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続・モリガン一人旅(第6話)
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「ここか・・・」
森の中ーアサギは、かすかながらに残された魔力の痕跡をたどり、ようやくこの一軒家にたどり着いた。
「明かりは・・・消してあるのか?」
この一軒家から漏れる明かりはない。もう家主も就寝しているのだろうか。あるいは、そもそも人が最初から住んでいないのか。
「魔力の痕跡は、間違いなくこの家の中に続いている・・・多分、空き家になってそう間がないところに、あの飛空鎧の乗り手が逃げ込んだのだろう・・・」
建物自体は、比較的綺麗で、ついこの間まで人が住んでいたのではないかと思われるふしもある・・・となれば、おそらくこの飛空鎧の乗り手は、無人のこの家を見つけて、中に逃げ込んだのではないだろうか。
「・・・個人的には恨みもない相手だが、私相手にあそこまで食い下がったやつだ・・・顔を拝んでやらねば気が済まない」
アサギは、家の壁に背中をつけながら、縁側へと移動し、中を覗き込む。
やはり、誰もいないようだ。明かりも落とされており、部屋は静まり返っている・・・。
だが。
「魔力の痕跡は、やはり中へと続いている・・・頭隠して何とやらだな」
アサギが不敵な笑みを浮かべ、魔力の痕跡に導かれるままに、縁側から部屋へと忍び込んだ。
「もはや袋のネズミ・・・逃げ場はないぞ」
魔力の痕跡が一番強く残っている部屋ー書斎へと足を踏み入れた。
ーー
その頃、楓は、今起こったことに呆然としていた。
「・・・モリガン、これはいったいどういうことだ?」
確かに、あの女剣士は、このアトリエを見つけたはずだ。そして、縁側まで歩いてきて、そこでー。
「姿が消えちまったぞ、あいつ」
すぐ近くに、女剣士が現れた時には思わず悲鳴を上げそうになったが、その前に一瞬で姿を消したのだ。
「だから言ったじゃろう、大丈夫じゃって」
モリガンが得意満面の笑みを浮かべながら、楓に応える。
「これがわしの得意とする魔法じゃ・・・まあ、ネタ晴らしは後でもいいとして」
モリガンは、人差し指をぴんと立てて、口角を釣り上げながら、
「あやつは既にわしの掌の上じゃ・・・あやつが調べておるのは、このアトリエであってこのアトリエではない・・・そして、それはあやつには絶対気が付かんはずじゃ・・・まあ、今あやつがおるのは、わしらのいる場所と同じではあるのじゃが、実は違うともいえるんじゃよ」
「・・・何となく、お前が使った魔法というのが読めてきたが・・・狙いはこれか。怪しいと思う場所を調べさせて、実は何もなかったと思わせる。そうすることで、相手を諦めさせるって寸法か」
楓の推測に、モリガンは悪戯じみた笑みを返しながら、
「まあ、そういうことじゃよ、簡単に言えば」
モリガンは、ソファから起き上がると、楓の書斎に続く廊下を示す。
「あやつは今、わしがカイトのものに似せて作りだした魔力の痕跡に釣られ、書斎を調べておる・・・が、そこには」
「何もないわけか・・・ただ、痕跡だけはあったが、そこで途切れていると」
「そう言うことじゃな」
モリガンは、楓の書斎へと続くドアを開けて、中を覗き込む。
「そうら、誰もおらんじゃろ?」
そう言ってにんまりと笑うモリガンは、年相応のイタズラ好きの少女に見えたー。
森の中ーアサギは、かすかながらに残された魔力の痕跡をたどり、ようやくこの一軒家にたどり着いた。
「明かりは・・・消してあるのか?」
この一軒家から漏れる明かりはない。もう家主も就寝しているのだろうか。あるいは、そもそも人が最初から住んでいないのか。
「魔力の痕跡は、間違いなくこの家の中に続いている・・・多分、空き家になってそう間がないところに、あの飛空鎧の乗り手が逃げ込んだのだろう・・・」
建物自体は、比較的綺麗で、ついこの間まで人が住んでいたのではないかと思われるふしもある・・・となれば、おそらくこの飛空鎧の乗り手は、無人のこの家を見つけて、中に逃げ込んだのではないだろうか。
「・・・個人的には恨みもない相手だが、私相手にあそこまで食い下がったやつだ・・・顔を拝んでやらねば気が済まない」
アサギは、家の壁に背中をつけながら、縁側へと移動し、中を覗き込む。
やはり、誰もいないようだ。明かりも落とされており、部屋は静まり返っている・・・。
だが。
「魔力の痕跡は、やはり中へと続いている・・・頭隠して何とやらだな」
アサギが不敵な笑みを浮かべ、魔力の痕跡に導かれるままに、縁側から部屋へと忍び込んだ。
「もはや袋のネズミ・・・逃げ場はないぞ」
魔力の痕跡が一番強く残っている部屋ー書斎へと足を踏み入れた。
ーー
その頃、楓は、今起こったことに呆然としていた。
「・・・モリガン、これはいったいどういうことだ?」
確かに、あの女剣士は、このアトリエを見つけたはずだ。そして、縁側まで歩いてきて、そこでー。
「姿が消えちまったぞ、あいつ」
すぐ近くに、女剣士が現れた時には思わず悲鳴を上げそうになったが、その前に一瞬で姿を消したのだ。
「だから言ったじゃろう、大丈夫じゃって」
モリガンが得意満面の笑みを浮かべながら、楓に応える。
「これがわしの得意とする魔法じゃ・・・まあ、ネタ晴らしは後でもいいとして」
モリガンは、人差し指をぴんと立てて、口角を釣り上げながら、
「あやつは既にわしの掌の上じゃ・・・あやつが調べておるのは、このアトリエであってこのアトリエではない・・・そして、それはあやつには絶対気が付かんはずじゃ・・・まあ、今あやつがおるのは、わしらのいる場所と同じではあるのじゃが、実は違うともいえるんじゃよ」
「・・・何となく、お前が使った魔法というのが読めてきたが・・・狙いはこれか。怪しいと思う場所を調べさせて、実は何もなかったと思わせる。そうすることで、相手を諦めさせるって寸法か」
楓の推測に、モリガンは悪戯じみた笑みを返しながら、
「まあ、そういうことじゃよ、簡単に言えば」
モリガンは、ソファから起き上がると、楓の書斎に続く廊下を示す。
「あやつは今、わしがカイトのものに似せて作りだした魔力の痕跡に釣られ、書斎を調べておる・・・が、そこには」
「何もないわけか・・・ただ、痕跡だけはあったが、そこで途切れていると」
「そう言うことじゃな」
モリガンは、楓の書斎へと続くドアを開けて、中を覗き込む。
「そうら、誰もおらんじゃろ?」
そう言ってにんまりと笑うモリガンは、年相応のイタズラ好きの少女に見えたー。
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