テキトーすぎな《ユグドラシル》の皆さん

ミケとポン太

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空と大樹と(第9話)

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 タコ型ドローンのタコローンの案内で、ミケさんが作業している部屋まで向かう晶たち一行ー。

「・・・しかし、なんというか、タコ部屋と言えば確かにそうなんだけど・・・」

「働いているのがミケさんと似たような外見の奴ばっかとはな・・・」

「う、うわぁ!可愛い・・・!」

「なんだか、動物さん達の仕事場みたいに見えますね・・・」

 カイトも晶も、呆れ顔で施設の中を見回した。

 一方、女性陣の方はというと、早苗は目を輝かせながら、杏里はまるで子供でもあやしている時のような笑顔で、この光景を見つめていた・・・。

 まあ、寸詰まりの胴体と短足で、えっちらほっちらと木材を運んだり、木に鉋をかけている動物もどき達の姿は、可愛らしいと言えなくもない・・・これなら、女性陣がノックアウトされてしまうのも無理からぬことと言えた。

 その中は、額に汗して働く収容者で溢れかえっていた・・・ただし、そのほとんどがミケさんによく似た「動物もどき」ばかりである・・・。

「ミケさんみたいなやつら専門の場所なんだろうな・・・まあ、ミケさんを引っ張っていったやつら自体、あいつと似たような連中だったからな・・・」

 あのポン太達の容姿を考えれば、そんな連中ばかりが収容されているというのもなるほど納得がいくというものだった・・・。

「ところで、ミケさんはどこにいるのかな・・・?」

 施設の至る所に興味津々といった様子の早苗だったが、しっかりとミケさんを探すのを忘れてはいない。

「・・・なんというか、これだけほのぼのとしていると、逆に心配するだけ損な気がするが・・・」

 あまりにも緊張感のないタコ部屋を軽く見まわし、ミケさんを探してみる。すると・・・。

「あ、いたよ、ミケさん!!」

 どうやら早苗が見つけたようだ。早苗の指さす方向に視線を向けてみると、

「あ、ミケさんが、真っ白になってる・・・」

 なんとそこには、某ボクシング漫画の一コマよろしく、真っ白になって「ふ、燃え尽きたぜ・・・」とつぶやいているミケさんの姿があったー。

ーー

「これは・・・明日の〇ョーならぬ、明日のミケさんといったところか」

 いかにも「カーン」という効果音が響いてきそうな光景に、晶たちは呆れ顔となる。

 晶たちが思っていた通り、わずか2日目にして既にミケさんは真っ白に燃え尽きていたのだった・・・。

「・・・やっぱ、こいつに仕事させること自体が無理ってことなのかな・・・」

 おそらく、他の収容者に比べてほとんど働いていないミケさんが、真っ先にダウンしたようである。

「今日でこの状態だと、さすがに先が思いやられるね」

「え、ええと、いきなり不慣れな環境に送られて、まだ体がついて行っていないのかも・・・」

 杏里が、困ったような笑みを浮かべつつ何とかフォローしようと試みるが、

「まあ、こいつは一生かかってもこんなもんだろうな」

「うーん、あのミケさんだからね・・・これはちょっと無理かもしれないね・・・」

 晶も早苗も即座に否定する。それに対して力なく笑うくらいのことしかできない杏里だったー。


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