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カイトと杏里、大樹へ(第6話)
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「若人達よ、お邪魔しますニャー」
カイトたちが部屋でくつろいでいると、そこにミケさんが姿を見せた。
「あら、ミケさん。さっきはどうも」
杏里がミケさんに対して軽く手を振る。
「やあ、ミケさん。どうしたの?」
カイトも起き上がってミケさんの方へ向き直った。
「ニャッハッハ、今は鏡香以外誰もいニャいニョで、少しばかり暇を持て余しておりますニャー」
要するに、ミケさんはカイトたちに自分の話し相手になれと言いたいらしい。
杏里がくすぐったそうな笑みを浮かべると、
「ええ、いいわよ、ミケさん。こっちでいろいろとお話ししましょうね」
ミケさんに手招きする。
ミケさんの糸目がキラっと光り、それはそれはとても短い脚を懸命に動かしながら、杏里のお膝をめがけて突進しー。
ダイブ!!
すとんと、不思議なくらいぴったりとフィットするかのように、杏里の膝に収まった。
「フフフ・・・」
そして、不敵な笑みを浮かべることも当然忘れないミケさん。杏里は、ミケさんの頭をナデナデし、隣のカイトは少し唖然とした様子になった。
「あら、元気なネコさんね・・・ホルルさんも可愛いけど、ミケさんすごく可愛いわ・・・」
破顔する杏里に対し、こいつ、本当に可愛いのか・・・と疑問に思うカイトの姿があった。
どうも、ミケさんは女性キラーらしく、異様に女性陣には可愛がられる反面、男性陣にはあまり高い評価が得られないようだった。
ただ、女性陣に人気がある分、役得なことも多いようだ。
「杏里よ・・・ホルルとは?」
ふと、ミケさんが気になったのか、ホルルのことについて尋ねてきた。
「ホルルさんはね、魔法フクロウなのよ・・・魔法生物さん」
「ほほう」
ミケさんの6本のお髭が興味深げにピクリと動く。
「私の友人に桐ケ谷楓さんって人がいるんだけど、その彼女の執事さんなのよ、ホルルさんは」
・・・半ば強引に執事にされてしまった哀れな魔法フクロウであったが、そこまでミケさんに詳しく説明する必要もないだろう。
「そう言えば、鏡香もモリガンからの連絡を受けた時に、そんニャはニャしをしておりましたニャー」
ミケさんは益蟲である。したがって、魔法生物とは似て非なる存在だ。ただ、害蟲が人間や他の生物種に対して悪意や害意を持っているのに対し、益蟲や魔法生物のほとんどは人間たちの味方か、あるいは中立という立場を貫いている。
・・・ちなみに、ミケさんは確かに益蟲ではあるものの、実際に周囲に益をもたらしているのかというと・・・日がな一日酒ばかり飲んでいるだけで、かなり微妙なところである。
「我輩も、一度浮遊大陸というもニョを見てみたいですニャー」
ミケさんも、おそらく自分と近しいものの存在の話が出て、興味が湧いてきたのだろう。
そんなミケさんに優し気な笑みを返す杏里であったー。
カイトたちが部屋でくつろいでいると、そこにミケさんが姿を見せた。
「あら、ミケさん。さっきはどうも」
杏里がミケさんに対して軽く手を振る。
「やあ、ミケさん。どうしたの?」
カイトも起き上がってミケさんの方へ向き直った。
「ニャッハッハ、今は鏡香以外誰もいニャいニョで、少しばかり暇を持て余しておりますニャー」
要するに、ミケさんはカイトたちに自分の話し相手になれと言いたいらしい。
杏里がくすぐったそうな笑みを浮かべると、
「ええ、いいわよ、ミケさん。こっちでいろいろとお話ししましょうね」
ミケさんに手招きする。
ミケさんの糸目がキラっと光り、それはそれはとても短い脚を懸命に動かしながら、杏里のお膝をめがけて突進しー。
ダイブ!!
すとんと、不思議なくらいぴったりとフィットするかのように、杏里の膝に収まった。
「フフフ・・・」
そして、不敵な笑みを浮かべることも当然忘れないミケさん。杏里は、ミケさんの頭をナデナデし、隣のカイトは少し唖然とした様子になった。
「あら、元気なネコさんね・・・ホルルさんも可愛いけど、ミケさんすごく可愛いわ・・・」
破顔する杏里に対し、こいつ、本当に可愛いのか・・・と疑問に思うカイトの姿があった。
どうも、ミケさんは女性キラーらしく、異様に女性陣には可愛がられる反面、男性陣にはあまり高い評価が得られないようだった。
ただ、女性陣に人気がある分、役得なことも多いようだ。
「杏里よ・・・ホルルとは?」
ふと、ミケさんが気になったのか、ホルルのことについて尋ねてきた。
「ホルルさんはね、魔法フクロウなのよ・・・魔法生物さん」
「ほほう」
ミケさんの6本のお髭が興味深げにピクリと動く。
「私の友人に桐ケ谷楓さんって人がいるんだけど、その彼女の執事さんなのよ、ホルルさんは」
・・・半ば強引に執事にされてしまった哀れな魔法フクロウであったが、そこまでミケさんに詳しく説明する必要もないだろう。
「そう言えば、鏡香もモリガンからの連絡を受けた時に、そんニャはニャしをしておりましたニャー」
ミケさんは益蟲である。したがって、魔法生物とは似て非なる存在だ。ただ、害蟲が人間や他の生物種に対して悪意や害意を持っているのに対し、益蟲や魔法生物のほとんどは人間たちの味方か、あるいは中立という立場を貫いている。
・・・ちなみに、ミケさんは確かに益蟲ではあるものの、実際に周囲に益をもたらしているのかというと・・・日がな一日酒ばかり飲んでいるだけで、かなり微妙なところである。
「我輩も、一度浮遊大陸というもニョを見てみたいですニャー」
ミケさんも、おそらく自分と近しいものの存在の話が出て、興味が湧いてきたのだろう。
そんなミケさんに優し気な笑みを返す杏里であったー。
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