テキトーすぎな《ユグドラシル》の皆さん

ミケとポン太

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空と大樹と(第8話)

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 そこは、まさに「タコ部屋」であったー。

「・・・確かに、タコ部屋だな」

「いやあ、確かにタコ部屋とは言うけどさ・・・」

「タコさんだねぇ」

「タコさんですね・・・」
 
 4人が、「タコ部屋」と呼ばれる施設の前でそれぞれに感想を漏らした。

 まず・・・屋根の形がタコそのものの!

 そして、外壁にはタコの足が絡みついたような意匠が施されているのだ!

 ・・・まさしく、「タコ部屋」である・・・。

「何も、タコ部屋だからと言ってわざわざデザインにタコを使う必要はないんじゃないかな・・・?」

 カイトが、かなり呆れた表情でタコ部屋を眺める。それは晶と早苗も同じだった。唯一、杏里だけが困ったような笑みを浮かべている・・・。

「まあ、考えてみれば、あの狸どもが使っている施設なわけだし、こんなもんだろな・・・」

 半眼の状態で、晶はタコ部屋の外観を見回した後、中へと続く扉をノックした。

「おーい、ミケさん・・・様子を見に来てやったぞ」

 すると、中から返事が返ってきたーただし、その声はミケさんのものではなかったが。

「ようこそ、お客人」

 扉を開け、中から出てきたのは、なんと!!

「ワタクシがこのタコ部屋の管理ドローン、通称「タコローン」です。どうかお見知りおきを」

 中から出てきたのは、なんともレトロな雰囲気漂う火星人チックな輩であったー。

 その容姿は、まさに前文明時代の西暦1950~1960年代に考案された火星人の姿そのものーただし、タコという設定なので、口はタコチューのように伸びている・・・。

 地底ではお化け型ドローンこと「オドローン」が飛び交っていたが、まさか・・・。

「タコ部屋だから、タコローンか・・・」

「いや、だからタコ部屋って言うからって、何もそこまでタコにこだわらなくてもいいんじゃないかな?」

 晶は額を抑え、カイトは呆れ顔になっている。正直、この施設の管理者が、なぜここまでタコにこだわるのか、いまいちよくわからなかった・・・そりゃあ、確かに「タコ部屋」とは言うが((+_+))

 ちなみに、早苗は目を輝かせてタコローンを見つめている。どうやら、オドローンに続き、このタコローンも彼女のお気に入りとなったらしい。

「ちなみに、清野・・・お持ち帰りはなしだからな」

 また、地下世界のときと同じく、「お持ち帰り」を要求してくるのではないかと思われたので、早苗に対してあらかじめ釘を刺しておく晶。

「ええぇぇぇ~!!」

 案の定、不満そうな声を上げる早苗であった。

 なお、杏里はやはり困ったような笑みを浮かべて何を言ったらいいのか迷っているようだった・・・さすがこの作品で数少ない常識人であるー。
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