー。
ーー
「何者だ、貴様たちは!?」
アサギは、書斎に入り込んできた正体不明の輩に対し、鋭い眼差しを向けた。
「これはこれは・・・強い魔力の波動に導かれてここまで来たのですが、まさかこんなお嬢さんに出くわすなんて夢にも思いませんでしたよ」
慇懃無礼という言葉がまさに当てはまるかのような男ー。単眼鏡をかけたインテリ風の優男だった。その他にも、何人か背後にいるようだが、先頭の男以外は全員仮面とローブを身に着けており、その容貌をうかがい知ることはできない。
「これは・・・さっそく来栖様にご報告した方がよさそうですね・・・」
男は、口調だけは丁寧ながらも、明らかにアサギのことを見下すかのような態度をとっていた。
「・・・何者だと聞いているのだが」
アサギは、刀に手をかけながら、慎重に男たちに問いかける。この狭い書斎の中では、刀を振るうのは至難の業だが、威嚇にはなるだろう。
「・・・相手に名を尋ねる前に、まずは自分から・・・などと、古臭い礼儀など説くつもりはありませんがね・・・まあいいでしょう」
男は、その余裕ぶった態度のまま、恭しく頭を下げたーだが、それがわざとらしく、さらには相手を下に見ているということも見え見えで、さらにアサギの不快感を増していく。
「あなたも名くらいは聞いたことはあるでしょう・・・我らは不死者の王国を築くもの」
男は、垂れていた首を上げ、不気味な笑みを浮かべたまま名乗った。
「悠久王国が一人、ガレスと申します」
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