337 / 464
咲那・全裸の逃避行(第7話)
しおりを挟む
「はあぁぁぁ~、生き返るわ・・・」
魔法剣エクセリオンの炎で焚火を起こし、その火に当たる咲那ー。
すると、そこにー。
「お」
咲那の生体端末に連絡が来たようだ。和泉鏡香からだった。
「おう、鏡香か」
「咲那さん、大丈夫ですか」
どうやら、咲那のことが心配で連絡を寄こしたらしい。
いくら強い咲那とは言え、全裸でしかも女性一人となると、さすがに心配するのも当然である。
ーもっとも、あたしに襲い掛かろうなんて不届きな輩がいたら、問答無用で斬るけどなー。
ふっと、口角を上げて、そんなことを考えながら、鏡香に心配は要らないと返答する。
「まあ、確かにマッパでいろいろ不便だが、特に人が入ってくるような場所でもねえし、あとは明日1日何とか凌げればいいだけだからな・・・心配は要らねえよ」
「でも、咲那さんを丸裸にした害蟲もいたんでしょう?」
うっと・・・思わず言葉に詰まる咲那ー。
あのスケベ害蟲め、絶対に許さん。
「ああ、確かに油断してたわ・・・ただ、もう害蟲の気配はねえし、あとは森の奥でひっそりとお前さんを待ってればいいだけさ、悪いな、面倒かけて」
先ほど遭遇したヴァルキリーのことは伏せておく。あくまでも、鏡香を心配させないためだ。
鏡香が衣服の替えをもってここまで来るのは、予定では明後日の午前中だ。
「私はいいですけど・・・咲那さん、くれぐれも気を付けてくださいね。何も害蟲ばかりが敵ではありませんよ。例えば、飲み水だって、煮沸せずに飲んだりしたらお腹を壊すし、食べるものだって十分気をつけないと」
この辺りは、一帯が森林なので、おそらく木の実やキノコといったものは豊富にあるだろうが、ただ、それらが全部食べられるとは限らない。特にキノコなどは、間違って毒のある物を食べれば命にかかわるのは確かだ。
「本当に、気を付けてくださいね。気が付いたら、WEBニュースで咲那さんのことが・・・なんてことにはならないように」
鏡香の言葉を聞いて、思わずその光景を脳裏に思い浮かべてしまう咲那ー。
ーー咲那の想像
『本日、○○市郊外の森林で、薬師寺咲那さん(20)が心肺停止の状態で発見されました。第一発見者によると、咲那さんは一切衣類を身に着けておらず、刀を握ったまま倒れていたそうです。警察は、事件、事故両方の可能性を視野に入れてー』
ーー想像終わり
・・・全裸で刀を持った危ない女が森の中で大の字で倒れていた・・・。
「だあぁぁぁ!!」
自分の想像ながら、思わず叫んでしまう咲那ー冗談ではない。こんな話が現実のものになったら恥ずかしくて死んでも死にきれない・・・。
「・・・?咲那さん、どうかしたんですか!?」
生体端末越しに、突然咲那が大声を上げたので、鏡香も焦って咲那に確認する。
「あ、ああ、いや、ちょっと不吉なことを考えてしまってな・・・」
ははは・・・と口元を引きつらせながら、咲那が釈明する。
「まあ、食べ物とかには十分注意するよ・・・この近くに泉や川があるから、魚でも捕まえて何とか凌ぐわ」
「そうですね、川魚くらいなら、焼いて食べれば大丈夫でしょう。私もなるべく早めにそちらに向かいますから、何とか頑張ってくださいね」
「おう」
一旦会話を打ち切る。
・・・これ以上、鏡香に余計な心配はかけられねえな・・・。
頭をぼりぼりかきながら、さて明日はどうしようとか思案する咲那であったー。
魔法剣エクセリオンの炎で焚火を起こし、その火に当たる咲那ー。
すると、そこにー。
「お」
咲那の生体端末に連絡が来たようだ。和泉鏡香からだった。
「おう、鏡香か」
「咲那さん、大丈夫ですか」
どうやら、咲那のことが心配で連絡を寄こしたらしい。
いくら強い咲那とは言え、全裸でしかも女性一人となると、さすがに心配するのも当然である。
ーもっとも、あたしに襲い掛かろうなんて不届きな輩がいたら、問答無用で斬るけどなー。
ふっと、口角を上げて、そんなことを考えながら、鏡香に心配は要らないと返答する。
