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咲那・全裸の逃避行(第13話)
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自分の置かれた現状を棚に上げて、モリガンのことを心配する咲那ー。
「あいつのことだから、大丈夫だとは思うが・・・しかし全くの音信不通というのはさすがに気がかりだな」
咲那も、モリガンの実力については一目置いている。少なくとも、そこら辺の雑魚蟲やチンピラ程度にどうこうできるようなやわな奴ではない。さすがに、咲那自身や鏡香クラスの相手ともなると太刀打ちできないだろうが、そんな相手がそうそう滅多にいるとも思えなかった。
「・・・とはいえ、あたしも空の世界のことを全て把握知っているわけではないしな・・・」
空の世界には、咲那がチーム《ユグドラシル》の一員となる前、つまりは2~3年くらい前の話となるが、一時期他のチームに用心棒として在籍していたことがあった。天元一刀流の腕前を買われてのことだった。
当時は、まだ今ほどの実力はなかったのだが、それでも空の強敵達と十分渡り合えるだけの力を持っていた。また、飛空鎧も実際に動かしたこともある。
ゆえに、今回紫の飛空鎧の話を聞いた時、少しいやな予感がしたのだ。その飛空鎧については、手出しをしてはならないーと当時のチームに在籍している時に言われたことがある。それくらい恐ろしい相手なのだと。
「・・・そんなのが関わっているとは・・・そのカイトとかいうやつも難儀だな・・・」
話によれば、カイトはそいつに仲間ーというか自分の先輩たちをやられたということらしいが、相手が相手だけに、仇を討つといっても容易なことではないだろう。
「飛空鎧同士の戦いでもそうだが、その乗り手自身も相当の使い手らしいがな」
紫の飛空鎧については、以前から東方のチームに所属しているということだけは咲那もつかんでいた。尤も、好き好んで東方の連中とことを構えるつもりなどなかったので、話程度にしか把握していないが。
「実際に、マジで戦ったらどうなるか、ちょっとやってみたい気もするけどな・・・」
相手が強ければ、こちらも挑戦のし甲斐がある。強い相手と戦うのは好きだ。
「・・・帰ったら、カイトとやらと少し話をしてみるか・・・実際の腕前も、どのレベルか試してみたいしな」
鏡香の話では、しばらくの間「日向荘」にカイトとその連れの杏里という少女が滞在するらしい。やはり、実際に会ってみてどの程度の器なのか知りたい。
「やれやれ・・・早く日向荘に帰らねえとな・・・ああ、明日が待ち遠しいぜ」
うーん、と背伸びをして、軽く体をほぐしてから、何とはなしに、幹線道路のある高台の方へと目を向ける咲那。
「・・・あれは・・・?」
その時、彼女の目に飛び込んできたものはー。
「あいつのことだから、大丈夫だとは思うが・・・しかし全くの音信不通というのはさすがに気がかりだな」
咲那も、モリガンの実力については一目置いている。少なくとも、そこら辺の雑魚蟲やチンピラ程度にどうこうできるようなやわな奴ではない。さすがに、咲那自身や鏡香クラスの相手ともなると太刀打ちできないだろうが、そんな相手がそうそう滅多にいるとも思えなかった。
「・・・とはいえ、あたしも空の世界のことを全て把握知っているわけではないしな・・・」
空の世界には、咲那がチーム《ユグドラシル》の一員となる前、つまりは2~3年くらい前の話となるが、一時期他のチームに用心棒として在籍していたことがあった。天元一刀流の腕前を買われてのことだった。
当時は、まだ今ほどの実力はなかったのだが、それでも空の強敵達と十分渡り合えるだけの力を持っていた。また、飛空鎧も実際に動かしたこともある。
ゆえに、今回紫の飛空鎧の話を聞いた時、少しいやな予感がしたのだ。その飛空鎧については、手出しをしてはならないーと当時のチームに在籍している時に言われたことがある。それくらい恐ろしい相手なのだと。
「・・・そんなのが関わっているとは・・・そのカイトとかいうやつも難儀だな・・・」
話によれば、カイトはそいつに仲間ーというか自分の先輩たちをやられたということらしいが、相手が相手だけに、仇を討つといっても容易なことではないだろう。
「飛空鎧同士の戦いでもそうだが、その乗り手自身も相当の使い手らしいがな」
紫の飛空鎧については、以前から東方のチームに所属しているということだけは咲那もつかんでいた。尤も、好き好んで東方の連中とことを構えるつもりなどなかったので、話程度にしか把握していないが。
「実際に、マジで戦ったらどうなるか、ちょっとやってみたい気もするけどな・・・」
相手が強ければ、こちらも挑戦のし甲斐がある。強い相手と戦うのは好きだ。
「・・・帰ったら、カイトとやらと少し話をしてみるか・・・実際の腕前も、どのレベルか試してみたいしな」
鏡香の話では、しばらくの間「日向荘」にカイトとその連れの杏里という少女が滞在するらしい。やはり、実際に会ってみてどの程度の器なのか知りたい。
「やれやれ・・・早く日向荘に帰らねえとな・・・ああ、明日が待ち遠しいぜ」
うーん、と背伸びをして、軽く体をほぐしてから、何とはなしに、幹線道路のある高台の方へと目を向ける咲那。
「・・・あれは・・・?」
その時、彼女の目に飛び込んできたものはー。
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