テキトーすぎな《ユグドラシル》の皆さん

ミケとポン太

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カルミナとブラーナ(第34話)

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 惑星Σ-11ー。

 内部に浮遊大陸を内包する巨大惑星の一つで、カルミナ達チーム《ラピュタ》も、何度か訪れたことがある場所であった。

 惑星Σ-11を似たものに例えるなら、巨大な回転ジャングルジムだ。内包されている浮遊大陸の住人達は、自分たちの大地を包み込む惑星を外殻と呼んでいる。

 太陽と外殻の位置関係で、日の当たる部分と影の部分が鮮明に分かれるのが、この手の浮遊大陸の特徴だ。カルミナ達が今いる場所は、ちょうど太陽の当たる位置である。

 この場所には街道があるだけで、他には自然しかない。カルミナ達のいる右手には森、左手側は湖となっていた。

「さあて、今度こそやっつけるわよ!みんな」

 カルミナが全員に檄を飛ばす。みんな、コンディションは万全だ。あとは、ここまで逃れてきた害蟲にとどめを刺すのみーである。

「私の羽根が、害蟲の移動場所を特定しております。おそらく、もうすぐこの場所に現れるはずです」

 黒羽の掌には、1枚の黒い羽根が浮かんでいる。おそらくは、その羽根を通して害蟲の居場所を把握しているのだろう。

 決着の時は近いー。

「ここで倒さないと、ゼルキンス村に被害が出るわ・・・それだけは避けないと」

「おお!」

「今度こそ、仕留めてやるぜ」

 翔と卓の気合も十分だ。かつて、ゼルキンス村でもめ事を起こして迷惑をかけたという意識もあってか、村に被害を出させるものかと息巻いている。

「相手は手負い・・・ただ、さっきみたく不意打ちがあるかもしれないから、油断しないで、みんな」

 ブラーナが、黒羽の視線の先を注意深く確認しながら、他のみんなに注意を促した。

「私の能力で、ある程度は相手の動きを封じられます。おそらく、さっきのような不意打ちはそうそうできないでしょうが・・・それでもブラーナの言う通り、決して油断しないでください、皆さん」

 黒羽の黒い羽根は、既に害蟲の能力をかなりの割合で抑え込んでいる。おそらく、さきほどのような形で逃げおおせることはもうできないだろう。

 とはいえ、油断は禁物だ。黒羽が把握しきれていない何らかの能力を秘めている可能性もある。

「大丈夫、さっきみたいなへまはしないわよ。ねえ、みんな」

「もちろんだ」

 全員、武器を構え始める。黒羽でなくとも、近づいてくる魔力の波動を感じれば、もう敵がすぐそこまで迫ってきているのがよくわかる。ここまでくれば、あとはもう仕留めるのみだ。

「・・・来た!!」

 カルミナが、害蟲の姿を確認して叫んだ。腕3本がだらりと下がり、右側の花弁を失った害蟲が、こちらに向かって突っ込んで来る。

 だが、先ほどまでのスピードはない。手負いの上に、黒羽の能力によって、動きを制限されているからだろう。

「さっきはせこい真似で逃げおおせやがったが、次はそうはいかねえぞ!!」

「ああ、一気に仕留めるぞ、相棒!」

 翔と卓が、目の前まで迫った害蟲に特攻をかける。害蟲が、こちらの存在に気が付き、先ほど徹底的に痛めつけられたことへの怒りなのか、咆哮を上げた。

「害蟲の魔力の波動は・・・やはり弱っているわね。仕留めるなら今よ!」

 ブラーナも駆け出す。続いてカルミナもチャクラムを放った。

「これで終わりよ!!」

 4人の一斉攻撃が、手負いの害蟲に殺到したー。

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