「まあ、確かにマッパでいろいろ不便だが、特に人が入ってくるような場所でもねえし、あとは明日1日何とか凌げればいいだけだからな・・・心配は要らねえよ」
「でも、咲那さんを丸裸にした害蟲もいたんでしょう?」
うっと・・・思わず言葉に詰まる咲那ー。
あのスケベ害蟲め、絶対に許さん。
「ああ、確かに油断してたわ・・・ただ、もう害蟲の気配はねえし、あとは森の奥でひっそりとお前さんを待ってればいいだけさ、悪いな、面倒かけて」
先ほど遭遇したヴァルキリーのことは伏せておく。あくまでも、鏡香を心配させないためだ。
鏡香が衣服の替えをもってここまで来るのは、予定では明後日の午前中だ。
「私はいいですけど・・・咲那さん、くれぐれも気を付けてくださいね。何も害蟲ばかりが敵ではありませんよ。例えば、飲み水だって、煮沸せずに飲んだりしたらお腹を壊すし、食べるものだって十分気をつけないと」
この辺りは、一帯が森林なので、おそらく木の実やキノコといったものは豊富にあるだろうが、ただ、それらが全部食べられるとは限らない。特にキノコなどは、間違って毒のある物を食べれば命にかかわるのは確かだ。
「本当に、気を付けてくださいね。気が付いたら、WEBニュースで咲那さんのことが・・・なんてことにはならないように」
鏡香の言葉を聞いて、思わずその光景を脳裏に思い浮かべてしまう咲那ー。
ーー咲那の想像
『本日、○○市郊外の森林で、薬師寺咲那さん(20)が心肺停止の状態で発見されました。第一発見者によると、咲那さんは一切衣類を身に着けておらず、刀を握ったまま倒れていたそうです。警察は、事件、事故両方の可能性を視野に入れてー』
ーー想像終わり
・・・全裸で刀を持った危ない女が森の中で大の字で倒れていた・・・。
「だあぁぁぁ!!」
自分の想像ながら、思わず叫んでしまう咲那ー冗談ではない。こんな話が現実のものになったら恥ずかしくて死んでも死にきれない・・・。
「・・・?咲那さん、どうかしたんですか!?」
生体端末越しに、突然咲那が大声を上げたので、鏡香も焦って咲那に確認する。
「あ、ああ、いや、ちょっと不吉なことを考えてしまってな・・・」
ははは・・・と口元を引きつらせながら、咲那が釈明する。
「まあ、食べ物とかには十分注意するよ・・・この近くに泉や川があるから、魚でも捕まえて何とか凌ぐわ」
「そうですね、川魚くらいなら、焼いて食べれば大丈夫でしょう。私もなるべく早めにそちらに向かいますから、何とか頑張ってくださいね」
「おう」
一旦会話を打ち切る。
・・・これ以上、鏡香に余計な心配はかけられねえな・・・。
頭をぼりぼりかきながら、さて明日はどうしようとか思案する咲那であったー。
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
社畜の俺の部屋にダンジョンの入り口が現れた!? ダンジョン配信で稼ぐのでブラック企業は辞めさせていただきます
さかいおさむ
ファンタジー
ダンジョンが出現し【冒険者】という職業が出来た日本。
冒険者は探索だけではなく、【配信者】としてダンジョンでの冒険を配信するようになる。
底辺サラリーマンのアキラもダンジョン配信者の大ファンだ。
そんなある日、彼の部屋にダンジョンの入り口が現れた。
部屋にダンジョンの入り口が出来るという奇跡のおかげで、アキラも配信者になる。
ダンジョン配信オタクの美人がプロデューサーになり、アキラのダンジョン配信は人気が出てくる。
『アキラちゃんねる』は配信収益で一攫千金を狙う!
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
転生幼女の異世界冒険記〜自重?なにそれおいしいの?〜
MINAMI
ファンタジー
神の喧嘩に巻き込まれて死んでしまった
お詫びということで沢山の
チートをつけてもらってチートの塊になってしまう。
自重を知らない幼女は持ち前のハイスペックさで二度目の人生を謳歌する。
チート薬学で成り上がり! 伯爵家から放逐されたけど優しい子爵家の養子になりました!
