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ミケとポン太(第5話)
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ついに、ミケさんのいる部屋まで押しかけて来た借金取り一行ー。
「ニャ、ニャンということニャ!ついに、ついにポン太たちがここまで・・・」
青ざめたミケさんが、晶の手から強引に逃れ、部屋の隅っこへと逃走するーが。
「もう逃げ場はねえぜ、ミケ」
狸もどきことポン太ほか、数名の動物もどき達が部屋の中へとズカズカ入り込む。
「お、おい清野・・・」
玄関の入り口で、こいつらのことを早苗に頼んでいたはずなのだが・・・。
「ご、ごめん晶君。この子達強引だったんだけど、それ以上に・・・」
「?」
早苗の物言いに、訝し気な表情を浮かべる晶。すると、早苗は、
「かわいかったので、思わず入館させてしまったのです!!」
目を輝かせて、堂々とお役目を放棄したことを告げる早苗。
「何だと・・・」
晶が頭を抱えるが、ここまで来られたならもはやミケさんには逃げ場もなく、結局は晶がこの事態に対処しなければならない。
・・・頼る相手を間違えたな。
晶は、盛大にため息をつくと、
「・・・ミケさん、もう逃げ場はない。腹を括れ・・・」
その直後、ミケさんの絶叫が響き渡った。
ーー
「とても可愛らしい動物さん達ですね」
「そうだよね、杏里ちゃん。私、この子達を気に入っちゃって」
お役目を放棄した早苗と、部屋への闖入者たちの「可愛らしさ」に目を奪われた杏里が、二人そろってガールズトークに勤しむ傍らー。
「さあ、ミケ。ここ数十年分の利息も含めて、耳をそろえてきっちりと返してもらおうか」
「返してもらおうか」
「うがあぁぁ!」
汗はダラダラ、ガクブル状態のミケさんが、ポン太たちに囲まれてつるし上げられている。もはや、どこにも逃げ道などなく、また晶も助けようという気持ちにはなれなかったーが、しかし。
「なんだかんだ言って、こいつの借金をどうにかしないと、この連中がここに居座り続ける可能性があるからな・・・」
「どうするの、晶?」
カイトに尋ねられ、晶はさも仕方がないといったような雰囲気で、
「立て替えられる額なら、仕方がない・・・こいつらを追い払うために、うちのチームで立て替えるさ・・・やれやれ」
頭を振りながら、晶はポン太たちに近寄った。
「おい、お前ら」
「む、何だ、あんちゃん」
「邪魔するなら承知しねえぜ」
「うがあぁぁぁ!」
・・・外見はともかく、やかましい連中であることには違いない。これは、和泉姉弟が帰ってくる前に、話をつけた方がよさそうだ。
「いや、邪魔するというわけではないが、こいつは、いったいいくら借りたんだ?」
まあ、どうせ大した金額ではないだろうと、高を括りながらポンタたちに尋ねてみる。
だが、その直後、晶は驚きの額を提示されることになったのだー。
「ニャ、ニャンということニャ!ついに、ついにポン太たちがここまで・・・」
青ざめたミケさんが、晶の手から強引に逃れ、部屋の隅っこへと逃走するーが。
「もう逃げ場はねえぜ、ミケ」
狸もどきことポン太ほか、数名の動物もどき達が部屋の中へとズカズカ入り込む。
「お、おい清野・・・」
玄関の入り口で、こいつらのことを早苗に頼んでいたはずなのだが・・・。
「ご、ごめん晶君。この子達強引だったんだけど、それ以上に・・・」
「?」
早苗の物言いに、訝し気な表情を浮かべる晶。すると、早苗は、
「かわいかったので、思わず入館させてしまったのです!!」
目を輝かせて、堂々とお役目を放棄したことを告げる早苗。
「何だと・・・」
晶が頭を抱えるが、ここまで来られたならもはやミケさんには逃げ場もなく、結局は晶がこの事態に対処しなければならない。
・・・頼る相手を間違えたな。
晶は、盛大にため息をつくと、
「・・・ミケさん、もう逃げ場はない。腹を括れ・・・」
その直後、ミケさんの絶叫が響き渡った。
ーー
「とても可愛らしい動物さん達ですね」
「そうだよね、杏里ちゃん。私、この子達を気に入っちゃって」
お役目を放棄した早苗と、部屋への闖入者たちの「可愛らしさ」に目を奪われた杏里が、二人そろってガールズトークに勤しむ傍らー。
「さあ、ミケ。ここ数十年分の利息も含めて、耳をそろえてきっちりと返してもらおうか」
「返してもらおうか」
「うがあぁぁ!」
汗はダラダラ、ガクブル状態のミケさんが、ポン太たちに囲まれてつるし上げられている。もはや、どこにも逃げ道などなく、また晶も助けようという気持ちにはなれなかったーが、しかし。
「なんだかんだ言って、こいつの借金をどうにかしないと、この連中がここに居座り続ける可能性があるからな・・・」
「どうするの、晶?」
カイトに尋ねられ、晶はさも仕方がないといったような雰囲気で、
「立て替えられる額なら、仕方がない・・・こいつらを追い払うために、うちのチームで立て替えるさ・・・やれやれ」
頭を振りながら、晶はポン太たちに近寄った。
「おい、お前ら」
「む、何だ、あんちゃん」
「邪魔するなら承知しねえぜ」
「うがあぁぁぁ!」
・・・外見はともかく、やかましい連中であることには違いない。これは、和泉姉弟が帰ってくる前に、話をつけた方がよさそうだ。
「いや、邪魔するというわけではないが、こいつは、いったいいくら借りたんだ?」
まあ、どうせ大した金額ではないだろうと、高を括りながらポンタたちに尋ねてみる。
だが、その直後、晶は驚きの額を提示されることになったのだー。
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