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カイトと杏里、大樹へ(第2話)
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「精霊の道しるべ」を通り、無事大樹にたどり着いたカイトと杏里ー。
「ここが・・・大樹?」
思わず背後に杏里をかばいつつ、一通り辺りを見回してみて、特に危険がないことを確認するカイト。見慣れない場所に着くと、自然と辺りを警戒してしまうのは、彼がそれなりに空のハンターとして経験を積んできたからだろうう。たとえ、最初から危険がないとわかっていたとしても、どうしても周囲を確認せずにはいられないのだ。
「意外と・・・私たちの町とそんなに変わらないかも」
モリガンから、「精霊の道しるべ」に入る前にある程度のことは教えられていたものの、実際に来てみると、意外と自分たちの町とそんなに大差がないことを改めて実感させられた形になった。
目の前には、旅館らしき建物があるーこれがモリガンが言っていた「日向荘」なのだろう。前文明時代の日本という国を彷彿とさせる和風建築物ーカイトも杏里も、それほど建物に詳しいわけではないが、見ているだけでなぜか落ち着いてきた。
モリガンと彼女の仲間たちは、ここを活動の拠点として大樹での害蟲駆除に勤しんでいるという。チーム名は《ユグドラシル》で、古代の神話に登場した世界樹を指しており、大樹で活動する彼女たちにはふさわしいチーム名とも言えた。
「ここで、モリガンちゃんは働いているのね」
「うーん、彼女が旅館で働いている姿って、ちょっと想像できないけど」
実際、モリガンはここの従業員というわけではない。カイトが想像できないというのも無理からぬ話である。
「ここで、モリガンちゃんのマスターさんとお会いできるのよね」
「確か・・・和泉鏡香さん・・・だったっけ?」
チーム《ユグドラシル》は、「双子の主」の異名を持つ和泉姉弟がマスターとして運営している。主な仕事は害蟲駆除や、害蟲による事件などの解決ーといったところで、この旅館ーというか、正確には旅館ではなく、彼らの住居なのだがーを拠点として、大樹各地へと赴き、業務をこなしている。
「・・・うちのチームと違って、きちんと住居があるのはうらやましいなあ。僕らなんて、町に買い出しに行く以外はずっとお空の上だしね」
肩をすくめてぼやくカイトに対し、杏里がクスクスと小さく笑った。
「そのうち、カイトのチームの皆さんともお会いしたいわね・・・落ち着いたら」
もともと、空の世界には興味があった杏里のことである。これは本心だった。
「いいよ、飛空鎧が直ったら、近いうちに案内するよ」
「ぜひ、お願いするわ」
「日向荘」の前で話し込んでいた二人だったが、その時、近くから声をかけられたー。
「ここが・・・大樹?」
思わず背後に杏里をかばいつつ、一通り辺りを見回してみて、特に危険がないことを確認するカイト。見慣れない場所に着くと、自然と辺りを警戒してしまうのは、彼がそれなりに空のハンターとして経験を積んできたからだろうう。たとえ、最初から危険がないとわかっていたとしても、どうしても周囲を確認せずにはいられないのだ。
「意外と・・・私たちの町とそんなに変わらないかも」
モリガンから、「精霊の道しるべ」に入る前にある程度のことは教えられていたものの、実際に来てみると、意外と自分たちの町とそんなに大差がないことを改めて実感させられた形になった。
目の前には、旅館らしき建物があるーこれがモリガンが言っていた「日向荘」なのだろう。前文明時代の日本という国を彷彿とさせる和風建築物ーカイトも杏里も、それほど建物に詳しいわけではないが、見ているだけでなぜか落ち着いてきた。
モリガンと彼女の仲間たちは、ここを活動の拠点として大樹での害蟲駆除に勤しんでいるという。チーム名は《ユグドラシル》で、古代の神話に登場した世界樹を指しており、大樹で活動する彼女たちにはふさわしいチーム名とも言えた。
「ここで、モリガンちゃんは働いているのね」
「うーん、彼女が旅館で働いている姿って、ちょっと想像できないけど」
実際、モリガンはここの従業員というわけではない。カイトが想像できないというのも無理からぬ話である。
「ここで、モリガンちゃんのマスターさんとお会いできるのよね」
「確か・・・和泉鏡香さん・・・だったっけ?」
チーム《ユグドラシル》は、「双子の主」の異名を持つ和泉姉弟がマスターとして運営している。主な仕事は害蟲駆除や、害蟲による事件などの解決ーといったところで、この旅館ーというか、正確には旅館ではなく、彼らの住居なのだがーを拠点として、大樹各地へと赴き、業務をこなしている。
「・・・うちのチームと違って、きちんと住居があるのはうらやましいなあ。僕らなんて、町に買い出しに行く以外はずっとお空の上だしね」
肩をすくめてぼやくカイトに対し、杏里がクスクスと小さく笑った。
「そのうち、カイトのチームの皆さんともお会いしたいわね・・・落ち着いたら」
もともと、空の世界には興味があった杏里のことである。これは本心だった。
「いいよ、飛空鎧が直ったら、近いうちに案内するよ」
「ぜひ、お願いするわ」
「日向荘」の前で話し込んでいた二人だったが、その時、近くから声をかけられたー。
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