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咲那・全裸の逃避行(第4話)
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何者かの視線を感じ、背後を振り返る咲那ー。
そこにいたのはー。
「こりゃ、まいったね・・・」
確かに、人間でもなければ害蟲でもないーしかし、明らかに知性を持つ存在ー。
「あんたは、この泉の女神様ってところかい?」
冗談めかしながら、しかし警戒は怠らずに、咲那は相手に問う。
咲那の目の前にいたのはー一見すれば女性、だが、明らかに人間とは異なる種族ー。
「では、あなたが金の斧ですか、銀の斧ですか、それとも普通の斧ですかーとでも問いましょうか?」
にっこりと微笑みながら、これまた全裸の黒髪の女性が問い返してくる。
「アンタら、ヴァルキリーは、確か英雄の魂を選定するのがお役目だろ?生憎あたしゃまだ死んどらんし、そもそも英雄でもないぞ」
相手も似たような恰好だからか、何か親近感のようなものを感じ始める咲那。
目の前にいるのは、ヴァルキリー・・・戦乙女と呼ばれる選定者たちだ。
「どうして、こんなところへ?」
腰に片手をあてがい、不敵に笑いながら、咲那はヴァルキリーを見つめ返す。
「少なくとも、ここであたしみたいにカラスの行水ってわけでもないんだろ?」
ヴァルキリーは、穏やかな笑みを返しながら、
「たまには、私たちのような下級神も、人間の真似事をしてみたくなるものです」
これまた冗談めかしながら応えた。
まあ、何かの目的があってこんなところにいるんだろうが、無理に詮索してことを荒立てるのも得策ではない。
何より、あたしはマッパで刀くらいしか手元にないが、あっちは選定した魂を召喚し、戦わせることもできる存在だ。
マッパのあたしの前に、おっさんのエインヘリヤルが出てきたらマジ恥ずかしくて死ぬしかないわ・・・。
「まあ、別にアンタが何をしていようが勝手だがね・・・ただ、いきなり人の背後を取るのは、いささか礼を失しているんじゃないか、神様よ」
咲那の言葉に、ヴァルキリーはふっと口元を緩めながら、
「申し訳ありません、別にそんなつもりはなかったのですが・・・たまたまここに先客であるあなたがいたので」
「たまたま・・・ね」
たまたまというのは、いささかにわかには信じ難い。
ヴァルキリーは、北欧神話に出てくる戦乙女ー英雄の魂の選定者とされている。
だが、この世界のヴァルキリーの役目は、実はそれだけではないー。
・・・おそらくは、不死者の連中が絡んでるんだろうな・・・。
以前より、大樹や甲虫都市、浮遊大陸のあちこちで暗躍している、不死者を崇拝する組織悠久王国ーかの組織とは敵対関係にあるのが、このヴァルキリーとその主神たちだ。
不死者たちは、自らの戯れのために害蟲をまき散らす。当然、《ユグドラシル》にとってもいずれ戦うべき相手となるだろう。
この辺りにもあいつらが出るようになったのかー目の前で静かに微笑むヴァルキリーを見返しながら、咲那はいずれ戦うことになるであろう不死者たちのことを思い浮かべたー。
そこにいたのはー。
「こりゃ、まいったね・・・」
確かに、人間でもなければ害蟲でもないーしかし、明らかに知性を持つ存在ー。
「あんたは、この泉の女神様ってところかい?」
冗談めかしながら、しかし警戒は怠らずに、咲那は相手に問う。
咲那の目の前にいたのはー一見すれば女性、だが、明らかに人間とは異なる種族ー。
「では、あなたが金の斧ですか、銀の斧ですか、それとも普通の斧ですかーとでも問いましょうか?」
にっこりと微笑みながら、これまた全裸の黒髪の女性が問い返してくる。
「アンタら、ヴァルキリーは、確か英雄の魂を選定するのがお役目だろ?生憎あたしゃまだ死んどらんし、そもそも英雄でもないぞ」
相手も似たような恰好だからか、何か親近感のようなものを感じ始める咲那。
目の前にいるのは、ヴァルキリー・・・戦乙女と呼ばれる選定者たちだ。
「どうして、こんなところへ?」
腰に片手をあてがい、不敵に笑いながら、咲那はヴァルキリーを見つめ返す。
「少なくとも、ここであたしみたいにカラスの行水ってわけでもないんだろ?」
ヴァルキリーは、穏やかな笑みを返しながら、
「たまには、私たちのような下級神も、人間の真似事をしてみたくなるものです」
これまた冗談めかしながら応えた。
まあ、何かの目的があってこんなところにいるんだろうが、無理に詮索してことを荒立てるのも得策ではない。
何より、あたしはマッパで刀くらいしか手元にないが、あっちは選定した魂を召喚し、戦わせることもできる存在だ。
マッパのあたしの前に、おっさんのエインヘリヤルが出てきたらマジ恥ずかしくて死ぬしかないわ・・・。
「まあ、別にアンタが何をしていようが勝手だがね・・・ただ、いきなり人の背後を取るのは、いささか礼を失しているんじゃないか、神様よ」
咲那の言葉に、ヴァルキリーはふっと口元を緩めながら、
「申し訳ありません、別にそんなつもりはなかったのですが・・・たまたまここに先客であるあなたがいたので」
「たまたま・・・ね」
たまたまというのは、いささかにわかには信じ難い。
ヴァルキリーは、北欧神話に出てくる戦乙女ー英雄の魂の選定者とされている。
だが、この世界のヴァルキリーの役目は、実はそれだけではないー。
・・・おそらくは、不死者の連中が絡んでるんだろうな・・・。
以前より、大樹や甲虫都市、浮遊大陸のあちこちで暗躍している、不死者を崇拝する組織悠久王国ーかの組織とは敵対関係にあるのが、このヴァルキリーとその主神たちだ。
不死者たちは、自らの戯れのために害蟲をまき散らす。当然、《ユグドラシル》にとってもいずれ戦うべき相手となるだろう。
この辺りにもあいつらが出るようになったのかー目の前で静かに微笑むヴァルキリーを見返しながら、咲那はいずれ戦うことになるであろう不死者たちのことを思い浮かべたー。
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