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水無杏里の物語(第4話)
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杏里とカイトは、しばらくの間その場で黙りこくっていた。お互い、どう接しいいのかわからないーというのが、本当のところだった。
杏里は、偶然この場でカイトを見つけ、治療したものの、人付き合いが苦手で、さらには異性とろくに会話したことなどなく、会話が続かない。
対するカイトも、これまた今までの生活がほとんど空の上で、せいぜい自分の仲間くらいしか話し相手もおらず、ましてや同年代の女子と会話するなど、これまた考えられないことだった。
したがって、お互いが自己紹介を終えた後、何を話せばいいのかわからず、そのまま固まってしまっている状態だったーフリーズである。
カイトは、杏里の治癒能力の効果が効いてきたのか、もう起き上がれるくらいにはなっていたが、自分をまじまじと見つめる目の前の美少女を前に、思わず硬直してしまう。
「・・・き」
ようやく、カイトが口を開いた。顔は真っ赤に紅潮し、緊張しているのがよくわかる。
「君の住んでいる場所とか、もしよかったら案内してくれないかな?補給とかもしときたいし」
確かに、これから先のことを考えると、色々と揃えておく必要もあるだろう。さらには飛空鎧の問題もある。さすがに、半壊状態の飛空鎧を修理するとなれば、それなりの設備や技術者も必要となる。
となれば、この付近に町があれば、何とか工場を探して修理をお願いできるかもしれない。請求は自分のチーム持ちということになりそうだが。
「ああ、ごめん。助けてもらったばかりで、さらに町に案内しろだなんて、厚かましいとは思ってるんだ。ただ、このままだと飛空鎧は修理できないし・・・」
しどろもどろになりながら、カイトが杏里を説得しようとする。そんな姿を見て、杏里がクスっと笑う。
ーああ、この人も、私と同じなんだなー
そう思えたのだ。親近感と、自分も、さっきは今のこの人のように、必死に話そうとしていたんだろうな、と。
「そんな、気にしないで。私も、これからあなたを町で休ませたいと思っていたから」
いまだに横たわった状態のカイトに手を差し伸べた。
「私の方こそ、変に気を使わせちゃったみたいで申し訳ないわ・・・立てますか?」
杏里から差し出された手を、カイトは思わずつかむ。柔らかく、心地よい暖かさが皮膚を通じて伝わってくる。一気に心拍数が上がったかのように思えた。
「う、うん。もう大丈夫だよ、ありがとう」
杏里の手を借りて立ち上がったカイトは、照れ隠しなのか、顔を杏里から背けながらー背後の飛空鎧の状態を確認した。
半壊状態の飛空鎧は、とても動かせる状態ではない。とはいえ、いつまでもこのままにはしておけないだろう。腕のいい技術者や工場を探さなくては。
「その乗り物は、あなたのものですか?」
杏里も、カイトにつられて飛空鎧を見上げた。
「アルマ・ヴォランテス・・・飛空鎧だね。僕の商売道具さ」
「ということは、お空のハンターさん?」
杏里も、ハンターについての知識は少々あるーとはいえ、この飛空鎧に乗って空を飛び回り、害蟲と戦う人々くらいの知識しかないが。
「そうだよ」
カイトが、杏里の方を振り返った。
「僕のチームは名うてのハンター集団さ」
杏里は、偶然この場でカイトを見つけ、治療したものの、人付き合いが苦手で、さらには異性とろくに会話したことなどなく、会話が続かない。
対するカイトも、これまた今までの生活がほとんど空の上で、せいぜい自分の仲間くらいしか話し相手もおらず、ましてや同年代の女子と会話するなど、これまた考えられないことだった。
したがって、お互いが自己紹介を終えた後、何を話せばいいのかわからず、そのまま固まってしまっている状態だったーフリーズである。
カイトは、杏里の治癒能力の効果が効いてきたのか、もう起き上がれるくらいにはなっていたが、自分をまじまじと見つめる目の前の美少女を前に、思わず硬直してしまう。
「・・・き」
ようやく、カイトが口を開いた。顔は真っ赤に紅潮し、緊張しているのがよくわかる。
「君の住んでいる場所とか、もしよかったら案内してくれないかな?補給とかもしときたいし」
確かに、これから先のことを考えると、色々と揃えておく必要もあるだろう。さらには飛空鎧の問題もある。さすがに、半壊状態の飛空鎧を修理するとなれば、それなりの設備や技術者も必要となる。
となれば、この付近に町があれば、何とか工場を探して修理をお願いできるかもしれない。請求は自分のチーム持ちということになりそうだが。
「ああ、ごめん。助けてもらったばかりで、さらに町に案内しろだなんて、厚かましいとは思ってるんだ。ただ、このままだと飛空鎧は修理できないし・・・」
しどろもどろになりながら、カイトが杏里を説得しようとする。そんな姿を見て、杏里がクスっと笑う。
ーああ、この人も、私と同じなんだなー
そう思えたのだ。親近感と、自分も、さっきは今のこの人のように、必死に話そうとしていたんだろうな、と。
「そんな、気にしないで。私も、これからあなたを町で休ませたいと思っていたから」
いまだに横たわった状態のカイトに手を差し伸べた。
「私の方こそ、変に気を使わせちゃったみたいで申し訳ないわ・・・立てますか?」
杏里から差し出された手を、カイトは思わずつかむ。柔らかく、心地よい暖かさが皮膚を通じて伝わってくる。一気に心拍数が上がったかのように思えた。
「う、うん。もう大丈夫だよ、ありがとう」
杏里の手を借りて立ち上がったカイトは、照れ隠しなのか、顔を杏里から背けながらー背後の飛空鎧の状態を確認した。
半壊状態の飛空鎧は、とても動かせる状態ではない。とはいえ、いつまでもこのままにはしておけないだろう。腕のいい技術者や工場を探さなくては。
「その乗り物は、あなたのものですか?」
杏里も、カイトにつられて飛空鎧を見上げた。
「アルマ・ヴォランテス・・・飛空鎧だね。僕の商売道具さ」
「ということは、お空のハンターさん?」
杏里も、ハンターについての知識は少々あるーとはいえ、この飛空鎧に乗って空を飛び回り、害蟲と戦う人々くらいの知識しかないが。
「そうだよ」
カイトが、杏里の方を振り返った。
「僕のチームは名うてのハンター集団さ」
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