芽狐@書籍発売中
ファンタジー
⭐️チート薬学3巻発売中⭐️
ブラック企業勤めの37歳の高橋 渉(わたる)は、過労で倒れ会社をクビになる。
嫌なことを忘れようと、異世界のアニメを見ていて、ふと「異世界に行きたい」と口に出したことが、始まりで女神によって死にかけている体に転生させられる!
転生先は、スキルないも魔法も使えないアレクを家族は他人のように扱い、使用人すらも見下した態度で接する伯爵家だった。
新しく生まれ変わったアレク(渉)は、この最悪な現状をどう打破して幸せになっていくのか??
更新予定:なるべく毎日19時にアップします! アップされなければ、多忙とお考え下さい!
色彩の大陸2~隠された策謀
谷島修一
ファンタジー
“色彩の大陸”にある軍事大国・ブラミア帝国の遊撃部隊に所属し、隊長を務めていたユルゲン・クリーガーは帝国首都の城の牢屋で自らが裁かれる軍法会議の開催を待っていた。その軍法会議ではクリーガーは叛逆罪で裁かれることになっている。
弟子であるオットー・クラクス、ソフィア・タウゼントシュタイン、オレガ・ジベリゴワの三人とは戦場で別れた後は連絡はとれないでいた。お互いの安否が気になる。
そんなある日、牢のクリーガーのもとへ軍法会議で弁護人を引き受けると言うパーベル・ムラブイェフが訪れた。弁護士ムラブイェフはクリーガーから事の経緯を詳しく聞き取る。
1年前、“チューリン事件”では帝国の危機を救い、“帝国の英雄”とまで呼ばれていたクリーガーが、なぜ反逆罪で裁かれることになったのか?
帝国軍主流派である総司令官との対決。共和国再独立派による反乱。命令書の偽造による旅団と都市の掌握。
ムラブイェフはクリーガーの話を聞き取り、軍法会議で無罪を勝ち取るための方針を画策する。
そして数日後、ついに軍法会議が開催されクリーガーとムラブイェフは法廷に出向く。クリーガーは何人もの証人と対峙する。
果たして二人は無罪を勝ち取ることができるのか?
-----
文字数 148,497
魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します
怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。
本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。
彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。
世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。
喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。
異世界に来ちゃったよ!?
いがむり
ファンタジー
235番……それが彼女の名前。記憶喪失の17歳で沢山の子どもたちと共にファクトリーと呼ばれるところで楽しく暮らしていた。
しかし、現在森の中。
「とにきゃく、こころこぉ?」
から始まる異世界ストーリー 。
主人公は可愛いです!
もふもふだってあります!!
語彙力は………………無いかもしれない…。
とにかく、異世界ファンタジー開幕です!
※不定期投稿です…本当に。
※誤字・脱字があればお知らせ下さい
(※印は鬱表現ありです)
【完結】神様と呼ばれた医師の異世界転生物語 ~胸を張って彼女と再会するために自分磨きの旅へ!~
川原源明
ファンタジー
秋津直人、85歳。
50年前に彼女の進藤茜を亡くして以来ずっと独身を貫いてきた。彼の傍らには彼女がなくなった日に出会った白い小さな子犬?の、ちび助がいた。
嘗ては、救命救急センターや外科で医師として活動し、多くの命を救って来た直人、人々に神様と呼ばれるようになっていたが、定年を迎えると同時に山を買いプライベートキャンプ場をつくり余生はほとんどここで過ごしていた。
彼女がなくなって50年目の命日の夜ちび助とキャンプを楽しんでいると意識が遠のき、気づけば辺りが真っ白な空間にいた。
白い空間では、創造神を名乗るネアという女性と、今までずっとそばに居たちび助が人の子の姿で土下座していた。ちび助の不注意で茜君が命を落とし、謝罪の意味を込めて、創造神ネアの創る世界に、茜君がすでに転移していることを教えてくれた。そして自分もその世界に転生させてもらえることになった。
胸を張って彼女と再会できるようにと、彼女が降り立つより30年前に転生するように創造神ネアに願った。
そして転生した直人は、新しい家庭でナットという名前を与えられ、ネア様と、阿修羅様から貰った加護と学生時代からやっていた格闘技や、仕事にしていた医術、そして趣味の物作りやサバイバル技術を活かし冒険者兼医師として旅にでるのであった。
まずは最強の称号を得よう!
地球では神様と呼ばれた医師の異世界転生物語
※元ヤンナース異世界生活 ヒロイン茜ちゃんの彼氏編
※医療現場の恋物語 馴れ初め編
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる