281 / 464
モリガン一人旅(第24話)
しおりを挟む
不時着した飛空鎧の確認をした後、楓の家がある森の中に足を踏み入れるモリガン。
「ここら辺は、わしの住んどる「秋の領域」によく似ておるから好きじゃな・・・」
モリガンが自分のアトリエー正確に言えば、母エレオノーラの家だがーを構えている「秋の領域」と、何となく雰囲気が似通ったこの森が好きだったりする。何となく、天空世界の冷ややかな風が、秋風そのものを彷彿とさせるというのもあった。
この場所の正確な季節はわからないが、一部葉っぱが紅葉し始めているようにも見えた。それがなお、この森に対する親近感を抱かせた。
「・・・さすがに馬鹿でかい土竜がでてくることはないがのう」
まさか、「秋の領域」の地下にあんな町があったとは・・・正直驚きを隠せないモリガンだった。この辺りには、さすがにそんなものは無いだろう・・・というか、ここは空の上。いくら「浮遊大陸」とは言っても、さすがに地下世界を作れるほどの体積はない。
「土竜の代わりに、魔法フクロウはいるんじゃがな」
天空世界というだけあって、魔力を備えた鳥類は結構多く生息している。季節によっては他の浮遊大陸や衛星まで遠距離移動する魔法渡り鳥も豊富に存在した。
「ホルルのやつは・・・確かこの辺りで楓に捕まったんじゃよな・・・あやつも不運な」
楓の家までの途中の道が二又に分かれていた。そして、そこに看板がある。ホルルは、その看板の上で微睡んでいたところを楓にとっ捕まり、無理やり執事とされてしまったのだった。
・・・いきなり魔法生物を執事にしてしまう辺りが、なんとも変人の楓らしいと言える。
「さて・・・楓の家まであと少しか・・・む?」
突然、紫の機体を追跡させていた使い魔から連絡が入った。
「何じゃ、緊急か・・・まさかとは思うが」
・・・そのまさかであった。
ーー
「・・・まずいのう。あの東方の女子、方向転換してこちらに向かってきておるではないか」
どうやら、先ほどまで離れていた紫の機体が、再びこちら側に戻ってきたようだ。
「今すぐ見つかるというわけでもないじゃろうが、このままの進路で来られたら、あれが発見されるのは、まず時間の問題といったところか・・・」
あの半壊状態の飛空鎧は、未だ森の付近に置かれたままだ。あんな大きなものは、専用の牽引機がなければ動かせるわけもない。当然、付近まで来られたら、すぐに発見されてしまうだろう。
「あやつらに、何とかして知らせた方がいいかもしれんのう」
使い魔からの映像を確認しながら、モリガンは楓のアトリエへと急いだー。
「ここら辺は、わしの住んどる「秋の領域」によく似ておるから好きじゃな・・・」
モリガンが自分のアトリエー正確に言えば、母エレオノーラの家だがーを構えている「秋の領域」と、何となく雰囲気が似通ったこの森が好きだったりする。何となく、天空世界の冷ややかな風が、秋風そのものを彷彿とさせるというのもあった。
この場所の正確な季節はわからないが、一部葉っぱが紅葉し始めているようにも見えた。それがなお、この森に対する親近感を抱かせた。
「・・・さすがに馬鹿でかい土竜がでてくることはないがのう」
まさか、「秋の領域」の地下にあんな町があったとは・・・正直驚きを隠せないモリガンだった。この辺りには、さすがにそんなものは無いだろう・・・というか、ここは空の上。いくら「浮遊大陸」とは言っても、さすがに地下世界を作れるほどの体積はない。
「土竜の代わりに、魔法フクロウはいるんじゃがな」
天空世界というだけあって、魔力を備えた鳥類は結構多く生息している。季節によっては他の浮遊大陸や衛星まで遠距離移動する魔法渡り鳥も豊富に存在した。
「ホルルのやつは・・・確かこの辺りで楓に捕まったんじゃよな・・・あやつも不運な」
楓の家までの途中の道が二又に分かれていた。そして、そこに看板がある。ホルルは、その看板の上で微睡んでいたところを楓にとっ捕まり、無理やり執事とされてしまったのだった。
・・・いきなり魔法生物を執事にしてしまう辺りが、なんとも変人の楓らしいと言える。
「さて・・・楓の家まであと少しか・・・む?」
突然、紫の機体を追跡させていた使い魔から連絡が入った。
「何じゃ、緊急か・・・まさかとは思うが」
・・・そのまさかであった。
ーー
「・・・まずいのう。あの東方の女子、方向転換してこちらに向かってきておるではないか」
どうやら、先ほどまで離れていた紫の機体が、再びこちら側に戻ってきたようだ。
「今すぐ見つかるというわけでもないじゃろうが、このままの進路で来られたら、あれが発見されるのは、まず時間の問題といったところか・・・」
あの半壊状態の飛空鎧は、未だ森の付近に置かれたままだ。あんな大きなものは、専用の牽引機がなければ動かせるわけもない。当然、付近まで来られたら、すぐに発見されてしまうだろう。
「あやつらに、何とかして知らせた方がいいかもしれんのう」
使い魔からの映像を確認しながら、モリガンは楓のアトリエへと急いだー。
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
スーパー忍者・タカシの大冒険
Selfish
ファンタジー
時は現代。ある日、タカシはいつものように学校から帰る途中、目に見えない奇妙な光に包まれた。そして、彼の手の中に一通の封筒が現れる。それは、赤い文字で「スーパー忍者・タカシ様へ」と書かれたものだった。タカシはその手紙を開けると、そこに書かれた内容はこうだった。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

最強令嬢とは、1%のひらめきと99%の努力である
megane-san
ファンタジー
私クロエは、生まれてすぐに傷を負った母に抱かれてブラウン辺境伯城に転移しましたが、母はそのまま亡くなり、辺境伯夫妻の養子として育てていただきました。3歳になる頃には闇と光魔法を発現し、さらに暗黒魔法と膨大な魔力まで持っている事が分かりました。そしてなんと私、前世の記憶まで思い出し、前世の知識で辺境伯領はかなり大儲けしてしまいました。私の力は陰謀を企てる者達に狙われましたが、必〇仕事人バリの方々のおかげで悪者は一層され、無事に修行を共にした兄弟子と婚姻することが出来ました。……が、なんと私、魔王に任命されてしまい……。そんな波乱万丈に日々を送る私のお話です。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる