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モリガン一人旅(第30話)
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「とにかく、どこかで聞いたことあるんだよ、その燎原とかいうチームのことを」
「そんなに噂になるような連中なのか、そやつらは」
ほとんど人との交流を断ってきた楓でさえ知っているとなれば、それなりには知られているチームなのかもしれない。
モリガンは、その生活拠点が大樹であり、また最近ではチーム《ユグドラシル》の面々と共に大樹の中で害蟲駆除に勤しんできたということもあって、天空世界のことにはとんと疎かった。というより、あまり興味がなかったというのが本当のところで、今回は、楓にたまに顔を見せに来いと言われたからこの浮遊大陸まで来たといったくらいなのだ。
「なんだか、いろんな浮遊大陸に出向いては、結構やばげな仕事も請け負っているとか」
「・・・仕事、というべきかどうかはわからんが、邪術師どもを執拗に敵視して狩りまくっているというのは確からしいのう」
使い魔から送られてきた立体映像の中で、アサギ自身が語っていたことであるー「処刑」ーと。
「邪術師ってのは・・・?」
人嫌いの楓だから知らない・・・ということではなく邪術師のことを知らない人間はかなり多い。西方においては「悪魔憑き」と呼称され、大抵が医療機関のご厄介になっていたりする連中である。ほとんど重度の精神障碍者と同じ扱いなのだが、ただ彼らの場合は高い魔力を備えているため、その対処は普通の精神病院では不可能である。彼らの矯正を試みる研究機関もあるようだが、今のところ具体的な成果は上げられていないと聞く。
「こちら側ー西方では悪魔憑きと呼ばれている連中じゃな・・・東方では、あのアサギとかいう娘の話を聞く限りでは有無を言わさず殺してしまうらしいが」
「・・・マジか」
世間のことにはほとんど関心がない楓だったが、いくら問題を抱えた連中であるとはいえ、邪術師も人間である。さすがに有無を言わさず殺害してしまうという東方の連中のやり方をにわかには受け入れられなかったようで、驚きとともにその瞳に軽蔑の色を浮かべて、
「法も無しか・・・さすが、東方の野蛮人どもだな」
「邪術師相手に法もいらんということじゃろうな・・・まあ、わしは東方のことについてはよくわからんし、これと言って関心もないのじゃが」
手を軽く振りながら、モリガンは構築を終えた転送魔法陣の状態を確かめて、
「よし、二人はもう呼んだのじゃな。なら二人がここに着き次第、説明を頼むぞ、楓」
「わかった」
あとは、杏里とカイトを待つのみだ。しばらくの間、特にカイトには大樹に滞在してもらう必要があるだろう。一応、先ほど晶たちの下に預けていた執事君グレートに連絡はしている。あちら側にも事情は伝わっているはずだ。
「じゃあ、二人を待つとするかの」
二人はそのままアトリエの中へと戻ったー。
「そんなに噂になるような連中なのか、そやつらは」
ほとんど人との交流を断ってきた楓でさえ知っているとなれば、それなりには知られているチームなのかもしれない。
モリガンは、その生活拠点が大樹であり、また最近ではチーム《ユグドラシル》の面々と共に大樹の中で害蟲駆除に勤しんできたということもあって、天空世界のことにはとんと疎かった。というより、あまり興味がなかったというのが本当のところで、今回は、楓にたまに顔を見せに来いと言われたからこの浮遊大陸まで来たといったくらいなのだ。
「なんだか、いろんな浮遊大陸に出向いては、結構やばげな仕事も請け負っているとか」
「・・・仕事、というべきかどうかはわからんが、邪術師どもを執拗に敵視して狩りまくっているというのは確からしいのう」
使い魔から送られてきた立体映像の中で、アサギ自身が語っていたことであるー「処刑」ーと。
「邪術師ってのは・・・?」
人嫌いの楓だから知らない・・・ということではなく邪術師のことを知らない人間はかなり多い。西方においては「悪魔憑き」と呼称され、大抵が医療機関のご厄介になっていたりする連中である。ほとんど重度の精神障碍者と同じ扱いなのだが、ただ彼らの場合は高い魔力を備えているため、その対処は普通の精神病院では不可能である。彼らの矯正を試みる研究機関もあるようだが、今のところ具体的な成果は上げられていないと聞く。
「こちら側ー西方では悪魔憑きと呼ばれている連中じゃな・・・東方では、あのアサギとかいう娘の話を聞く限りでは有無を言わさず殺してしまうらしいが」
「・・・マジか」
世間のことにはほとんど関心がない楓だったが、いくら問題を抱えた連中であるとはいえ、邪術師も人間である。さすがに有無を言わさず殺害してしまうという東方の連中のやり方をにわかには受け入れられなかったようで、驚きとともにその瞳に軽蔑の色を浮かべて、
「法も無しか・・・さすが、東方の野蛮人どもだな」
「邪術師相手に法もいらんということじゃろうな・・・まあ、わしは東方のことについてはよくわからんし、これと言って関心もないのじゃが」
手を軽く振りながら、モリガンは構築を終えた転送魔法陣の状態を確かめて、
「よし、二人はもう呼んだのじゃな。なら二人がここに着き次第、説明を頼むぞ、楓」
「わかった」
あとは、杏里とカイトを待つのみだ。しばらくの間、特にカイトには大樹に滞在してもらう必要があるだろう。一応、先ほど晶たちの下に預けていた執事君グレートに連絡はしている。あちら側にも事情は伝わっているはずだ。
「じゃあ、二人を待つとするかの」
二人はそのままアトリエの中へと戻ったー。
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