テキトーすぎな《ユグドラシル》の皆さん

ミケとポン太

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我ら悠久王国なり(第6話)

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「みんな、揃ったみたいだな・・・」

 大広間に現れた面々を確認する来栖ー。

 ここに集まった者達は、悠久王国レギューム・エタールヌムの中でも選りすぐりの戦士たちだ。ただ、中にはその人格が災いして、普通の国家では正規軍にいることができない者も含まれている。

「今、司も来るはずだ。しばし待て」

 自身の主との顔合わせも久しぶりという面々も多い。もっとも、主とは言っても普通の王国のような上下関係が明確にあるというわけでもなかった。

 ーその時。

「おお、司様だ」

「今日も相変わらずお美しい」

「あれれ、司さん、今日は女バージョンなのかよ・・・」

 大広間に集まった面々が、目の前に現れた司の姿を見てそれぞれに感嘆の声を上げる。ただ、ユリウスだけは、司が男の姿で現れなかったことが不満だったらしく、多少むくれていた。その隣で、イザベラがうっとりとした表情でドレス姿の司を見つめている。

「やあ、みんな、楽にしてていいよ」

 片手を上げ、集まった面々に親し気に声をかける司。その隣に、来栖が立つ。

「君たち、今日も全員揃っているね・・・喜ばしいことだよ、本当に」

 緊急招集に応じ、全員がこの場にいることに満足する司。

「まあ、数十年ぶりだったからな・・・こうして集まるというのも」

 そんな司の姿を見て、感慨深げに呟く来栖だった。

「感動の再会・・・はこのくらいにしておこうか。そろそろ本題に入ろう、来栖、いつも通り説明をお願いするよ」

「やれやれ・・・」

 司にお願いされ、来栖はこれからのことを説明し始める。

「惑星Σ-11にて、我々が長年探し求めていた蟲生みの魔女となる可能性がある娘を発見した」

 この話は、昨日イザベラだけが司の隣で耳にしていた。

「だが、この娘は転送魔法陣により現在姿を消している・・・おそらくは、どこかへ転移されたと思われる。そこでー」

 来栖は一旦話を区切ると、全員の目の前に、惑星Σ-11とそこに内包された浮遊大陸のマップを投影した。

「この転送魔法陣を使ったと目される者をまずは捕える。そいつもおそらくは魔女だ」

 転送魔法陣を使いこなせるものはそう多くはない。かなりの魔術的センスがなければ不可能だからだ。

「おそらくは、大樹に住む魔女と思われるが、確証はない・・・まずはこの魔女を補足し、転送先を吐かせる。蟲生みを確保し、我らのものとするのだ」

 投影された浮遊大陸のマップの西側エリアに、一つ輝点がある。

「おそらく、この辺りで転送魔法陣が使用されたものだと思われる・・・なお、魔女は尋問する必要があるので、あまり痛めつけないようにして連れてくるのだー以上」

「来栖殿、たかが魔女一人であれば、我ら全員が出向かずとも、某一人でも十分なのでは?」

 武者鎧姿の大男が問いかけてきた。

「そうだな・・・たかが魔女一人ならば、お前たち全員でやる必要もない・・・が」

 武者鎧の問いかけに、来栖がしばし思案してから答えた。

「どうも、あの大陸にはそれ以外の者も多数入り込んでいるようでな・・・我らの敵も多い」

 なぜか、あの大陸には複数の勢力が入り込んでいるようだった。要は「たかが魔女一人」だけとは言えなくなって生きているのだ。

「そのようなことから、お前たちにはこの魔女の捜索の他に、他勢力が何を目的で活動しているのか、見極めてきてもらいたいというのもある」

 来栖の話の後を司が続けた。

「久しぶりに戦争ごっこができるんだ・・・楽しみだろう、君たち?」

 その言葉に、大広間に集まった全員が色めきだったー。
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