342 / 464
咲那・全裸の逃避行(第12話)
しおりを挟む
朝の腹ごしらえは、ひとまず終わったー。
川で魚を取った後、近くの森に自生している木の実をいくつか頂戴し(もちろん、食べられるものなのか事前に生体端末で検索して調べておいた)、朝食は無事に済ませることができたー。
「あとは・・・まあやることと言ってもそんなにねえんだけどな・・・」
せいぜい、昼と夜に魚を取りに行くのと、あとは焚火のための薪拾い、ついでに木の実の調達くらいしかやることはない。
全くもって、原始人とほぼ似たような生活となるー。
「まあ、それも明日の午前中までだからな・・・」
今日さえ無事に凌げれば、あとは鏡香と合流して服をゲット!その後は町へと戻り、今回の依頼の報酬を受け取りに行くことになるー。
「仕事分の稼ぎはもらわんとな・・・」
いろいろな意味で、今回の仕事は「高くついた」と言えるが・・・。
と、その時ー。
「鏡香からだ」
再び、鏡香から生体端末に連絡が来た。
「咲那さん、おはようございます」
鏡香の声だ。
「おう、こっちは何とかやってるよ」
下着代わりの物も手に入れ、さらには無事に朝食も終えたので、いささか上機嫌で応える咲那。
「その様子だと、大丈夫そうですね」
そんな咲那の声色から彼女の状態を察したのか、くすくすと笑いながら返事をする鏡香であった。
「こちらも、特に問題なくそちらに向かえると思います・・・明日の午前中の早い時間帯には行けると思いますので、それまでどうか頑張ってくださいね、咲那さん」
「おう、助かるぜ。わりいな鏡香。遠いところまで」
「いえいえ、これくらいお安い御用ですよ」
その後も、二人の会話は続いた。他愛もない話題で盛り上がっていた二人だったが、ふと咲那がモリガンのことが気になったので、
「そういや、まだモリガンのやつとは連絡が取れねえんだよな・・・そっちもだろ?」
「ええ、私も・・・モリガンちゃんと話したいとは思っているのですが、本人と連絡がつかない状況ですね」
どうやら、まだ鏡香とも音信不通の状態のようだ。
「・・・モリガンのやつのことだから、よほどのことがない限りは大丈夫だとは思うが・・・」
「私もそう思いますけど、ただ、彼女もまだ未成年ですし、やはり心配ではありますね」
何か、不測の事態に陥っているのだろうか・・・。
「まあ、明日お前と合流したら、一緒に探しに行くとしようぜ。確か、惑星Σ-11の浮遊大陸だったか?」
「そうですね、そこで友人に会いに行くと言って・・・」
それからのモリガンのことは、鏡香から聞いている。紫の飛空鎧の追跡から逃がすべく、カイト、杏里の二人を転送魔法陣で転移させたとのことだった。
ただ、そこからなぜか、モリガンと音信不通になっている。
「まさかとは思うが、その紫のやつと何かあったりしてねえよな・・・」
「・・・それはない、と思いたいところですが・・・」
可能性としては、あるー。
「まあいいや、とにかく、明日合流しよう。話はそれからだ」
「そうですね。すぐにそちらに着けると思いますので」
ここで会話を終える。
モリガンのやつ、本当に大丈夫か・・・?
