テキトーすぎな《ユグドラシル》の皆さん

ミケとポン太

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モリガン一人旅(第3話)

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「まあ、お前さんのネーミングセンスに関しては、この際おいておくとしてもだ」

 ガックシと肩を落とすモリガンから使い魔の方に視線を移す晶。燕尾服を纏った小悪魔風の使い魔は、モリガンの右掌で忠実に待機している。

「とにかく、何かあった時にはこの使い魔に連絡を頼めばいいんだな?モリガン」

「うわぁ、この使い魔さんも可愛いねぇ」

 オドローンに続いてこの使い魔のことも気に入った早苗であった。しかし・・・、

「でも、執事君グレートはかっこよくないかな?」

 さらに追い打ちをかけられるモリガン。

「くぅ」

「まあ、名前については後で考え直した方がいいだろうな」

 モリガンの肩に手を置いて慰める晶。

「それより、お前さん、浮遊大陸に行くって・・・いったいどれくらいの間留守にするつもりなんだ?」

 この大樹から、近場の浮遊大陸と言ってもそれなりに距離は離れている。もっとも、魔女であるモリガンなら転送魔法陣を使えるので、早い話日帰り旅行というにもありそうな話だったが。

「今回は、飛空船に乗って空の旅としゃれ込むつもりでいるからのう・・・大体1~2週間くらいはかかるんではないかの」

「何だ、珍しく乗り物を使うのか・・・てっきり転送魔法陣を使うのかと思ったが」

「わしだって、たまには一般人と同じく乗り物に乗って空の旅をしてみたいのじゃ・・・それに、なんだかんだ言って、転送魔法陣というのは結構魔力を消費するんじゃぞ」

「なるほどな。それで飛空船か」

「惑星Σ-11に知り合いがおるでの。そこまで顔を出しに行ってくるわ」

「惑星Σ-11ね・・・ここからだと片道2日くらいかかるかな」

 実は晶も浮遊大陸には何度か足を運んだことはある。惑星Σ-11自体は訪れたことはないが、近場であれば通りかかったこともあるので、大体の位置関係は把握していた。

「・・・先に言っておくが、何もない場所じゃからな・・・お土産とかは期待するなよ?」

「まあ、そこは別にいいけどな」

「さて・・・と」

 モリガンは、自身の右掌から執事君グレートを地面に降ろした。執事君グレートは、執事らしく恭し気に挨拶をする。

「行ってらっしゃいませ、ご主人様」

「あとのことは任せるぞ、執事君グレート。何かあったらすぐにわしに連絡するようにな」

「かしこまりました、ご主人様」

 さすがに執事というだけあって、自らの主には極めて忠実である。

「・・・やっぱりその名前で通すのか、モリガン」

 晶が呆れ顔で尋ねるが、

「ええい、わしが名付けたんじゃ!こいつは執事君グレートで決定なのじゃ!!」

 腰に両手を当て、半ば開き直りに近い形で力強く宣言するモリガンであったー。



 
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