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カイトと杏里、大樹へ(第15話)
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ミケさんの様子が、何やらおかしいー。
「・・・どうしたんだ、ミケさん」
どうせ、またつまらん理由なのだろうと、あまり心配していなさそうな口調で、晶がミケさんに尋ねた。今まで、ミケさんが関わることで重要だった事柄は一度もなかったからだ。
「こ、これは・・・吾輩ニョ危機ですニャー」
そう言うなり、ミケさんがそこら辺をあたふたと駆けまわり始めたーその短足で。
焦ってはいるようだが、これほど緊迫感を感じられない光景というのも、ある意味珍しい話である。
「やつが・・・やつがついにここを嗅ぎつけましたニャー!」
ガタガタと震えながら、今度はその場にうずくまるミケさん。普段のミケさんのことを知らない杏里やカイトはそれなりに心配しているようだが、晶は全く心配していない口ぶりで、再びミケさんに尋ねてみる。
「だから・・・奴って誰なんだよ、ミケさん」
そうミケさんに尋ねつつも、晶も何か異変に気が付いた。
「・・・!?」
部屋ーいや建物の外から、何者かの声が聞こえてきたのだー。
ーー
「はらいた~まえ、はらいた~まえ」
日向荘の外から、何やら聞こえてくる怪しげな声ー。何人かが、どうやらこの日向荘に向かってきているようだ。それにしても・・・。
「何だ、この声は・・・?」
「何か、祓いた~まえとか言っていますね」
「悪魔祓いの集団かな?」
晶たちが、謎の集団の声に耳を傾けて、首をかしげる。
この日向荘に、エクソシストが現れた?
西方において、害蟲が悪霊や悪魔などと同一視されることはしばしばある。害蟲も、元は怪異だからだ。
しかし、この辺りにエクソシストが現れることはまずないはず。そして、このミケさんの怯えようはいったいー?
「ウニャー、ついに見つかってしまいましたニャー!!」
ミケさんが、ガビーンという擬音語が適切そうな恰好で、何やら絶叫している。間違いなく、この声の主たちが、原因のようだ。
「ミケさんよ・・・お前さん、エクソシストの知り合いなんていたのか?」
ミケさんとエクソシストーまったく関係がないように見えるが、しかし、このミケさんの怯えようを見る限りでは、どうやら浅からぬ因縁があることに疑いの余地は無かった。
「い、いや、晶よ・・・あれはエクソシストではニャくて・・・」
ミケさんが説明しようとしたちょうどその時ー。
「はらいた~まえ、はらいた~まえ」
またしても、日向荘の外から声が・・・どうやら、声の主たちは玄関までたどり着いたようだ。
「ええい、なんだかわからんが、様子を見に行ってくる!カイトと水無は、ここでミケさんと一緒にじっとしていてくれ」
既に、鏡香と早苗は日向荘を発った後のようだ。それならば、自分がここをなんとしても守らなければならないー。
晶は、声の主たちのもとへと急いだー。
「・・・どうしたんだ、ミケさん」
どうせ、またつまらん理由なのだろうと、あまり心配していなさそうな口調で、晶がミケさんに尋ねた。今まで、ミケさんが関わることで重要だった事柄は一度もなかったからだ。
「こ、これは・・・吾輩ニョ危機ですニャー」
そう言うなり、ミケさんがそこら辺をあたふたと駆けまわり始めたーその短足で。
焦ってはいるようだが、これほど緊迫感を感じられない光景というのも、ある意味珍しい話である。
「やつが・・・やつがついにここを嗅ぎつけましたニャー!」
ガタガタと震えながら、今度はその場にうずくまるミケさん。普段のミケさんのことを知らない杏里やカイトはそれなりに心配しているようだが、晶は全く心配していない口ぶりで、再びミケさんに尋ねてみる。
「だから・・・奴って誰なんだよ、ミケさん」
そうミケさんに尋ねつつも、晶も何か異変に気が付いた。
「・・・!?」
部屋ーいや建物の外から、何者かの声が聞こえてきたのだー。
ーー
「はらいた~まえ、はらいた~まえ」
日向荘の外から、何やら聞こえてくる怪しげな声ー。何人かが、どうやらこの日向荘に向かってきているようだ。それにしても・・・。
「何だ、この声は・・・?」
「何か、祓いた~まえとか言っていますね」
「悪魔祓いの集団かな?」
晶たちが、謎の集団の声に耳を傾けて、首をかしげる。
この日向荘に、エクソシストが現れた?
西方において、害蟲が悪霊や悪魔などと同一視されることはしばしばある。害蟲も、元は怪異だからだ。
しかし、この辺りにエクソシストが現れることはまずないはず。そして、このミケさんの怯えようはいったいー?
「ウニャー、ついに見つかってしまいましたニャー!!」
ミケさんが、ガビーンという擬音語が適切そうな恰好で、何やら絶叫している。間違いなく、この声の主たちが、原因のようだ。
「ミケさんよ・・・お前さん、エクソシストの知り合いなんていたのか?」
ミケさんとエクソシストーまったく関係がないように見えるが、しかし、このミケさんの怯えようを見る限りでは、どうやら浅からぬ因縁があることに疑いの余地は無かった。
「い、いや、晶よ・・・あれはエクソシストではニャくて・・・」
ミケさんが説明しようとしたちょうどその時ー。
「はらいた~まえ、はらいた~まえ」
またしても、日向荘の外から声が・・・どうやら、声の主たちは玄関までたどり着いたようだ。
「ええい、なんだかわからんが、様子を見に行ってくる!カイトと水無は、ここでミケさんと一緒にじっとしていてくれ」
既に、鏡香と早苗は日向荘を発った後のようだ。それならば、自分がここをなんとしても守らなければならないー。
晶は、声の主たちのもとへと急いだー。
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