自分の置かれた状況をそこそこ棚に上げて、未だ音信不通のモリガンを心配する咲那であったー。
川で魚を取った後、近くの森に自生している木の実をいくつか頂戴し(もちろん、食べられるものなのか事前に生体端末で検索して調べておいた)、朝食は無事に済ませることができたー。
「あとは・・・まあやることと言ってもそんなにねえんだけどな・・・」
せいぜい、昼と夜に魚を取りに行くのと、あとは焚火のための薪拾い、ついでに木の実の調達くらいしかやることはない。
全くもって、原始人とほぼ似たような生活となるー。
「まあ、それも明日の午前中までだからな・・・」
今日さえ無事に凌げれば、あとは鏡香と合流して服をゲット!その後は町へと戻り、今回の依頼の報酬を受け取りに行くことになるー。
「仕事分の稼ぎはもらわんとな・・・」
いろいろな意味で、今回の仕事は「高くついた」と言えるが・・・。
と、その時ー。
「鏡香からだ」
再び、鏡香から生体端末に連絡が来た。
「咲那さん、おはようございます」
鏡香の声だ。
「おう、こっちは何とかやってるよ」
下着代わりの物も手に入れ、さらには無事に朝食も終えたので、いささか上機嫌で応える咲那。
「その様子だと、大丈夫そうですね」
そんな咲那の声色から彼女の状態を察したのか、くすくすと笑いながら返事をする鏡香であった。
「こちらも、特に問題なくそちらに向かえると思います・・・明日の午前中の早い時間帯には行けると思いますので、それまでどうか頑張ってくださいね、咲那さん」
「おう、助かるぜ。わりいな鏡香。遠いところまで」
「いえいえ、これくらいお安い御用ですよ」
その後も、二人の会話は続いた。他愛もない話題で盛り上がっていた二人だったが、ふと咲那がモリガンのことが気になったので、
「そういや、まだモリガンのやつとは連絡が取れねえんだよな・・・そっちもだろ?」
「ええ、私も・・・モリガンちゃんと話したいとは思っているのですが、本人と連絡がつかない状況ですね」
どうやら、まだ鏡香とも音信不通の状態のようだ。
「・・・モリガンのやつのことだから、よほどのことがない限りは大丈夫だとは思うが・・・」
「私もそう思いますけど、ただ、彼女もまだ未成年ですし、やはり心配ではありますね」
何か、不測の事態に陥っているのだろうか・・・。
「まあ、明日お前と合流したら、一緒に探しに行くとしようぜ。確か、惑星Σ-11の浮遊大陸だったか?」
「そうですね、そこで友人に会いに行くと言って・・・」
それからのモリガンのことは、鏡香から聞いている。紫の飛空鎧の追跡から逃がすべく、カイト、杏里の二人を転送魔法陣で転移させたとのことだった。
ただ、そこからなぜか、モリガンと音信不通になっている。
「まさかとは思うが、その紫のやつと何かあったりしてねえよな・・・」
「・・・それはない、と思いたいところですが・・・」
可能性としては、あるー。
「まあいいや、とにかく、明日合流しよう。話はそれからだ」
「そうですね。すぐにそちらに着けると思いますので」
ここで会話を終える。
モリガンのやつ、本当に大丈夫か・・・?
自分の置かれた状況をそこそこ棚に上げて、未だ音信不通のモリガンを心配する咲那であったー。
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説


喜んで地獄に行ったら、閻魔様に試供品にされました。〜異世界で森の中でサバイバル!?〜
NiE
ファンタジー
アラサー引きこもりニートが親不孝にも日頃の不摂生が祟り死亡。そりゃー地獄行きだろと思いながら、喜んで閻魔様の法廷に立つも地獄も人材不足、ブラック企業の役員も真っ青な激務で、すわっ!ストライキ!という瀬戸際だった。手間ばかりかかる魂に拘っている暇など無い!ということで、お手軽簡単に魂の整理をしようと、低位の世界に魂の大バーゲンセールを行なうことにした。「篁くん、この魂あそこの神に試供ひ・・・、下賜しとしてー。」かくして、四十九日も過ぎぬうちに異世界へGo!と相成りました。
いやいや・・・。やっと人生終わったのに、なんでまたすぐ生まれなきゃなんないのよ!異世界?魔法?そんなんどうでも・・・。え?義務はない?“お試し”で転生するだけでいい?特典もくれるの!?「・・・・。っ!!!森でサバイバルからなんて聞いてなーーーーーいっ!!!!」
※この作品はフィクションです。 実在の人物や団体などとは関係ありません。事柄や方法なども実際には則してないことがあります。
「作者のメンタルは豆腐です。応援よろしくお願いします。」
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
スーパー忍者・タカシの大冒険
Selfish
ファンタジー
時は現代。ある日、タカシはいつものように学校から帰る途中、目に見えない奇妙な光に包まれた。そして、彼の手の中に一通の封筒が現れる。それは、赤い文字で「スーパー忍者・タカシ様へ」と書かれたものだった。タカシはその手紙を開けると、そこに書かれた内容はこうだった。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

最強令嬢とは、1%のひらめきと99%の努力である
megane-san
ファンタジー
私クロエは、生まれてすぐに傷を負った母に抱かれてブラウン辺境伯城に転移しましたが、母はそのまま亡くなり、辺境伯夫妻の養子として育てていただきました。3歳になる頃には闇と光魔法を発現し、さらに暗黒魔法と膨大な魔力まで持っている事が分かりました。そしてなんと私、前世の記憶まで思い出し、前世の知識で辺境伯領はかなり大儲けしてしまいました。私の力は陰謀を企てる者達に狙われましたが、必〇仕事人バリの方々のおかげで悪者は一層され、無事に修行を共にした兄弟子と婚姻することが出来ました。……が、なんと私、魔王に任命されてしまい……。そんな波乱万丈に日々を送る私のお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる